今日のあいはら 嘲笑...

先週の夜これ!でこんなお便りがとどいた。 「上司の自慢が耳を高速で動かす事で、これをやたらと見せたがる。」 その話を聞いて爆笑した。 ラジオのブースで笑っているのは俺だけだった。 パートナーの武川さんが「何がそんなにおもろいねん!」と思っている目をしている。 あまりに俺が笑うので…

仮面ライダーのなり方 (2)

 〜嘘つきで泣き虫だった僕がナイトになるまで〜    episode1 鼻歌少年    7月13日の宮入りが終わると、それまでの喧騒が夢幻であったかのように、平野郷だんじり祭りはさっと幕を閉じる。毎日、登下校の際にその舞台となる杭全(くまた)公園を横切る僕は、そこに漂う、生ゴミに火薬を混…

椿の花を落とさないで

友達の家で 色鉛筆で一緒に絵を描いていたとき 「ねぇキスしたことある?」 と聞かれ 「ないよ」 絵を描きながら言ったら 唇に柔らかいものが触れてた。 「ふわふわしてるね」 そう言って 何事もなかったように絵を描く友達の唇を じっと見つめた。 クラスでもキスするのが流行っていて 男…

余計なつまみ食い

お腹が空いたよ どうしよう 冷蔵庫の腹 空っぽさ ズボンのポッケに忍ばせた 砂利銭仲間は 家出した ばあちゃんの腹も 鳴いている 二人揃って 立ち往生 小さなお家が 壊れそう 腹から聴こえる ホルンの音 堪らず窓開け 空気吸う ばあちゃん一緒に 空気吸う 北風ケラケラ 笑えども 腹の中…

1−9 無垢

黄金色の空、透き通る地平、亜麻の大地、何も無い世界。私の身体は……ある。訂正、私以外何も無い世界。奇妙な世界観だ、こんな画風の作家がいた気がする、誰だっけ?分からない。私が少しの頭を回すと藍色の雲が上空に孤を描いた。黄金色の空、藍色のドーナツ、透き通る地平、亜麻の大地、一つのカン…

短編小説 『大理と日向子』

ふたりは、心地よい希望に満ちた光をその純真無垢ないのちに浴び、ほとんど同時に、この世に生を受けました。 * 大理(だいり)、日向子(ひなこ)。俺たちふたりは幼なじみだ。誕生日は三月三日、生まれた病院も同じ、両親ともに同級生で友達同士、おまけにお隣さんだ。 とにかく、 俺たち二人は小さ…

THE ALFEE 「恋人達のペイヴメント」

ペイブメントとは鋪道ですね。舗装された道。少々の雨や雪ではびくともしない、強さを持った道。 シンプルな歌詞ですが、だからこそ、道を人生と捉えたときに、意味がダイレクトに伝わります。 あゝ街の灯が 冷たい風に にじむ 長い髪 君のシルエット・・・立ちつくす街角 もう泣かないで 顔をあげ…

冬の残骸が砂浜に転がっていた

口の中に生温い風を放り込むと、舌でその輪郭をなぞった。 それはそのうちに唾液と混ざって溶け出してカタチを変えて吐き出された。 季節はわたしがまだ冬のフリをして生きていたら、カラダは汗をかいて、もうそろそろ春だよと教えてくれる。 知らない間に、冬は粉々になって吹き飛んでしまって、今日…

おうちにお花を生けたい #ハッピーになるかもしれない朝エッセイ

学生のころお付き合いしていた人が、花農家の息子さんで、ときどき実家で栽培された花をくれることがありました。 あまりメジャーではない花ですが、今でもその花を花屋の店先で見ると彼のことを思い出します。 別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。 この言葉を知っ…

東京の青い島

「これが青ヶ島か。素晴らしい。ついに来れたんだ。東京の秘境、青い島に!」ヘリコプターから降りた野岸巧也が開口一番、嬉しさのあまり大声を出す。この日は快晴。透き通るような青空が広がっていた。そしてまばゆいばかりの日差しが巧也を覆いつくす。 ーーーー 「余命半年です」巧也が突然の宣告を受…