繰り返し

吹き込んできた風がそっとスカートを揺らす
ただ春の空気を感じたかっただけなのに
僕を掴んで離さないその声が
僕を掴んで離さないその笑い方が
僕を掴んで離さないその洋服が
僕を妄想の中に取り残していく
君の隣に立って笑って、笑って、、わらって、、、
言えない触れない泣けない
ただ見とれることしかできなくて
ただ見つめることしかできなくて
ただ見つけることしかできない僕に
君は言うんだ
「桜みたいだね」って
僕がこの世で1番嫌いな言葉
ただいらなくなって落ちていっただけなのに
それを儚く散っていったと表現されるそいつが
儚く散ることが綺麗だと思うあいつが
僕はこの世で1番嫌い
その嫌いなものにすらなれない僕は
この次元で1番嫌い
硬くて固くて堅い僕を
柔らかく軟かく朗らかにしてほしいのにな
それしか望んでいないのに
なんで君はできないんだろう
なんで君はできないんだろう
なんで君はできないの
そっかそれは君がお前を好きだからだね
お前が僕と似ているからだね
お前が落ちてもまた咲く限り僕は君の1番には
きっとなれないずっとなれない

だから僕は今日も自分に沈んでいく
春と共に君と共に言葉と共に

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