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週刊セブ島留学&起業日記(第58回)

この記事は2019年11月17日に配信されたメルマガのバックナンバーです。

<今週のトピック>
・タイ、チェンマイの3つのローカルビジネスを考察する
・読者さんからの投稿:英語の参考書のオススメ
・セブパシフィック航空利用時のの庶民的裏技
・二の腕を鍛えたいならハンマーカール
・ダウ平均市場最高値 アメリカ株フィーバー

<チェンマイの3つのローカルビジネスを考察する>
スミマセン、過去2回に続いて今回もタイのチェンマイネタです。今回はチェンマイで訪問した三つの会社を紹介すると共に少し考察してみたいと思います。

TES. English
https://www.thaieigo.com/

こちらは日本人が経営する英語学校です。オーナーさんと直接話をする機会があったのですが、なんと13年の歴史を誇る学校だそうです。但し、教室は約30㎡とこじんまりしているので、『英会話教室』と呼んだ方がイメージは近いかと思います。

そして、どんな規模であろうと13年も、しかも異国の地タイで生き残っていることは驚愕に値します。一説には、起業した会社の90%は1年以内に潰れると言われています。そんな中、タイで13年、完全脱帽です。

あのイギリスを代表するヴァージン・グループのリチャード・ブランソンも『成功したければ最初の1年、まず生き残れ』と言っています。私も零細企業経営者の端くれ、グサっと胸に刺さる言葉です。

『Sir Richard Branson on entrepreneurship | London Business School』
https://www.youtube.com/watch?v=fpI2wheL85Q&t=1228s

さて、このTESさん、生き残ると言う点ではとっても上手だと思います。というのも、固定費が圧倒的に安い。学校の固定費の大半は、人件費と家賃です。全ては見ていませんが、教室と事務所を合わせても多分50㎡程度かと思います。完全に勘ですが、家賃は2万バーツ程度かと(約7万円)。

それから、人件費。社員はオーナーさん入れても3人程度かと。これもざっくりですが、1人月5万バーツと試算します。バンコクで日本人が現地採用される場合の給料が5万バーツなので、この程度見ておけば大きくは外れないと思います。以上から固定費は、

人件費15万バーツ +家賃2万バーツ =17万バーツ
これに少し余裕を見ても、20万バーツ (約70万円)ということになります。

つまり、月100万円の売上があれば3割の利益となります(そして、これをオーナーが取れば決して悪い商売ではありません)。こう考えると、何とかなりそうな気がしてきますよね。ここまで読んで「ネイティブの英語教師はいないのか?」と思う方もいるでしょうが、それはTESさんでは「流動費」なのです。要は、顧客からリクエストがあったらネイティブの知り合いに声を掛ける訳で固定費とはなりません。

これも、ネイティブが多く住むチェンマイだからできるビジネスモデルです。例えば、私が暮らすセブではこういう訳にはいきません。「単に英語が話せるネイティブ」を見つけることはできるでしょうが、「外国人に礼儀正しく英語を教えることができるマトモなネイティブ」にはほとんど会ったことがありませんので(苦笑)。

チェンマイはその住みやすさから、外国人のノマドワーカーがたくさんいるのです。彼らも英語を教えることで臨時収入が入ってラッキーなので、お互いWin&Winなのです。そして、いくらでも「代わり」はいるのでレッスン料が高騰することもないのでしょう。

以上から、支出は概ねコントロールできそうです。次にどう商売を受注するか?TESさんには3つの柱がありそうです。一つ目は、チェンマイに移住した比較的年齢層の高い日本人の「やり直し英語」。二つ目は、チェンマイ駐在者の奥さんや子供さんへの授業。3つ目が、日本からの留学生です。

首都のバンコクに比べれば少ないですが、それでもチェンマイには多くの日本人が住んでいます。そして、ゆっくりした時の流れのチェンマイでは日本人は手持ち無沙汰感を感じてしまうのです。更には、先ほど書いた通り、欧米人の多い土地柄、自然と「英語学習」へと気持ちは向かうのです。

