note用

海外美大受験〜ポートフォリオ編〜

洗濯をするたびにお金が出て行くので悲しい砕田です…おのれコインランドリー…

さてやってまいりましたポートフォリオ編。シェリダン大学のアニメーション学科に限らずですが、海外美大においてはポートフォリオが受験の要になります。

もちろん、ポートフォリオ以外にも必要な書類はあります。高校の卒業証明書や成績書類、さらに留学生は英語力の証明のためにTOEFL iBTで88点以上、もしくはIELTSで6点以上などを取っている必要があります。(詳しくは学校のサイトに書いてあります。)ですがこれらは基本的に一定の基準を超えていれば、あまり合格不合格を左右しません。

本当に重要なのはポートフォリオです。ポートフォリオがほぼ全てです。

さて、私のポートフォリオを見ていきましょう。まずは点数から。

画像1

めちゃめちゃ恥ずかしい… すごくギリギリでした。この時の留学生の足切りラインは89%でした。倍率は8倍以上、留学生の足切りラインは国内生より上で、かなり望み薄。正直落ちたと思ったのですが同時に合格通知も届いたので、切り落とされている小数点がすごく近かったんだろうと先輩に言われました。

また、一応合格ギリギリラインでも必ず辞退者がでるので繰り上げを待つこともできます。

ではそれぞれの項目を見ていきましょう。

A) Figure Drawing 人体デッサン 

(注 ヌードです) 8/10点

-Long Poses

画像2

画像3

-Short Poses

画像4

画像5

写真からの模写は禁止、長いポーズと数分の短いポーズをそれぞれ2枚ずつ提出します。線だけでいかに形を捉えるかを見ているので、影はほぼ禁止だと思った方がいいです。

恐ろしいことに、私はこの時までヌードデッサンを一回もやったことがありませんでした。まあ…そのうちやるでしょ…とギリギリまで放置した結果です。真似しないでください。ただ、受験しよっかなーと意識し始めた六月頃からほぼ毎日ヌードクロッキー動画を見ながら練習したり、通学中の電車やバスで練習してたりしました。おかげで合格者の中では低めの点数だったのですが、許容範囲のものは描けたようです。

オススメのクロッキー動画チャンネルはこちらのCroquis Cafeというチャンネルです。様々な人種や体型の人がモデルをやっていて、短時間で色々なポーズをしてくれるのでとても助かりました。でも残念ながらヌードなので18歳以上じゃないと見れません。

アドバイスはあまりできないのですが、するとすれば長いポーズは線の強弱重視、短いポーズは少ない線で動きを捉えているかを重視しているそうなので、そこに注意するのがベストだと思います。私の場合、短いポーズぼろぼろですね。

ちなみに今でもヌードクロッキーは(楽しいけど)クラスの中では成績が低いです。精進してまいります。

B) Hand Drawing 手のデッサン

10/10点

画像6

画像7

お題は「ボタンを押す前の手」と「押している手」でした。こちらも影は禁止です。

こちらはひたすら自分の手とにらめっこです。青鉛筆で立体的に形をとって、線を描きました。線の強弱はここでも重要…だったはずです。

C) Character Rotation キャラクターデザイン・四面図

13/15点

画像8

オリジナルキャラクターをデザインし、それの四面図を描く課題でした。一番楽しかった課題です。猫ですよ猫!

減点の原因は回転した時にそれぞれの位置や高さに不正確なところがあったからだと思います。

調べている時に見つけたアドバイスが「目立つこと、自分らしさを出すこと」だったので和風な猫でいきました。

D) Short Animation 短いアニメーション

13/15点

画像9

お題は「物が動いている24枚以上48枚以下のアニメーション」でした。

フォトショップを使用してます。

すごく普通な感じになってしまって、他の人の作品見て「あー物にキャラクター性を持たせればいいんだな」と思ったのですが時すでに遅し。とても普通なのが出来上がりました。ダメではないのですが…

こちらの項目は動物デッサンの代わりに2018年度の受験から導入されたのですが、なんと来年度受験は手書きに限らずCG、ストップモーションなんでもありなので、カオスです。採点の仕方も変わるのではないでしょうか。

E) Storyboarding 絵コンテ

20/25点

画像10

二つのキャラクターデザインが与えられ、「驚き」というお題で四コマの絵コンテを描くというものでした。アップ、ミディアム、ロングの三つのショットを使い分ける必要がありました。また、文章を読まずとも通じることが重要になってきます。正直できているか不安です。

キャラデザの絵柄を真似るのが大変でした。

F) Perspective Drawings パースを使用したイラスト

14/15点


画像12

画像12

お題はパースを使用して、「オフィス」と「自然の風景」のイラストを描くこと、でした。

最初始めた時、手やヌードデッサンなどのように本物をみながら描かなければいけないのかと思い、焦って自室を描いて「House office」でごり押ししたのですが、実はその必要がなかったということに描いた後に気づきました… なので、2枚目の自然の風景は好きに描きました。

1枚目は、部屋のベッドで座りながらクロッキー帳に二点透視のパースを描いて、見えるものを描きたしていきました。そのあとスキャンしてパソコンに取り込み、クリスタで仕上げました。

2枚目はA4の普通の紙にパースを描いてひたすら鉛筆で描いていきました。ここでも「なるべく目立つ」というアドバイスを元に、アジアっぽい感じに仕上げました。

G) Personal Artwork 過去作品

10/10点

画像13

画像14

画像15

(五つ目の作品は映像作品でネット上にはあるのですが、実名がバレてしまうので伏せさせていただきます。申し訳ございません。実写の映像とアニメーションを組み合わせたものでした。)

絵画、彫刻、映像、なんでも良いので自分が作れるものの幅を見せることができる5つの作品を送る必要がありました。

映像作品の場合は自分が担当した箇所を記す必要があり、「意味不明」の楽曲が自分のものではないこと、勝手に拝借しているものだということを明記しました。

色々と貼り合わせてあるページは、過去の合格者でスケッチブックのお気に入りページを何枚か貼り合わせている人を参考にして作りました。ただ、原則「五つの作品」なので、スケッチブックに書いてあるような作業時間が多少軽めのもののみでコラージュしてあります。

とにかく今まで色々なものを作ってきたことは決して無駄ではないことがわかり、とても嬉しかったです。

まとめ

自分のポートフォリオを作るにあたって、いろんな人のポートフォリオをみました。不合格の人のものも含めてどれもめちゃくちゃうまくて、本当に受かる気がしませんでした。でもそれぞれのページでそれぞれのアドバイスを書いてくれていて、頼れるリソースがなかった私にとって大きな助けになりました。

自分の色を出して目立つものを作る、というのは本当に大事だったんだと思います。私は画力で目立つ自信が0だったので、自分の趣味を多めに含ませて製作しました。おかげでなんとか入れたんだと思います。

他の方がしていたアドバイスの中に、「何回もポートフォリオを作り直す」「一番良いものを提出する」というものがありました。これがベストだと思います。私は一時期本当に気力が死んでいて、ポートフォリオを作り始めたのが一月からだったので(締め切りは二月です。真似しないでください。)残念ながらする時間がありませんでしたが、何周もすることによって練習にもなるし、何が良いかもわかってくるかと思います。ぜひ早めに取り掛かって、何回もやり直してみてください。

というわけで、砕田でした。本当にすごい学校なので、日本から目指す人がもっといてもいいなあと思い、書きました。だれかのためになると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?