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小さな会社の小さな予算でできること

自社での商品開発で大事だなと思うことは、もちろん売ることもなのですが、
仮に1回試みただけでは目的や目標が上手く達成させることは難しいこともあります。

町工場にしても、職人にしても、今の請負の仕事しかしていなかった場合、
自社の商品をつくることも、それを売ることも初めての経験です。当然、最初は何をやれば良いのかわからないことだらけでしょうし、知ったとしても実行していくのは大変ではあります。ビギナーズラックは起こったりするかもしれませんが、現実世界ではいい感じで上手く流通に乗せられたり、販路設計とメディアでの展開に出会えることは稀です。

「こういう商品をつくった」
「こんな特長(特徴)がある」
「きっと今までになかったはず」
「この商品にはこんな技術を駆使している」
 
皆さんがおっしゃいますが、それぞれ周りに気づいてもらうには時間がかかります。多額の費用をかけてTVCMなど出せば大きく知ってもらえるかもしれませんが中小企業には現実的には難しい。

仮に大きく取り上げてもらえるようなCMや広告を打ったとして、
大きく高く上がる派手な花火を上げたとしても、一度きりだと見逃される場合もあります。

小さな会社ではPR面も大切な開発要件ではありますが、バルーンなら、最初は半径が小さく、高く上げるには難しいかもしれません。そして派手さが無いかもしれないのですが、仮に低くても何度も上げ続けているうちに気づいてもらえるチャンスが増えていく可能性もある。

バルーンの大きさや高さは企画やデザインのサイズ感や反響度。
似たような企画だったり差別化ができていない商品ですとバルーンの大きさと高さは小さく低く見えるかもしれません。

なかなか毎年毎年、新作を発表し続けることは大変だと思います。ですが、見てもらう努力をやめない。展示会に出展したなら、体力の許す限り出展を続ける。来場するバイヤーは何度も見かけるうちにその会社の商品に対する印象が残るし、会社名や商品名が定着していきます。

展示会でなくてもマルシェでも良いでしょうし、露出していく方法はネットだってクラウドファンディングだって様々な選択肢はあります。

とにかく続けていくことだと思います。
たまに出展するぐらいでは、すぐに忘れられてしまいます。

これまで国や自治体が多額な補助金を用意して、著名なデザイナーと産地の職人を組みわせた取り組みがかつて各地で行われていました。海外の展示会に出品され、また、メディアにもお金をばらまいて大々的な告知活動も行ったので、その瞬間は大きな話題を集めていたかと思います。

そういったプロジェクトに関わったデザイナー達は大きく注目を浴びることになりましたが、肝心の関わった製造者側が世に知られることになったり、事業が改善されたりしたケースはあったのでしょうか。

開発した商品のその後。果たして、今でも売られている商品はどれだけあるのでしょうか。こういう仕事に携わるようになり各方面から伺っていると上手く行っているケースが少ないことを僕は実感しています。

大きな打ち上げ花火は上げられたかもしれないが、おそらく大部分は姿を消し、各地の振り返りたくない過去の失敗という「黒い歴史」として残っているかもしれません。

仮に販売が芳しくなかったとしても、メディア取材が増えるような企画であれば
無形の資産構築につながります。結果本業への回帰になるかもしれません。

要は可能性を上げていくのであれば何か動かなければ生まれてこない。
それも大企業が仕掛けている大きな花火型ではなく、小規模企業の身の丈にあったバルーン型を続ける。

高く上げることができず、低くいかもしれないが、何度も上げていると、その半径は広がっていくことで小さなバルーンが高くなっていく、するとだんだんと遠く(自分が行きたいと思っている新市場)から見えるかもしれない。

ではどういうバルーン(商品や情報)だったら自分たちにとって有益な状況を
生んでくれるのだろうかも考えて商品開発されるのも良いかと思います。

バンドで走る回数を増やしてできるかぎりネット上で露出も増やす。

あれが大変、これが面倒と憂いていても状況は変わらない。
考えることと動くことをとにかくやめない方法で進めるしか無い。

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