最後にTESさんの他校との違い。それは、日本人が文法を教えること。英会話をやりたいという人は他の学校に行くと思いますが、日本人が文法を教えてくれるのはTESさんだけです。そして、日本人って文法が好きなんです。これは、私もセブで英語を教えていて気づいた日本人英語学習者の確たるニーズなのです。

ということで、文法については完全にオンリーワンです。チェンマイで一番の学校になろうと思ったらこの戦略は正しいとは思えませんが、「それなりの成功」であればこのビジネスモデルは機能します。冒頭検証した通り、固定費はたったの70万円ほどですから(あくまでも私の概算ですが)。

TESのオーナーさんが最終的にどこを目指されているかは分かりませんが、大金持ちになりたい人はチェンマイには住みません(笑)。チェンマイという素晴らしい都市で、英語教育を通して社会に貢献しながら生きていきたい、といった方向性であれば、私にはとっても成功している学校さんに見えます。おそらく13年の経験の中で、多くの失敗を重ねながら、学んで学んで積み上げたビジネスモデルなんだろうと思います。

次に、チェンマイで4つの校舎を持つNESという英語学校。

NES
https://thai-ryugaku.com/nes/

こちらは、安価な料金でネイティブの授業が受けられることが売りの学校。TESさんとは対照的です。具体的に授業料を見てみましょう。

グループ授業 20時間で4,500バーツ (約15,750円)
マンツーマン授業 20時間で14,000バーツ (約49,000円)

これを1時間当たりの単価にしてみると、

グループ授業:787円
マンツーマン授業:2,450円

安いですね!しかし、安い分、マネジメントはかなり緩いそうです。地元の人に聞いた話では、時間通りに授業が始まらなかったり、グループ授業では欠席も多かったりと。ネイティブの先生も教師の資格を持っていない人が多いそうです。

要は「安いから、多少の粗相は見逃してね」というビジネスモデルです。300円もしない牛丼食べてクレームを言うような人には絶対無理な学校ですね。ということで、この学校は日本人のお客さんにはあまり紹介するつもりはありません。

日本って本当にお客様が神様過ぎなので、サービス提供者側は大変です。日本に来た外人の友人と話すと、みんな日本は安すぎると口を揃えて言います。あのサービスがあの値段なんてあり得ないと。。

ということで、この学校は「とにかく料金第一」という留学生や、「緩く勉強したい」と言う方をターゲットにしています。そして、チェンマイにいるタイ人大学生もメインターゲットの一つですね。

おそらく英語教師の就労ビザは取っていないと思います。TESさん同様、チェンマイでノマドをしているようなネイティブを安価にバイトで雇っているのだと思います(違法ですが)。割り切って言えば、「ネイティブのノマド」と「英語学習者」のマッチングビジネスです。この学校もチェンマイならではの「需要と供給」のバランスの上に成り立っている会社ですね。

最後に、いま一番流行っているチェンマイの日本食レストラン。

焼肉:チェンマイ・ホルモン
https://www.youtube.com/watch?v=7d705G3S2uw&t=474s

居酒屋:ガガガ咲か場
https://www.youtube.com/watch?v=kezTzFfuJl8

この二つのお店は隣にあり、オーナーも一緒です。私は1週間のチェンマイ滞在中、2回も「ガガガ咲か場」に行ってしまいました。勢いとしては、焼肉屋さんの方があったのですが、焼くのが面倒な私は居酒屋を選択し、あまりの居心地の良さに2回目もガガガを選んでしまいました。

とにかく、味良し、値段良し(安い)、接客良しです。

ガガガ咲か場は、30席くらいあるのですが何とホールはワンオペなのです。しかも、そのウェイトレスさんは10代のお姉さん。小気味よく動くこのお姉さんを観察しているだけでも、美味しくお酒が飲めます。私が住むセブ島だったら間違いなく5人はウェイトレスがいる広さです(フィリピンのレストランってスタッフの数の方が客より多いのです)。

そして、注文したものが無い場合などは本当に申し訳なさそうに謝るのです。こちらが恐縮するくらい。しかもルックスも抜群。久しぶりに天使を見ましたね。ということで、私は常連となったのです(まだ2回ですが、完全に洗脳されました)。

