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「リリーのすべて」を観て:愛ってなんだ?

『リリーのすべて(原題:The Danish Girl)』日本公開は2016年


 https://filmarks.com/movies/61639

1.あらすじ
 デンマークに住む、アイナーとゲゼルの画家夫婦。とある日、頼んだモデルが急遽来られなくなり、ゲゼルは夫であるアイナーに書きかけの絵のモデルをしてもらう。ストッキングを履き、体にドレスを当てたアイナーは、「もう一人の自分」に気づき始めた---

この物語では、アイナーとゲゼル、そしてアイナーの‘もう一人‘であるリリーの関係性が変化していく様子が丁寧に描かれている。ゲゼルは夫のことをとても愛していた。愛って...愛ってなんだ?

以下、ネタバレあります。

この映画を見てしばらくは、性と愛について考えていた。ゲゼルは、リリーのことは好きではなかったように思う。(もちろん愛してはいたと思うが、アイナーに向けるものとは全く別の感情だと私は考える。)ゲゼルはリリーに対し、アイナーに戻るよう説得していた点や、アイナーと性的な行為をしようとしても、相手に断られる(当時の体が嫌だったため)点が印象的だったから。また作中、アイナーは妻のゲゼルに「君の好きな僕ではなくなる」として手術の同行を拒んだシーンもあった。ゲゼルは男としてのアイナーが好きだったのだ。

 私はその結論に、深い悲しみと失望を覚えた。私がゲゼルなら、そんなことしないのに。そう思った自分に驚いたが、思考を掘り下げるうえではよいテーマになるだろう。
 私の交際歴は片手で数えられるほどで、全員男性である。しかし、いわゆる男性的な魅力に惹かれたわけではない。中性的な顔立ちで、肌が白いひとが多かったように思う。私は交際相手のことをすぐ「かわいい」と表現するし、付き合う人はどんどん可愛くなっていく。愛くるしい、という意味で。
逆に、かっこいい、と思ったことはあまりないし、付き合うまでの段階に至っては「かっこいい」と思ったことは一度もない。(過去の男たちよ、ごめん!)人生で数回しか思ったことがないので、私の「かっこいい」は芸能人ですら引き出すのに苦労するのである。

もしかすると、この「かわいい」こそが、冒頭の【私だったらそんなことしない】につながっているかもしれない。

そもそも人は、人を好きになる際に性的に意識するものなのだろうか。

皆さんは、どう考えますか?

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