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買ってもらいたいなら、自分から買ってみる。

このタイミングで特に不況業種はデザイン業界へ誰しもそれぞれ商品開発の相談が増えているのかなと思うこのごろ。

僕らも同じく現状の打破を目的とした開発の依頼案件は急増してきてます。これまで作ったことが無い現場ですとコンサル的な事案からスタートを切っていくことも増えてきてます。これまでも開発ゼミなどでどういう進め方が良いのか色々と試行錯誤したり実験してみてその結果考えることが増えました。見えないサービスを提供することへの信頼感をしっかりと得るにはまだまだ修行しなければなりませんが。

そもそもそういったサービスを提供するきっかけになる前に、数年前から僕は自分の会社でそういったサービスをお金を払って受けてみないとわからないなと思い、経営、広報、総務、店、などなど自社内でブレーンが必要だと思われる箇所や部署へコンサルタントを数社契約しました。(一度にではないですよ)

で、それぞれのコンサルティングサービスを実際に受けてみて、内容や費用対効果や仕事の進め方やその後の社内の反応。実際機能してきているのかを重点に観察検証してみたことが今の仕事にも生きてきています。

誰かに伝えたいコトやモノを生み出していきたい!と思うその前に
自分で逆側に立って体験したほうが僕は良いと思ってます。

商品開発で言えば、「作る脳みそ」だけが発動してしまいがちなのですが、作り手の方が案外忘れていることがあります。

「買ってくれる人のこと」です。

ご自分で買い物をされている方には無意識ではありますがモノへの見方や考え方はあるのですが、そういう体験がない方だとものづくり企画は現場の製造だけの狭い視野になってしまいます。

もし製造した商品を誰かに買ってもらいたい!ということであれば、ご自身でも買い物をするという体験は開発にとってとても大切な要素ではないかなと僕は思っています。(開発セッションの際にご自身で買い物をされているのかどうか、どこで買い物をされているのか、工場の方々や職人の方々に依頼に来られた際に聞くこともあります)奥様が選んだ服ではなくて、自分で考えて買ってみてほしいなと(笑

以前たまたま入ったインテリアショップ「カッシーナイクスシー」で働く若手の接客スタッフくんと話していて、新卒の給与だとなかなか高級家具は買うのは大変だろうなと色々話をしていた時に彼から聞いた話に驚きました

「もちろん僕は新卒入社したばかりなので店の家具は社販でも高いので今は買えないんですよね・・・でも接客していくのに体感していない商品をおすすめするのは気が引けるし悩んでたのですが、うちのテキスタイルなら自腹で買えるので、無印のソファにカッシーナで買ったテキスタイルをカバーにして巻いて使っているんです(苦笑)」

彼が言ったことに僕はすごい子だなとシビれたのを覚えてます。
こういうことが開発していくために必要な「想い」なのかなと。お金があるとかないとかじゃない。自分で考えてどう動けばよいか。買ってほしいものを作るのにその価格の買い物をしたことがなければどうして買ってくださる方に目線になれるでしょうか。伝統工芸品で100万円もするものを作ってらっしゃる方にぜひ100万円で別の職人の誂える工芸品を購入していただきたいなと思います(笑)

工芸や工場の皆さん、特に初めて商品作りたいならまず商品を買ってみてほしい。展開していきたいジャンルや世代の商品を購入体験をお願いしたい。

自分たちの技術を高く売りたいなら、高く評価されている技術商品もぜひ購入して欲しい。僕がコンサルさせていただく際は参加される開発プロジェクトメンバーの方でお買い物してなさそうな方には時々言ってます(笑

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