実は滞在中に、この大繁盛の2店のオーナーさんと話す機会があったのですが、「これ以上値段を上げたらダメ」というギリギリの料金で勝負していると仰ってました。

まずコスト面で見ていくと、おそらく家賃がとっても安いのです。というのも、実はこのお店はチェンマイの中心地から少し外れているのです。私が住むセブだったらこのロケーションは致命傷です。しかし、チェンマイの場合は成立するのです。理由は、チェンマイには渋滞がないからです(軽いのはあります)。ですから、ちょっとくらい外れていても美味しければみんな来てくれるのです。こう考えてみると、渋滞のネガティブな経済効果って本当に大きいですよね。

次に、この2店には壁がありません。格好良く言えば、オープンエアーってヤツです。これも、タイ北部というチェンマイ特有の気候を味方につけた戦略です。おそらくチェンマイでは、4月と5月の真夏を除けば、冷房なしでも十分に快適に外で食事ができます。実際に11月の夜は、少し涼しいくらいでとっても心地良かったです。これは経営的にはとっても大きなメリットをもたらします。

そうです。電気代がかからないのです。照明が電気代に占める割合なんて微々たるもので、その大半は冷房代なのです(南国の場合)。これはとっても大きいです。そして、集客面のメリットとしては、外の風を感じながら美味しい日本食を食べられるということ。

皆さん、少し考えてみて下さい。海外で、屋外で和食を食べられるお店って入ったことありますか?

少なくともセブにはありません。バンコクにも多分ありません。海外経験の多い私でも、おそらく屋外の快適な環境で和食を食べたのは初めてです。そして、これは素晴らしい体験でした。チェンマイだから、チェンマイの中心地から外れているからできる芸当ですね。

ということで、チェンマイの大きなポテンシャルを感じた1週間の出張でした。次回のチェンマイは、来年の1月の予定。ガガガ咲か場で、チャンビール(タイの大衆ビール)を飲みながら私のお気に入りの「炙り締め鯖」を早く食べたいですね。


それでは、いつものコーナーに行きましょう。

1. 読者さんからの質問

<Nさんからのメッセージ>

KG様

初めてメール致します。

自分自身 独学で英語をマスターしようと仕事の合間に勉強を始めました。仕事が忙しく、使用しているテキストは、

『無敵の英語勉強法』ちくまプリマー新書 著者:横山雅彦

単語帳は、

『国際英語基本2,000語』『国際英語基本4,000語』 茅ヶ崎出版社 著者 松山 薫

です。

また、Listening は“BBC NEWS”をwearable speaker を多用して聞いています。

<KGの回答>

Nさん、参考書のご紹介ありがとうございます!

私は英語講師の割に、ほとんど日本の教材で勉強したことがないので日本の英語教材には疎いのです。そういう意味でこういう情報はとっても役立ちます。

『無敵の英語勉強法』を書いている横山雅彦さんて、予備校の人気講師だったんですね。ある種、日本の英語業界って予備校の先生が引っ張ってきた要素が大きいので、機会があれば読んでみたいと思います。

また、BBCニュースを聞いておられるとのこと、素晴らしいですね!私も最近「今日の時事英語」ということで、BBCニュース等の短い動画をツイッターで紹介していますので、皆さん、良かったらフォローしてみて下さい。

https://twitter.com/Cebu_Eigo_Club

参考までに、私が最近触れた英文法の参考書で素晴らしいなと思ったのは、定番中の定番『Grammar in Use』ですね。CELTAという英語講師の研修の時に、授業プランを作成する際に使用したのですがとっても重宝しました。全編もちろん英語ですが、ある程度英語力がついた方は、是非手にとってみて下さい。「英語で英語を勉強する」という新鮮な経験を得られることでしょう。

『Grammar in Use』
https://amzn.to/2XkHiGG


2. フィリピンのビジネス&生活あるある

今日はセブパシフィック航空の裏技について。私はもちろん料金も重要ですが、どちらかというと時間帯や乗り継ぎの場合の待ち時間を重視してチケットを取ります。ですので、最近はあまりセブパシには乗らないのですが、先日久しぶりに乗ったのでちょっとした裏技をご紹介します。

