マガジンのカバー画像

台風が残したもの

24
台風15号による被害の中で、感じたこと思ったことをつれづれなるままに。
運営しているクリエイター

2019年9月の記事一覧

これまでと変わらずに「客」でありつづけること

台風15号の被害においては、報道をされている以上に被害が大きいと感じている。 しかしながら、人々の様子は、報道をされているほど疲弊している様子はない。周りからの支援に感謝しつつ淡々と復興の道を歩き始めているように見えるのだ。 ブルーシートで応急処置をしている家だらけだし、農作物の被害は相当なもの。観光客の足は遠のき、いったいいつになったら普通に戻れるのかと不安にもなる。 地域外との交流を生業としている人たちにとっては、まだまだ試練の時が続きそうだ。 一方で、地域内でお

自己卑下による「遠慮」を改善することはできたのか?

台風15号に襲われる直前、海に浮かぶ白い船のような雲を見た。 久しぶりに『タイタニック』を見たくなった。『タイタニック』には特別な思い入れがあるからだ。 ◇◇◇ 昔々、映画『タイタニック』が大流行した時のこと。親しく付き合っていた友人らとの間で、タイタニック号に乗船していたとして、自分だったら生き残れると思うかという話になった。 その時、次のようなことを友人らに告げられたのだ。 「あなたは、本当は生き残る知恵を持っている人だけど、遠慮して自分を犠牲にしてしまうだろう

社会の礎となるものは人との繋がり

台風が去った後、始めての雨は大雨だった。 心もとない夜を過ごしたのは私だけではないだろう。 今回のことにいろいろと思うところはあるのだが、確実にいえるのは「台風が来る前」には戻れないということ。 傷ついたものはもとには戻らないし、マイナス面ばかりを見ていても仕方ない。 その一方で、私はまわりの人との繋がりを感じることが増え、プラス面も感じている。 特に、新参者の私は、近隣との距離感が変化した。まわりから「どんな人なのか?」と様子を伺われていたところもあったようだ。

助けるつもりが助けられ

近隣の方から芋をいただいた。 「畑でお芋を掘ってきた!」といって、ドアベルを鳴らされたのは朝の7時半頃。おそらくは、朝一番に掘りに行ってこられたのだろう。 「安納芋だから焼き芋にするとおいしいよ!」「こないだは冷たいお水ありがとね!」と明るく話されていたが、寂しかったのであろう。停電中に体調を崩した家族が入院していると聞いている。少し世間話をし、泥だらけの長靴を引きずって家へと帰っていかれた。 停電が解消し、一見、普通を取り戻したかのようでもあるが、水面下ではいろんな葛

自力で進む

自転車を買った。 台風15号の影響は今も続いている。今回のことで、電気やガソリンなどエネルギーを消費していることを痛感した。 自転車は修理をすれば乗れるという状態で持っていたのだが、台風15号の影響で人員不足として修理の受付はしていなかった。 見本として展示している自転車に限り購入可能だったので、新車を購入。予想していた以上に自転車の性能は進化していた。 新しい自転車は空気が入っていないタイヤを採用しており、絶対パンクをしないのだとか。中身が詰まっているタイヤだが、そ

受け取り手の希望に配慮する

They do not like rice!! この言葉はポリサイ(=Poⅼitical Science)を専攻していた友人の言葉である。 何か援助を行う立場となった場合。善人と呼ばれる人は「自分にできること」の中で何かできないかと思案する。 例えば、米の収穫に自信のある日本人ならば、米の作付けについて指導を行うボランティアをすることを考えるだろうが、米を食べる習慣がない地域の人にとっては、「だから何?」といった程度のことでしかない。 誰かを助けたいという気持ちには変

耐えて待つしかないときもある

昨日の夕方、我が家には電気が戻った。 しかしながら、近隣の家屋には電気が戻っていない。 重要な公的施設、幹線道路の信号機、それらに付随している系統に入っている民家には電気が復旧してきていると聞くが、真偽は不明。 いずれにせよ、昨日の夕方までは「被災仲間」として和気あいあいとしていた空気が一変、気を遣いながらひっそりと息をひそめている。 電気が来たことを理由に「何か力になりましょうか?」と声をかけたのもいけなかったようだ。 SNSを介して「善意の」リツイートや情報発信

虫の声を聞きながら

普段は庭で使っているソーラー充電式のライト。 洗って室内で使っています。日中は屋外でたっぷり充電しておくと、夜は室内を明るく照らしてくれるので、ホントにありがたいです。 100均のカゴに入れて持ち歩くと移動するときにも便利。 逆さにしたカゴの上(底の部分)に置くと、辺りをほのかに照らしてくれるので、なんだか雰囲気がでますね。 庭用のライトやアウトドアのライトなどで明かりは確保していますが、スマホの充電は車のシガーソケットが頼りです。市役所やコンビニに出かけたおかげで、

私がアウトドア業界にいた頃

3月11日。 あの当時、私はアウトドア業界にいた。 計画停電が実施される中、仕事との両立は大変だったことを覚えている。 井戸から汲み上げる水道だったアパートに住んでいたため、電気が止まると水道も止まる。 アウトドアのサバイバルスキルをフル活用して日々の暮らしを乗り切った。 今回、台風15号の影響で、停電が続いている。 アウトドアだと思えば、格段に快適。網戸付きの室内にフラットな床。屋内で立てるということもポイントが高い。テントに比べたら快適な住環境なのだ。 暗闇

台風が残したもの

隣家の瓦が芝生に爪痕を残した。 朝目がさめると、東、南、西の3方向から瓦屋根が落ちてきていたのだ。 我が家の敷地内に落ちた瓦を拾い集める近隣の方たちは、とても恐縮されていた。だが、こんなときはお互いさま。 夫の車にもキズがつき、パラボラアンテナにも、ぽっかり穴があいた。 水で土が流されたのか、コンクリート舗装の下に空洞ができている部分も確認できている。 生活に支障が少ないキズまでカウントするとまだまだ被害はあるのだが、我が家の被害はかすり傷程度としか思えないくらい周