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「気の抜けた初稿だ」と思われないために。書き上げたあとに確認したいこと

みなさま初めまして。ライター/編集者の半蔵門太郎と申します。姓は半蔵、名は門太郎。人呼んで…(特になかった)

大学を休学しライターとして活動して2年、少しずつWEB記事の呼吸を知り、今では編集を任せてもらえるようになりました。今年は少しづつ執筆を減らし、編集者として広く「メディア運営」に関わりたいなと思っています。頑張っていきましょう。

さて、少しづつ編集を任せてもらうようになり、人の文章を客観的に見ると、色々な気づきがあるものですね。思わぬポイントで突っかかって編集していくうちに「俺はこんなところにこだわりをもっていたのか」「この書き方って俺のフェチだったんだなぁ」と自分の”クセ”を知ったり、「ここの表現いいな、学ぼう」と自分のアップデートに繋がったり。「他人は自分を写す鏡」とは、文章にも通じるのかぁと感じる毎日です。

あと、編集をしていてもう1つわかるなぁということが、「ノッてない原稿が一発で見抜ける」こと。百発百中で当てられるかというとそうではないのですが、「あんまりこのトピック好きじゃなかったのかな」とか「そういえばパツッてたもんな」はだいたいわかるというか、“本気じゃない感”は伝わるなぁと思っています。

とはいえ、お仕事としてライターをやる以上、そこまで関心のないトピックを任されることもあるのも事実。「興味がないから」という理由だけで実力を出し惜しみ、全力で取り組まない原稿を積み重ねたところで意味がないですし、レピュテーションを下げることにもなりかねません。

では、「ぶっちゃけ興味のないトピックの原稿がきたとき、気の抜けた原稿だと思われないためにはどうすればいいのか」!?

個人的には(基本的な文章力を前提に)文章を一旦書き上げたあと、一度俯瞰して「2つのこと」をチェックすれば、初稿の体裁を整えられるのではないかと思っています。今回のnoteでは、短いキャリアながらも気づいたことを棚卸しし、自戒も込めて、今後ご一緒するライターさんにも共有できればなと。ではやっていきます。

① 書き手の自己理解で完結し、説明不足になっていないか

特に取材から執筆を担当した記事に多いのですが、主語や目的語を省略してしまい、一瞬文脈が飛んでしまう文章をたまに見かけます。インタビューを通して濃い話を聞いている分、勝手に脳内補完が行われてしまいがちなのですが…。

一度書き上げた後に、コーヒーでも飲みながらゆっくりと初稿を読み、自分の記事にツッコミを入れていくことで、よりわかりやすく、納得感の大きい記述になるのではないかと思っています。

〈推敲するときに持ち合わせていたい4つのツッコミ〉
・誰(何)が?(主語の欠如)
・誰(何)を?、誰(何)に?(目的語の欠如)
・誰(何)にとって?(届ける対象はしっかり説明したい場合が多い)
・どんな?(“変化””発展”など、漠っとした表現への補足)

僕はビジネス系の媒体で執筆することが多いのですが、以下のような説明不足をよく見かけます

〈よくある説明不足の例〉
・アプリを成長させる
→アプリの「何を」成長させたいの?
・サービスの手応えを確かめる
→どんな手応え?
・サービスの成長
→どんな?
・環境によって
→どんな?
・開発している
→なんの?
・〜〜は、重要なことだと感じています。
→誰(何)にとって?
・さらに発展を遂げる
→何が、どんな発展を遂げるのか
・本質的な意味
→それ言った瞬間「本質」からは遠ざかるので、”どんな”意味を持っているのか分解してかけるとベター

② 無思考な「編集点」で満足していないか

編集点とは・・・
”編集点とはカットや繋ぎなどをする為の間ですね。テレビでは複数のカメラで膨大な量の映像を録画します。それをタイムテーブルに沿って編集しなければならないので、どうしても捨ててしまわなければならない部分が出てきます。そういったカットする始点や終点を編集点と言います。(中略)ふつうは番組の司会者などが「はい、では・・・」とか「それでは・・・」とか「以上ですね」など、お喋りのうえでそういう編集点になる間を作ったりします”
(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1413319659)

