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どこまでも行こう......新しい靴とともに

新しい靴を買った。久々のスニーカーだ。

ここ数年買い求めてきた靴は、靴紐なしタイプが多かった。

スリッパタイプで靴紐なしは、サクッと履いてサクッと脱げる。近所の買い物に行く程度ならば、このような靴は便利だった。だが、長い時間歩くのに十分な機能は備わっていなかった。

靴紐あり、または、靴紐なし、それぞれの靴にはそれぞれの役割がある。

長距離を歩くことなく帰宅するような場所に出かけるくらいであれば、靴紐ありスニーカーのように履いたり脱いだりに手間のかかる靴は、不便に感じていただろう。

「優・劣」はないが、「適・不適」はあるのだ。

靴には、その時々のライフスタイルが反映される。

新しい靴を買ったきっかけは、スリッパタイプの靴紐なしでは不便に感じたからだ。ちょうど今、歩く時間が長くなるようなライフスタイルに移行しつつあるのだろう。

ライフスタイルが変わると必要な靴も変わる。

新しい靴に足を入れ、すっぽりと包まれた心地よさを体感していたら、ふと、子どもの頃好きだった歌を思い出した。この靴を履いていれば、どこまでも快適に歩いて行けそうだと感じたからだ。

「どこまでも行こう」というフレーズが気に入って、よく歌っていた。小林亜星作詞・作曲の『どこまでも行(ゆ)こう』という曲だ。

明るく希望にあふれる歌詞だったと記憶していた。

だが、今改めて読み進めると、憂いを感じてしまう。どこまでも行くのは、決して楽なことではないと汲み取れるからだ。憂いを感じ取れるほど、多くの時間を生きてきた証拠なのだろうか。

どこまでも行くことは、決して楽なことではない。

どこまでも行くということは、苦しいことも悲しいことも全部引き受けて、生きていくことなのだ。子どもの頃に歌った明るい気持ちを忘れずに、今の憂える気持ちをも大切にしながら、人生の歩みを進めていこう。

『どこまでも行こう』
小林亜星作詞・作曲

どこまでも行(ゆ)こう
道はきびしくとも
口笛を吹きながら
走って行こう

どこまでも行こう
道は険(けわ)しくとも
幸せが待っている
あの空の向こうに

どこまでも行こう
道は苦しくとも
君の面影(おもかげ)胸に
風を受けて行こう

どこまでも行こう
道がなくなっても
新しい道がある
この丘の向こうに

どこまでも行こう
道は寂しくとも
あの星を見つめながら
迷わずに行こう

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