楽屋のことば
戸板康二さんの「楽屋のことば」という本が私の書棚にあります📖
昔読んだので内容の記憶がありません、
ハテハテどんな内容だったかな?と思い再読しました。
例えば舞台に近い1番前の席は「かぶりつき」
かぶりつくは、ここから来たのかしら?
「かべす」なんの略かと思えば、昔の芝居小屋では「菓子」「弁当」「鮨」がついていたそうで。
お腹いっぱいになりそうです(笑)
芝居の中で使っている言葉がもっと我々の日常にあるのでは?思いましたが、現代では少なくなりましたね。
我が家でよく使うのは「弁天小僧」の「油断のならねえ小娘だ」です。
メス猫が、テーブルに手を出してそれを見たときに「油断のならねえ小娘だ」と誰かが言います。
それから、ミスってしまって悲しい時には「新派大悲劇❗️」
ご飯が遅くなってもじっと我慢の子で待つ猫には千松の「お腹が空いてもひもじうない~」と台詞調で言います。
↑ そんな台詞よりも早くご飯が欲しい2人です😻😻
何かやりたくない時には、「重の井の子別れ」の「いやじゃ姫」から「いやじゃいやじゃやじゃわいなあ~」
と、嫌な事から逃げてます。
子供の頃から家中こんな感じで育ちましたので、歌舞伎の台詞が生活に密着しています。
幸せな事に学校の友達も家族ぐるみで歌舞伎好きが多くって。
新派で、登場人物に「かしこ」さんという人がいて皆が「おかしさん、おかしさん」と呼ぶのですね。そうしたらそのかしこさんが「有平糖じゃあるまいし」って言うせりふがあるのですが、昔はここでお客様が笑ったのに、今はシラ~だったとか。
つまり「有平糖」が何だか分からないのです。
我が家は祖母がこのお菓子が好きでお馴染みだったので私も知っていますが、時代とともに歴史のある台詞も変えなくてはならないのかしら?
以前、坂東玉三郎さんが、「若い人達は江戸の物売りを知らない」とおっしゃられていましたが、これも踊りを習っているからこそ身近ですが、江戸の日本史を勉強していない子は殆ど知らないのです。
昔は当たり前だった日本の日常や知識が無くなるのは悲しいです。
と言いながら、昔は「ハンケチ」が東京言葉だったそうで、戸板康二さんは使い続けておられました。
恩師の長唄の先生も。
でも私を始めまわりは皆「ハンカチ」です。
たった1つの名詞ですが何故廃れてしまったのか。こういう例が沢山あると思います。
こういう例をもっと知りたいです❗️