見出し画像

市場に出ていない空き家を借りるために出来ること

 まだ5月なのに30度近い気温の中、吉祥寺駅、井の頭公園駅、三鷹台駅周辺にある以前から気になっていた5軒の推定空き家について、近隣の不動産屋さんにお話を聞くなど情報収集をしてきた。

どんな活用をすれば街に価値をもたらすか

 吉祥寺駅から徒歩5分圏内でもここ10年くらい使われていないような推定空き家はある。大きな道路に面した推定空き家Aは木造2階建ての大型物件だ。全体が蔦で覆われている。2階の玄関へ行く階段は足元が蔦で覆われているため人が通っている感じはしない。1階に関しては整頓されている感じなので1階に居住者がいらっしゃる可能性がある。
 路面・角地にある推定空き家Bも木造2階建てで全体が蔦で覆われている。郵便ポストは整然としていた。人が住んでいるのだろうか。
 しばらく推定空き家Bの付近で同行した空き家活用を実践している方と活用方法について想像を膨らませた。住宅が多い中であっても人通りがあるためブロック塀を撤去して、1階はカフェやレストラン、バーなどの飲食店として活用できたら賑わいそうだ。

不動産屋さんに突撃

 街のことは街の不動産屋に聞いてみようと考え、吉祥寺駅近くの不動産屋さんに突撃してみた。蔦が覆われていて空き家のように見えること、駅前の利便性の高い立地だが売りにも貸しにも出ていないのかどうか、街の価値を上げるような活用がしたいということ、などを聞いた。即答はできないので後ほど連絡をくれるということで、電話番号とメールアドレスを伝えた。

売却が決定、相続でストップ、管理していない、etc

 他の3軒については別の不動産屋さんに聞いてきた。いきなり見知らぬ怪しい2人組が来て「空き家貸してくれませんか?」と言ってくるのだから訝しがられるのも当然だ。過去に店舗だった風の2階建て木造住宅である推定空き家Cは既に売却が決定しているそうで、買手が付くのを待っている状況。築40年くらいのかなり老朽化した2階建てアパートである推定空き家Dは相続関係で現在保留中のようだ。最後に、元店舗だった大型の木造2階建ての推定空き家Eは持ち家なので管理していないとのことなので、直接インターホンを押して訪ねてみたが反応がなかった。

不動産屋さんに聞く、直接訪ねる、お手紙

 夕方、先の吉祥寺のAとBについて不動産屋さんから電話をいただいた。管理はしておらず状況はわからないとのことだった。不動産屋さん的にはずっと使われていないような推定空き家の所有者に対し、売却や賃貸を積極的に提案するような仕事の仕方はあまりしないようだ。
 そうなると直接訪ねるか、不動産登記簿の所有者の住所へお手紙を送るくらいしか推定空き家所有者との接点はない。数撃てば当たるというやり方しかないのであろうか。少なくとも今回、具体的に推定空き家の所有者情報を調査してみたことで、市場に出ていない空き家を売買や賃貸へと市場化するのは、所有者次第ということが実感としてわかった。

まちの余白を活用して新しい価値をつくる活動はみなさんのサポートに支えられています。