参考までに、最近「改悪」された成田セブ間のフライトスケジュールは下記の通りです。

成田発 8:55 セブ着 13:30
セブ発  2:40 成田着 8:10

どうしてこんなスケジュールにしたのか不思議ですね。成田発の場合、2時間前に空港に着こうと思ったら7時なのですが、朝7時に成田に着けるのって首都圏や千葉在住の人だけかと。成田に前泊してホテル代払うならわざわざLCCのセブパシに乗る必要ないですよね。

更に最悪なのは帰り。週明けの学校や仕事に間に合わせて帰るには、実質、土曜日の深夜に帰るってことなのです。土曜日の夜にゆっくり遊べない分、1日損した気分になりますよね。ということで、私がこの便に乗ることはないと思います。

東京からセブに飛ぶ場合、私の最近のオススメはキャセイパシフィックです。香港乗り継ぎですが、乗り継ぎ時間も短く、JAL/ANAと同グレードのキャセイがいまなら往復4万円程度です。ラウンジを使えるステータスがある人なら最高です。キャセイの香港ラウンジは神ですからね。しかも、今ならビジネスでも10万円程度と破格です。

スミマセン、話を元に戻します。先週私が乗ったセブパシは、バンコク→マニラ便でした。バンコク発午前11:35なので朝もそれほど早起きする必要もなく、移動には抜群の時間帯なのです。

そして、ここでようやく裏技。セブパシ含むLCCって、最前列や非常口のある「足元の広い席」って追加料金を払う必要があるのですが、セブパシは上手くやれば無料でいけるのです。

やり方としては、まずはオンラインチェックインはしません。あの長蛇の列に並ぶ覚悟が必要です。そして、チェックインカウンターで「足元広い席ください」と言うと、何も聞き返さずに普通に発券してくれるのです。事前のオンラインで予約する場合は、路線にもよりますが、1,000〜1,500円かかるのですが。

スミマセン、超庶民の裏技で。

実は私は以前はいつも事前に有料で席を購入していたのですが、ある時から突然、私のクレジットカードがセブパシのウェブサイトだけ使えなくなってしまったのです。とっても不思議なのですが、何度やってもダメなのです。そこで、チケットはトリップドットコムという予約サイトで購入し、座席指定はチェックインカウンターでアナログ対応するようになりました。

LCCに乗る人は1,000円でも節約したいのか、足元の広い席って大体空いてるんですよね。先週乗ったバンコク→マニラ便も、その前の週に乗ったマカオ→チェンマイ便も隣は他に誰もおらず一列3席独占でした。

ちなみに、この技は同じLCCのエアアジアでは使えません。エアアジアの場合は購入となります(当たり前ですね)。セブパシだけですのでご注意ください!


3. セブのレストラン

今週はこのコーナーはお休みです。


4. 今週買ったもの

今週はこのコーナーもお休みです。


5. 筋トレ

今回は『ハンマーカール』という種目をご紹介します。やり方は簡単、動画を見れば一発です。

https://www.youtube.com/watch?v=6jT9OkP3N0I

ハンマーカールでは、上腕二頭筋、要は力こぶができる部位を鍛えることができます。目安としては、10回を1セットとして、3セットはやりましょう。最後の3セット目はギリギリ10回上がるくらいの重量でやると効果的ですね。


6. 経済&投資

日経平均 (年初来 16.43%)
ダウ平均 (年初来 20.05%)
フィリピン平均 (年初来 10.79%)

アメリカ株ダウ平均が、市場最高値の28,000ドルと突破しましたね。これで、今年になって20%上昇したことになります。当たり前ですが、100万円投資していれば、20万円の利益です。海外旅行に1回は行けますよね。

アメリカ様、ありがとうございます!

先週、全部売ると言いながら売るのを忘れていた私。今週は忘れずに売って、利益を確定させたいと思います。


欲張らない、欲張らない!!

それでは、また来週お会いしましょう。


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