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楽器は何処で弾くか 〜チェロとコントラバスの違いを考慮した低弦楽器の身体の使い方。 その1

弦楽器は当然ですが、身体を使って演奏します。
この「身体を使って」と言うのは「道具を使って」と言う意味でもありますが、例えば管楽器は身体と楽器とのコンタクトは「口」を使って直接行います。
ピアノの場合は、楽器には直接触ってますが、実際に音を出すシステムを見ると弦と指との間にはハンマーシステム等仲介する物が存在しますので「直接」とは言えないかもしれませんので身体を使ってと言っても良いかもしれません。
打楽器系に関しては殆どはマレットなどの道具を使うので身体を使うと言っても良いでしょう。
長くなったの2つに分けましたが、今回は、この身体を使って演奏する楽器の中で自分がやっているチェロとコントラバスを演奏する場合に、どの様な事に注意してどの様に身体を使うのか?と言う話を具体的に書いて行きたいと思います。
内容を見ると分かりますが、その1では、先ずは概要から始めて、大きな方のコントラバスの話を中心に書いていき、その2ではそれと比較する様な形でチェロの場合を書いていきたいと思います。

オーケストラで使われる弦楽器=ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスは楽器を肩の上に置く高弦楽器とエンドピン(昔は脚で挟んでましたが)を使って楽器を立てて弾く低弦楽器の大きく2種類があります。

ちなみにオーケストラで使われませんが、スパッラの様に首から掛けて弾く楽器もあります。
話は違いますが、この演奏、実に素晴らしく、この楽器で弾くバッハを聴くと、あーこの曲はこういう楽器の為に書かれたんだろうな。というのが良く分かり、チェロで弾いてるのを聴くと何だか非常に野暮ったく無理を感じます。
これも楽器の構造や弾き方に関わるところですが話が逸れるので別の機会とします。


話を戻しますが、どれも同じ様に「弓を使う」弦楽器ですが、弓がやや傾いてるものの身体に対して上下に動く高弦に対して楽器を立てて弾く低弦の場合、弓は横に動きます。

これに加えて、チェロとコントラバスでは楽器の大きさが異なりますので、コントラバスは立って演奏する場合もありますし、座って演奏する場合もチェロよりやや高めの椅子に座って演奏する等、チェロとは姿勢も変わってきます。

又、高弦と低弦では身体に正対する楽器の向きが反対となり、高弦は右手に近い側が高い弦、低弦は逆に低い弦が右手に近くなります。
然しながら、弦楽器の基本的な構造は楽器の大小に関わらず同じである為、弦楽器の構造と楽器の向きという要素によって右手の使い方=身体の使い方もそれぞれ変わってきます。

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