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親でない人をひきとった話。 第6話

2021年3月下旬。
私は心身ともにボロボロになっていました。
大阪時代のケアマネさんに状況を説明しても、何も知らないと言われるばかり。
毎日タカコさんを先に入浴させた後、タカコさんの洗濯物を洗濯機に入れ、浴室と脱衣所兼洗面所とトイレを換気後掃除をするのが必須になりました。
臭いがきついのである程度喚起できないと掃除はできません。
掃除をしてもしてもどこからか便臭がすると思ったらトイレのスリッパの裏にくっついていたり、便を触った手でトイレットペーパーやらあちこち触っていたり。
洗濯物が増えるのでトイレのカバーやラグ類は撤去、スリッパはすぐ拭ける素材のものに変えました。
大阪から持ち込まれたカビだらけで真っ黒の檜の風呂椅子。
視界に入るだけでメンタルやられるのでプラ製に買い換えました。
タカコさんが大阪から持ってきて自分で使うと言っていた大量のシャンプー、コンディショナー、石鹸類、化粧品類。
もはや香料の臭いなどなく、劣化により強烈な臭いを放っていたので本人に気づかれないように少しずつ捨てていました。
毎日洗濯換気掃除洗濯洗濯で、寝るのが朝方になることもありました。
排泄物で汚れたものを見つけてしまっては、どうしてもスルーして寝るなんてできませんでしたし、トイレの床が殺人現場のように血だらけ、なんてこともありました。
持ってきた食料品。
たいして料理もしないのに買い物が億劫だったからか、箱買い大量購入して賞味期限寸前のものがほとんど。
米袋にまで柔軟剤臭。
あちこちで定期購入している高額な健康食品。
買ったものの忘れているのかそのままになっているものがいっぱい。
タカコさんが来てからというもの、頻繁に何かが着払いか振り込み用紙入りで届きます。
そういえばヒサオさんの告別式が終わって帰宅した時、いかにも「送りつけ詐欺でーす!よろしくぅ!」な感じの胡散臭さこの上ないお地蔵さんの置き物が振り込み用紙入りで届いていました。
不審に思った私は、「これ買ったん?」って聞いてみたのですが買ってないと言います。
「絶対振り込んだらあかんで、ヘルパーさんと返品の相談するんやで」
そう言って私は帰路についたものの、引っ越しの時にそのお地蔵さんが出てきた‥‥
そんなことを思い出したので本人はもう何を買ってお金払っているのかわからなくなっていると悟りました。
部屋にお置いてある札束の中から諭吉さんを出してきて、しょっちゅう私にコンビニに振り込みのおつかいを頼みにきます。
持病があるのに大量の健康食品を購入しているものおかしいと思い、本人に、「先生に飲んでもいいって聞いた?」と聞くとやはり聞いてないと。
本人の持病に関しては、ケアマネさんから2週間に1回膝にヒアルロン酸注射を打つのに通院が必要です、とか聞かされていなくて、預かっていた紹介状を持って整形外科に連れて行ったら、紹介状の内容が内科宛だと言われました。
かなり血糖値が高いとのことでしたが本人も大阪時代のケアマネさんは知らない、と言います。
ヒアルロン酸注射は血糖値が高いと打てません。
訪問看護師さんも介入してくださってると聞いていましたが、糖尿のことをご存知ないとかありあえるのでしょうか?
健康食品はクリニックで飲まないようにお達しが出たので、定期購入の解約をしないといけません。
解約の電話できる?と聞いたら、わからんからやってほしい、と。
まずできるところから、商品の袋から販売元を探し、お問合せ画面から解約のお願いをしました。
すぐ応じていただけるところがほとんどでしたが、本人や子でないと受付不可のところもありました。
子でない=いくら同居して面倒を見ていても不審者のように扱われることがあるんだ、と学びました。
本人がお金の管理をできなくなってくることを想定すると早めに何か手を打つ必要があると思い始めました。
家に帰っても柔軟剤臭で気持ち悪くなるので日頃寝られていなくても家でゆっくりもできません。
ある日市の包括支援センターに電話してみました。
が、同居家族がいる場合はサービスは受けられないと言われてしまいました。
でも、私、こんなに苦しんでるのにそんなんおかしいやろ!
半分キレ口調になっていたかと思いますが何度か電話し続け、私が親でない人を引きとらなければいけなくなり苦しんでいる、たったこれだけのことを伝えることができました。
いきなり施設に入れるのは角が立つので、まずは週一ヘルパーさんに入浴介助に来ていただきました。
ヘルパーさんの話だと、オムツを使ってないのでトイレットペーパーを当てていて、体は一切洗わず排泄物やペーパーがついた状態でお風呂に浸かるだけだったのではないか、とのことでした。
それから入浴介助に1ヶ月来ていただいたかどうか、ぐらいの頃、どうしても私に限界が訪れ、そして私の不審者レベルも上がることになります。

最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
これはあくまでも私の体験談です。
この体験がどなたかのお悩みのヒントにでもなれば幸いです。
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