舞台の裏側を覗きたがるお笑いファン
本来隠したい芸人の苦しんでいる姿をパパラッチのごとく追うお笑いファンの図(2019.04.03投稿)
ヤーレンズ出井さんのnoteがめちゃくちゃいいです。
100円の有料記事なのですが、タイトルと序文だけでもなんとなくの内容はわかるかと思います。風を起こさなきゃ。気になる方は買いましょう。
お笑い芸人、「苦しい」ことを言ってくれることはあんまりない
芸人さんって、「笑わせる」「たのしい」ことが第一なので、「苦しい」ことを言ってくれることはあんまりないですよね。
ウエストランド井口さんの「泣くな!お笑いだろ!」発言は2018年のK-PROライブアワード名言賞に。もともとは賞レースの決勝に行けて涙を見せる芸人へのやっかみなのですが、「芸人」として明るい部分以外は客に見せないという矜持でもあります。
でもファンとしては「苦しい」ことも一緒に共有したい
でもお笑いファンとしては、「苦しい」ことも知ることで気持ちを共有したいんですよね。芸人さんは舞台の裏側をなかなか言いたがらないということを知っているので。
・トークライブ
・オールナイトライブ
・ラジオのインタビュー
・雑誌のインタビュー
・ドキュメンタリー番組
・出待ちやバーなど直接お話できる場所
まで、どこにでも「本音」を聞けそうなところにアンテナを貼っています。
一般的には苦しい姿も見せる「親近感」が人気者のキー
インターネットが生まれたことで、「手の届かないカリスマ性のあるスター」はすっかりいなくなってしまいました。
・YouTubeで丁寧にコメントを返信する人
・SHOWROOMで来た人全員に名前を呼んで挨拶する人
・SNSを毎日更新する人
をより身近に感じて応援したくなるようになっているみたいです。
インスタのストーリーでテレビの収録やライブの裏側を見せるというのは、最近は芸人さんもよくやっていますね。ライブの楽屋とか、サツマカワRPGさんがよく載せてるイメージです。
でも裏側を見せるのって抵抗あるし、何よりめんどくさいんですよね。
だったらネタにしちゃえばいいじゃん
裏側は見せたくない、でも見たい人がいる…。
「だったらそれも含めてネタにしちゃえばいいじゃん」
もがいてる人生のドキュメンタリーみたいなネタ、好きなんですよね。
やりすぎると内輪ネタになっちゃいますけど。
びーちぶで「俺もうあのエントリーライブ出たくねえよ!!!」と叫ばれたときはボケじゃなさすぎて笑ってしまった。
※以下、ネタバレがあるのでイヤな方は先に動画を見てください
スパローズ「15年売れてない」
「売れたい」をテーマにする芸人さんは多いけれど、「売れない」がもはやアイデンティティになっているスパローズさん。
冒頭の自己紹介の「売れてない年数」が毎年着実に1ずつ増えて行くのに笑ってしまう。2019年4月で芸歴26年目です。
全く関係ないけど、「発売日なのにスパローズ初DVD「ビジネスクズ」が誰も買えてない」というまとめ、いつ見ても悲しすぎて面白い。
カナメストーン「社員にならないか?」
芸人をやりながら勤めているバイト先で、「社員にならないか?」と誘われてしまったら…?という漫才。
零士さんの叫びが「本当」すぎてとにかく面白い。決意表明みたいなオチを見てほしいです。
スーパー3助「楓」
公式の動画ではないのですが、好きすぎて定期的に見ちゃうやつ。
苦節15年、キングオブコント2017で一躍有名になって、テレビや営業に引っぱりだこになった後に見るとぐっとくるものがあります。
「お笑いやめなきゃずっと踊っていられる」ってこんな真理をついた言葉ありますかね?
まとめ
お笑いブームが過ぎて、テレビに出続けられる人は一握りで、「お笑い」で食って行くのは難しいという閉塞感がただよっています。
結局、お笑い天下人になるための「新しい価値観を提示するネタ」はどこに行けば評価されるのであろうか?
果たしてそんな媒体はあるのだろうか?
答えは”わからない”である。
なぜならば、もう自分たちで作るしかないからだ。
自分たちのネタを発表するに値する国を……。
- 「20代芸人A君は笑いで天下がとれるのか?(新年編)」/ オークラ - 『クイック・ジャパン vol.142』(太田出版、2019年3月5日)
お笑い界のみならずエンタメ業界が過渡期で、未来はどうなるかわからない。
でも、だからこそ面白いのでは?
「苦しい」こともネタにして、手詰まりな中でも這い上がって行く芸人さんの姿を、私は見たいです。
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