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試行錯誤の入口

立地と物の魅力

 お店を開けているのは土日の15時〜18時という短時間ながら、思っていた以上に多くの人が興味を示してくれ足を止めてくれます。三鷹台駅徒歩4分、あまり車が通らない、1階にある、近隣に三鷹台児童公園や神田川がある、住宅だけじゃなくカフェや花屋など個人経営のお店がチラホラ、など立地的な利点に加え「旧・アンティーク日本の心」に眠る物たちの何とも言い表せない魅力があると思います。

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蘇った物語

 近所のマンションにお住まいのピアノ教室の先生がいらして、15年前くらいに撮った写真持ってきて見せてくださいました。同じマンションに住んでいたオーストリア共和国のインスブルックという都市出身の方がこちらのお店で買った時代たんすや掛軸、弥勒菩薩像を愛用しているという写真、お店をやっていた頃の旦那さんとピアノ教室の子どもたちとの写真など、貴重な思い出を共有させてもらいました。
 土曜日に、久しぶりにシャッターが開いているのを見たとのことで声をかけてくれ、「あの頃の楽しかった記憶が蘇った」と感激されていました。翌日の日曜日に写真を持ってきてくれ思い出話に花が咲きました。その写真の写真を撮らせてもらったので、いつかお話会やトークイベントを実施してご紹介できたらいいなと思っています。 

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LINE公式アカウントを作りました

 先週いらっしゃった近隣にお住まいの劇団の方がまたいらっしゃり、桐たんすや大きめの姿見をお譲りしました(ご寄付いただく)。誰かが店内にいるときほどお客さんが入ってきやすい原則(あくまでも個人の体感)よろしく、他にも3人くらいに小さい人形類や徳利、お皿などをお譲りしました。
 でも無償で譲渡するだけというのはちょっともったいない…。私としては物が片付いた先に、この場所をどんな風に活用していけば個人も地域も社会もハッピーになれるか一緒に考えてくれるような仲間が欲しい(もちろんそんな積極的じゃなくてもOK、むしろありがたい)、ということでLINE公式アカウントを作りました。ぜひ興味ありましたら登録してもらえると嬉しいです。

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ジェイコブズの4条件

 「せっかく雰囲気が良い地域なのにクリエイティブな場所が少なくてもったいない」とおっしゃっていた方がいました。これは私もそう思います。同じような時期に建てられた分譲住宅が建ち並ぶエリア、均質なマンションだらけの団地はもちろんそれはそれで良さはあるのですが、やはり単調に感じてしまいます。
 アメリカのジャーナリストであるジェイン・ジェイコブズは都市が多様性を保つための条件(The conditions for city diversity)として、(1)地域に用途が2つか3つ以上異なる建物や場所が存在すること(2)短い路地がたくさんあること(3)古い建物が混ざり合っていること(4)人が高密度に集積していること、などを挙げています(詳しくはこちら)。 

 withコロナ、afterコロナの社会において「新しい生活様式」も厚労省から示されるなど、根本的に常識を変えていく必要性を感じつつもジェイコブズの4条件はヒントになります。
 古い空き家(正確には空き店舗であり元を正せば車庫)を安く借り(固定資産税分くらいでお借りしたい)、「住む」以外の働くや遊ぶ、交流する、学ぶ、といった多様な用途で使われる場所に育てていくために、これから試行錯誤が本格化します。まさに今は試行錯誤の入口にいます。


まちの余白を活用して新しい価値をつくる活動はみなさんのサポートに支えられています。