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ネットの色覚テストは大抵色覚をテストしていない

一時期前から、「あなたは大丈夫!?色覚テスト!」みたいなWEBサイトが増えはじめたように思います。

これはおそらく、今の20歳台前半の世代が色覚検査を行わないまま成人したことに関係すると自分は考えています。くわしくは以前書いた記事をご覧ください。

それまで小学校で行われていた色覚異常検査は、2003年以降は検査が義務ではなくなりました。色覚検査をしないまま育ち、就職などのタイミングでようやく自分の色覚特性に気づく人が出てきたはずです。中には、色覚異常が原因で就職できなかったケースもあったのではないかと思います。

そのような背景があるため、特にいまの20歳台前半以下の不安を煽るような色覚テストを名乗るWEBサイトが増えたのではないかと思います。

その中からいくつか、色覚異常の自分が試しにやってみました。まずこちら。

【激ムズ】「色彩能力者」にしか読めない文字

激ムズらしいです。私は色彩能力者なのでしょうか。ドキドキ。

さっそくやってみましょう。


全問正解でした。やったね!!

結論から言うと、このテストは色覚、色彩をテストするものではありません。色差というよりも、明度や彩度のわずかな違いを見分けられるか?というテストです。おそらく、これを作った方は、色差、明度、彩度の違いをよく分かっていない方だと思います。そもそも、「色彩能力者」ってなんなんだ。聞いたこともない。

他にもやってみましょう。

例えば、いくつかの色のマスの中から一つだけ違う色を探すゲームです。

こういうやつです。多分、類似するサイトは他にもあります。

こちらはゲームとして楽しめるみたいで、スコアによって、視力を動物に例えてくれるようです。

人間よりも色のセンサーの少ない動物が混じっているのが謎ですが、自分はどの動物になるのか楽しみです。

それでは、やってみましょう。




なんとロボットになれました。1キロ先の蚊が識別できるそうです。

他にも様々な色覚テストのサイトがありますが、信用できるものはそこまで多くないと感じます。


もしあなたが本当に色覚異常の有無を知りたいだけであれば、下記の石原式色覚異常検査票を見るだけで十分です。

この数字を全て読めるのであれば、あなたは色覚異常ではありません。

石原式では、色覚異常の有無のみを診断することができます。もっと詳しい色覚異常の種類を知りたいのであれば、眼科へ行き、D-15パネルなどの検査をすると良いでしょう。

WEB上の色覚テストサイトは、ゲーム程度に捉えて、楽しみましょう。

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