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細胞培養マスター: ゲームで学ぶ細胞培養のコツ

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細胞培養の世界へようこそ!  バイオの世界で必須の細胞培養技術をゲーム感覚で楽しく学べるよう記事を書いていきます。初心者だけでなく、ベテランの方であっても、改めて読んでいただけれ…
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ゲームで学ぼう細胞培養実習 ”バイオ・マイスター® ver.2.0" リスト

細胞培養できる人が足りない2007年にヒトiPS細胞が発明されて以降、培養細胞を用いた様々な応用技術が広がっています。アカデミアにおいても研究ツールとして使うヒト達は増えたのえはないでしょうか? カリフォルニア州再生医療機構(CIRM)がiPS細胞から分化誘導した細胞を販売することを許可して、アメリカでは多くのベンチャー企業が分化誘導した細胞を販売し始めました。そのため、未分化なiPS細胞から苦労して分化させなくても、ヒトiPS細胞由来神経細胞や血管内皮細胞が入手可能になって

ドライ実習トレーニングツール「バイオ・マイスター®」の開発経緯

ドライ実習トレーニングツール・バイオ・マイスター® ver 2.0 “培養室の入室編” をご覧いただけたでしょうか? これを見た方から、なぜ、内履きをすのこの上に置いてはいけないのか、説明が欲しい、と言われました。そこで、解説が必要だと思い、noteに書くことにしました。 まずは、バイオ・マイスター®の開発の経緯の説明を書きました。そんないらないという方は、次の解説編に飛んでくださいね。 1. “バイオ・マイスター®”とは?生命関連の実験技術の取得のためのドライブシミュレ

ドライ実習トレーニングツール・バイオ・マイスター®ver 2.0 “細胞培養室への入室編”解説

バイオ・マイスター®ver 2.0  “細胞培養室への入室編”で、なぜ、内履きをすのこの上に置いてはいけないのか、解説します。 “細胞培養室への入室編”は、こちらに掲載されています。 細胞培養室はなぜ部屋なの?細胞培養室では、ヒトやサル、また動物由来の細胞を取り扱います。ヒトやサルは、まだ、知られていない未知のウィスルや病原体を持っているかもしれません。動物も、人畜共通のウィスルや病原体を持っている場合があります。したがって、それら由来の細胞も、未知のウィルスや病原体を持っ

細胞培養「接着細胞の細胞数計測」

細胞数計測はなぜ大事?接着細胞の培養において、細胞分散後の細胞浮遊液の細胞数を素早く正確に計測することは大変重要です。 素早くする理由は、 接着細胞が浮遊する時間が長いと、細胞が弱ってしまうからです。 細胞を分散させてから播種する時間が30分以内であれば、通常の継代とさほど接着率は変わりません。ですが、30分を過ぎると、播種後の接着率がぐっと下がります。そのため、正確なアッセイはできないと思われます。 論文にしてないのですが、確認実験しました。 ヒトES細胞を分散させて

バイオ・マイスター®ver 2.0 “細胞計算盤による細胞数計測” 解説

セルミミックのウェブサイトに掲載しているバイオ・マイスター®ver 2.0の 細胞計算盤による細胞数計測ゲーム を解説します。 ディスポーザブル細胞計算盤 その昔、私が大学院生だった頃は、細胞数計測はコールターカウンターを使っていました。卒業後、県立病院の歯科に勤務しながら、検査室の培養室で、患者さんの歯肉由来のケラチノサイトを培養させてもらうようになり、さて、細胞数を数えようとしたら、 何もない! 当然ですよね。。。 そもそも研究用に培養している部屋ではなく検査科の間