内定をもらえなかった20卒の僕と、今就活をしている22卒の君へ。就活は、茶番か。(後編)

はじめに

この記事を読む皆さんに、一応断っておきたいことがある。

この記事を役に立たせようとするのは、やめましょう。

「自分の未来についてろくに考えていなかった20卒の時の僕みたいな全身無気力人間に、少しでも『就活も悪くないな』と思わせる」

この記事を書きながらそんなことを目標にしていましたが、めっちゃ難しかったです。もう先生、そんな人知りません。

自分の将来について考えるのは面倒くさいし、考えた先に存在するのがリクスーを着て前倣えで右に倣えの儀式だという現実、そうそう受け入れられませんよね。

だから僕は、ありがちな就活スキルのハックや意識の高そうなキャリア論なんかは、絶対に書きません。

ということで、就活体験記後半、スタートです。

1月に内定もらえた!超ハッピー!!

20卒の就活に大失敗したとはいえ、就活は2年目ということもあり、面接にスリッパを履いていったり、自己分析もしないまま無闇にインターンに応募したりということはなく、21卒の時はさすがに模範的で一般的な就活をしていた。

インターンは夏秋冬で15社くらいに参加し、何社か早期選考の権利も得た。

就職留年ゆえの辛さも特になく、色々なインターンで出会った友人たちと仲良くやりながら就職活動を進めていた。

無事にD社でのインターンも修了し、コピーライター養成講座にも通いはじめ、「あなたのキャッチコピー50本1円で書きます」サービスを立ち上げ、順風満帆とはいかないまでも「俺、本当に代理店でクリエイティブやれるんじゃね?ww」みたいな、根拠のない自信に満ち満ちた充実した就活生活を過ごしていた。

とまあ、僕が楽しかった話は正直誰も興味がないと思うので、二年連続2度目の祈られ祭りが開催されるまでは早送りでお送りしていきたい。

とあるWEB広告代理店から初めて内定を貰えたのは、1月終わりの事だった。21卒の就活生の中でもかなり早いほうだったと思う。

就活を始めてから終えるまで一貫して総合広告代理店志望だった僕は、そこは第一志望ではなかった。

ただ、それを正直に認めたうえで、これからのWEB広告におけるクリエイティブの未来について面接官に3時間ほど語った結果、幸運にもその場で内定をもらうことができた。

「第一志望ではない」と言い切るのはかなりリスキーだったが、自分なりに考える「御社での将来の夢のかなえ方」をアピールできたのが功を奏したのだろう、と今ではわかる。

だが、僕の躍進劇はここまでだった。

PDCAの果ての果てには地獄が待っているという話

3月に本選考が始まってからは、惨敗続きだった。

あれほど夏インターンから書き続けてきたESは落ち続けたし、ESに通過しても2次面接が関の山。3か月もインターンに通っていたD社にも、実質最終面接で落とされてしまった。とはいえ敗因はわからず、万策は尽き、「もう、何がダメかわからない」という状況に陥ってしまったのだ。

いやもう、こうなると就活は本当に地獄ですよ、みなさん。

どんなに楽しい事をしていてもお祈りメール一本でテンションは激落ちくんだし、逆に受かってればウキウキで次回面接の日程を決めるし。そんなメンヘラを極めたような日々だった。あ、これは内緒ですが、一回大阪環状線で泣いたこともあります。

改善点が見つからず、「人事にハマるかハマらないか」のコイントスみたいな就活をしていた。正直今考えても、何がダメだったのかわからない。

否、大方の見当はついているが、それを改善する勇気がなかったというほうが正しい。

恐らく、僕は深い所で就活をなめていたんだと思う。

落ちた面接は、今でも一社一社鮮明に思い出せる。

「ソーシャルグッド(社会課題の解決)にも目を向けられるコピーライターになりたい」と高らかに宣言したものの、お手本になるコピーライターの名前が出せなかったり(勉強不足)、第一志望企業のグループ会社の面接で「御社が第一志望です」なんてバレバレの嘘をヘラヘラとついたり。(これに関してはまじで素直に話せばよかった。嘘ついた上に落ちるとマジで後悔するゾ)

