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2020年を振り返って

今年はとうとうコロナ一色の年となって終わろうとしています。
今地球上に生存する誰もが経験したことのないウイルスによる伝染病、本当に今の時代にこんなことが起きるんだ!?と驚き、また誰もが不安な毎日を送った1年であったと思います。飲食業や旅行関係業などが大打撃を受けたのと同じく、エンタテインメントの業界も様々な制約を受け、セテラが30年以上続けてきた映画館への配給業務が本来の形でできなくなったという年でした。でもそれはセテラだけでなく、業界の会社全てが同じ状況下にいたわけで、みんな色々考え模索しながら何とか映画を見てもらいたい、という思いで終始格闘した1年でした。

セテラは今年の配給作品は3月末、6月、12月と時期がずれて配給した3作品でしたが、それぞれ見事にコロナの波のパンチにかかってしまい、1作目の『最高の花婿 アンコール』は、公開後1週間で緊急事態宣言発令のため映画館が2ヶ月間休館、2作目のドイツ映画『お名前はアドルフ?』は緊急事態宣言解除後1週間で公開を迎え、ほとんど宣伝ができない状態での公開でした。

しかし、その緊急事態宣言が出て映画館がクローズしていた間に独立系配給会社数社が何度かZOOMで会議を持ち、今、我々配給会社が映画館で映画をかけられない間にできることとして、”Help the映画配給会社“という行動を起こそうということを決めました。
それは元々このnoteを始めたきっかけにもなったのですが、普段はお客さんの目にあまり認識されないけれど実は映画の買い付けから宣伝まで映画館で配給している映画を供給している、それぞれ個性を持った独立系配給会社の存在をこの機会に少しでもアピールしましょう、というのが目的でした。我々独立系映画配給会社が、世界中の映画が見られる日本での映画の多様性の文化を支えてもいるからです。
そのために賛同した会社が、各社の過去配給作品の中から選りすぐりのラインナップを会社別の配信パッケージとして期間限定で配信のプラットホームにて販売しました。購入して下さった皆様方には、心からお礼を申し上げます。この独立系配給会社二十数社が、今回の活動で横のつながりを持てたのも、コロナ禍の中での数少ない良いことだったのではと思います。この活動を多くのジャーナリストやメディアの方も取材などで応援して下さったことも、忘れられません。
なので、このコロナ下の日々はかなり多忙でした。

そして現在全国で公開中の『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は今第3波のコロナ感染者急増で、ステイホームを再び強調している中での公開となりました。
一方で、そんな中でも観に行って下さった方からは、今のコロナ下で一層身に染みた、今見るべき映画で見て良かった、という声を多数いただけたので、有難い気持ちでいっぱいです。まだまだ全国公開中ですので、是非ご覧いただければ幸いです。

『最高の花婿 アンコール』は、現在DVD発売、レンタル中、また配信中です。アラブ人、ユダヤ人、中国人、コートジボワール人の4人の婿たちと自国フランス万歳のヴェルヌイユ家のパパとママたちの大ファミリーの異文化バトル・コメディです。年末年始のお休みの時にでも是非大笑いして楽しんでいただければと思います。

『お名前はアドルフ?』もやはり家族のディナーの話で、生まれてくる赤ちゃんの名前を巡る家族の論争バトルで、こちらはかなりハラハラドキドキの抱腹絶倒の面白さです。DVDが12月初めより発売・レンタル開始です。配信もそろそろ開始になりますので、見逃した方は是非。頭脳と感性を刺激します! 2021年で勝ち組になるためにも必見です!笑

次回には、2021年のセテラのラインナップの紹介をしたいと思います。皆さん、良い年末年始をお迎え下さいね。2021年には平和な世界が戻りますように祈りつつ・・・。

山中陽子

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