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「春風」さよなら大学生(9)

風は目に見えない。それでも確かに存在して、なでたり、ゆさぶったり、突き動かしたりして、現実に作用する。人間の心みたいだ。

なにもない、からっぽな一日だった。
毛布を抱きしめて、窓の外を見ていた。曇りががった、平坦な白い街。
もうろうとして、風の音を聞いていた。見かけによらず、激しい風が吹いていた。

吹き飛ばされてしまいそうな。(367日)

【さよなら大学生】
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