当時はいろんなところでコピーを書いていたし、2年目ということで変に自信があったせいか、自分のガクチカの整合性や面接のクオリティに疑いの目を向けることはまずなかった。

謙虚さなど忘れてガクチカづくりに邁進し、「めっちゃコピー書きました!!」の一点張りで面接を受け続けた結果、今年の巨人並みの惨敗を喫した。

浪人生が「センターは去年対策したからいけるやろ」と二次試験だけをガチった結果案の定センターでボコボコにされるみたいな、そんなことを就活でやってしまったのだ。

そんなことを続けてあらゆる第一志望から祈られた僕は、空しくも7月で就活を終えた。

茫然自失だった。あんなに早く内定をもらっていたのに、俺は何て無駄な時間を…と、スラムダンクの三井ばりの後悔が絶えなかった。

画像1

関係ないけど、日帰りスキーに行ったときに雪山でサイバー〇ージェントからのお祈りメールを見たときは、上級者コース張りの落差でさすがに笑っちゃった。

でもやっぱり、就活は大事だと思います

ここまで読んでくれた僕のような全身無気力人間の皆さんは、「やっぱり就活ってクソじゃねーか!!カス!!」と言いたいところだが、ちょっと我慢してほしい。僕が言いたいことは今から伝えますので。

で、ここまでの結果だけ見ると僕は「夢を見て2年間就活したけど結局箸にも棒にもかからなかった人間」になるのだが、それは違う。

メンタル最弱、行動力皆無、要領は悪くて受動的。そんな人間がまともに2年間も就活を続けられたのは、「夢を見る事」ができたからだった。

いや、待ってください。怪しいセミナーとかじゃないんで、もう少し聞いていってください。

僕は「コピーライターになりたい」という目標を持ち続けることができたからこそ、就活をめげずにやれたんだと思う。全身うんち人間だった20卒の僕と就活を終えた21卒の僕の違いなど、本当に夢の有無でしかない。

夢があるから(結果はどうあれ)毎月夜行バスで東京に行けたし、夢があるから行動力0だった自分が「あなたのキャッチコピー50本」企画を立ち上げることができた。

で、この夢が自分を変えたと、今は強く思う。(これは後で話そう)

だから、夢さえ持てば就活はやる気が出るのだ!!!!!!!!!!!!!夢、サイコー!!!!!!!!!

ふざけるなよ

いや、言いたいことはわかる。やりたい事など、そう簡単に見つからない。だから、今回僕は夢をどうやって見つけるかを皆さんに教えたい。

…わけだが、そんな方法は正直言って存在しない

僕が初めてコピーライターになりたいと思ったのも「偶然」駅前の広告を見つけたからだ。

そうでなくても、僕の友人は「偶然」読んだ本の内容が将来の夢に繋がったり、就活をする前からやっていた活動が「偶然」自分の夢に繋がったり。そんな人間が多い気がする。

本当にやりたいことは「偶然」見つかることが多いんだ、と思う。

そりゃ僕も、今や就活生と面談したりしている真人間なので「自己分析とはかくあるべし!!」みたいな持論はそれなりにあるんですが、そんなものに取り組めるのは最初からやる気がある人間だけです。

僕みたいな人間はまずその段階に行きつけない。

で、ここまで書いておいて何なんだ、と言われるかもしれないが、結論、やりたいことを偶然見つけることができた僕は、やりたいことが見つからない皆さんにかける言葉が見つからない。