文章に置き換えるならば、ストーリーの転換点になるポイントや、強調したい箇所を引き立たせるために、あえてキリッとした一文を入れることなのかなと思っています。

例えば、Yahoo!特集で掲載されたイッセー尾形さんの取材記事。

① イッセー尾形が演じたのは、キリシタンに棄教(ききょう)を迫る長崎奉行・井上筑後守だ。原作の遠藤周作の小説では〈蛇のような狡猾さ〉と表現された弾圧の指導者で、〈穴釣り〉など、残忍な拷問を編み出した実在の人物である。
② ところがオーディションで見たイッセー尾形の演技は、宮川の想像を超えていた。
③ 「オーディションで初めて演技を見たとき、びっくりしました。悪役のイメージからかけ離れていて、にこやかで、声も特徴的で。勇敢な解釈だと思いました。スコセッシ監督も喜んで、グッドグッドと親指を立てて褒めていた。日本人のキャストで最初に決まったのがイッセーさんでした」

① 状況説明(役柄)
② 編集点
③ 第三者による記述(スタッフの感想)

ここでの「編集点」の役割は2つあります。それは、「オーディションへ場面転換へ導くこと」と「“想像を超えていた”と書くことで読者の期待感を煽ること」

もう1つ、違った編集点の例を。同じくYahoo!特集に掲載された、歌手・aikoさんの取材記事です。

① aikoが声帯のケアを徹底的に行うようになったのは、2001年以降のこと。この年に声帯結節急性咽喉気管炎を発症し、ホールツアー「Love Like Pop vol.6」の一部公演を延期させてしまったのだ。
② 「あのときは1カ月間、誰ともしゃべらない生活をしました。もしかしたらもう二度と声がちゃんと出ないかもしれないっていう不安にとらわれてしまって。その後、8年ぐらいトラウマになっていたんですよ。だからこそ、気持ちよく歌えるのであれば、家に閉じこもることも全然大したことじゃないって思えるようになったんです。だって、歌うことはずっとやめたくないから。それだけ命を懸けられることが自分にはあって良かったなって思います」
③ 声帯結節はいまも喉に残っている。
④ 「ポコッと小さい山のようになっているんですけど、病院の先生いわく、それがあることで私は自分らしく歌えている部分があるそうなので、これからもうまく付き合っていこうとは思ってますね。結節があることで2001年の出来事を忘れることはないし、喉のことをより意識できるところもありますから。ま、たまにムカつきますけどね。『なんやねん、この結節!』って(笑)」

① 状況説明
② 状況に対する取材対象者の心情
③編集点
④ ②に対する補足、取材対象者の「らしさ」の演出

ここでの編集点の役割は「セリフの分割」です。だだ流しでは冗長になってしまうリスクのあるセリフに、一つ地の文を入れることで、文章の緊張感を持続させるようにしています。また、編集点のあとに「ま、たまにムカつきますけどね(笑)」というセリフをいれることで、どんなときも明るく飄々としている“aikoらしさ”を強調することにも成功しているのです。テレビ的に言うならば、ナレーションを挟んで間を持たせているとも言えるかもしれません。

前置きが長くなってしまいましたが、僕は、編集点を駆使し「読者への緊張感を持続させつつも、いかにスムーズに場面転換を行うか/長いセリフを読ませるか」が、ライターの腕の見せ所だと思っています。

しかし、編集をしているとスムーズな流れのなかにいきなり編集点をもってきたり、ぜんぜんグッとこないセリフを強調する原稿をたまに見かけます。そういった表現を見ると、「4回表ノーアウトランナーなしなのに、いきなり“見せ場”のようにCMを入れられた」ような違和感を覚えるのです。

今後、文章を遂行するときは「0-0 9回裏ツーアウト満塁でCMが入れられているかどうか」に留意するといいのかもしれません。

まとめ

今回は2点、気をつけていることを詳述しました。他に編集・執筆する際に気をつけている点としては、以下のことが挙げられます。

・日本語のリズム、視覚的な不快感がないか
・論理的な文章であること
・助詞(てにをは)が適切
・同じ内容を繰り返していないか

疲れてしまったので箇条書きにとどめますが、どれかリクエストとかあれば詳しく書こうかなとおもてます。

だらだらと書いてしまいましたが、意外と推敲って「ちゃんとやろう」と思っても精神が削られてできないこともあるので、マニュアル化することでやりやすくなる側面もあるのかなと。

このnoteがどなたかの役にたてば幸いです!それでは!


あ、ちなみに、文章力をあげたいと思っているひとは、以下のnoteがおすすめです!

(画像提供:Unsplash)


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