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技術のバリューチェーン

・「研究」と「技術」の使い分け

私たちは、「研究」と「技術」を無意識のうちに使い
分けています。

たとえば、「日本の多くのメーカーは、技術立社を
掲げている」と言いますが、技術立社の代わりに研究
立社とは表しません。

同様に、「日本では、研究に力を入れノーベル賞を
受賞する機会が増した」と言いますが、ここでは、
研究の代わりに技術という言葉は使いません。

技術革新が急速に進み、イノベーションを起点に企業
の成長が望まれているこの時こそ、時には混同して
用いてしまう「研究」(Research)と「技術」
(Technology)の意味するところをしっかり理解し、
そして「生産」との関係をも明らかにすることが大切
です。

・「研究」「技術」「生産」の違い


「研究」は知の創造であり、「技術」はその知を産業
に適用させること、そして「生産」は「技術」で
具体化された結果を用いて〝ものをつくる〟ことを
指します。

そして、「研究」、「技術」と「生産」は一直線で
繋がる価値創造の活動であるため、バリューチェーン
と考える事ができます。

この3つの機能のつながりである「技術のバリュー
チェーン」は、事業を成立させ、さらに発展進化させ
る重要なはたらきを担っています。

「技術のバリューチェーン」で、成果を得る期待度
(成功確率)は3つの機能により異なります。

「研究」においては発見・創造が重視され、その成功
率は、研究領域によって期待度は異なりますが、
決して高い成功率を目指すものではありません。

例えば「10のテーマを行って1テーマでも次につな
がる結果や発見」があれば上出来です。

一方、「技術」は、「研究」で得た結果を産業化する
検討プロセスと捉えると、研究結果の工業化検討で
あると同時に、市場の受容性や要求も含め評価する
ことになります。

「技術」では、7割程度の達成が得られれば満足すべ
きでしょう。

これに対して「生産」の成功率は100%を求められて
います。


「生産」ではお客様が満足する製品をつくることが
目的なので、不良品は不可となり、わずかな失敗も
許されません。

・「研究」「技術」「開発」から得られる結果の
適用性

「研究」から得られた結果は、ひとつの領域や特定の
事業に活用されるだけではなく、他の領域や多くの
事業に活用できることが多くあります。

研究の結果には一般性があるため、その適用範囲は
広範に及ぶと考えられます。

一方で、「技術」の結果は、限られた分野や事業を
前提に検討を行うため、結果の適用範囲は、
ターゲットに定めた領域に限定的となります。

また「生産」の結果は個別の生産物そのものである
ため、結果は特定されるのです。

このように、成功確率と結果の適応性の両方を意識
しながら、技術のバリューチェーンをデザインして
いくことが重要です。


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#開発 #ものづくり #働き方 #技術革新


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