ただ一つ言えるとしたら、「偶然」を見逃さないようにするくらいはできるんじゃないかな、と思う。

好きなゲームでも、好きな授業でも、サークルをやっていて好きな瞬間でも構わない。

やりたいことがないなら、自分が偶然出会った「好きなこと」に対して、少しでも理由を求めてみるところから始めてみたらいいと、僕は思う。

そうして偶然見つけた「好きな理由」たちが、自分の夢に、少しでも繋がるのではなかろうか。

好きなものはあるけど、就活が面倒くさすぎる件について

で、幸運にも好きなことが見つかったとして、ぶち当たるのがこの壁だ。

もう、リクルートスーツを着るのもだるすぎるし、面接で嘘つくの苦手だし、SPI苦手だし、メンタル弱いし。

就活の嫌なところなんて、2年もやってれば嫌というほど出てきますよ。

就活のマナーとか、企業分析とか、まじで意味がない。就活だけにしか役立たないスキルなんて、山ほどある。

ただ、そんな現状に文句を言っても仕方ないのである。

ミスチルの櫻井だって、「時代とか社会とか無理にでも敵に仕立てないと愉快に暮らせないよ」と言っていた。

まずは冷静になって、そんな大きなものと戦う力が自分にあるのかを、胸に手を当てて考えてほしい。きっとコールド負けするから。

「日本の就活はだるい」とか「企業勤めは向いてない」とか、やりたいことが見つかって1か月たった後の僕は、大きなものを敵に回しだしてもキリがないと気づいたのだ。

「やりたいことがあるなら、やりたくないこともやるしかない」

それだけだと思う。

離れ離れの二人の愛が距離に試されて強くなるように、長時間バイトの後のラーメンがめちゃめちゃ美味くなるように、嫌々ながらも一つ一つ何かをクリアした先に夢は強くなるのだ。

僕が得た就活スキル(ガクチカをすらすら言える能力や、就活独特のマナーなどなど)は今後絶対に役に立たないとは思うけど、「何かを目指して、めちゃめちゃにOB訪問したり、着たくもないスーツを着ざるを得なかった経験」は絶対にその夢を叶えるために必要だと信じている。

もし、夢を持たないままストレートで卒業していたら。就活のダルさに負けて、「あなたのキャッチコピー、50本1円で書きます」サービスを立ち上げていなかったら。

一生ベンチだった僕は「何かを目指す」という経験を持たないまま社会人になっていただろうし、一生誰かから何かを与えられるのを待つだけの生活を送っていただろうと思う。

そして40になってくたびれて、鉄骨渡りに参加していたはずだ。もちろん、石田のおっさんみたいなかっこいい散り際すら残せずに。

画像2

だから、もうそういうでかい課題を齢22の小童が解決しようとするのはいったん諦めよう。この記事では面接対策とかESのコツとか書くのはだるすぎるからやめるけど、正直、今本気出さなかったらせっかく見つけた夢が勿体なさ過ぎるから。

終わりに

就活がだるいとか、面接が面倒くさいとか、きっとやりたいことが決まれば些細な問題になるから、頑張ってほしいと思います。僕も2年目ということでたまに頭がおかしくなりそうになったけど、なんとか生きているので。

僕も、思っていた入社先とは全然違う会社だったけど、そこでも「自分なりに頑張ろう」と思えたのは、ファッキンしんどくて、それでも自分に何がしたいかを気づかせてくれた就活のおかげです。きっと、一回本気でやってみればいい経験になると思います。荻窪から応援してますよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あと、ここまで読んでくれた皆さんに金欠マンから一つお願いなんですけど、ビールを一杯奢ってくれませんか。

今回、結構仲のいい人間と飲みに行ったときに勢いで話しちゃうようなことまで書きました。なので、一緒に居酒屋で飲みに行って聞いた話だと思って、ぜひ300円分、トリキのメガ金麦を奢ってやったとおもって下のボタンから恵んでやってください。それかいつかお会いして飲みにでも行きましょう。

では!

皆さんのサポートは、トリキのメガ金麦か家賃に充てられます。 温かいご支援のほどよろしくお願いします。