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柳宗悦

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2014年6月の記事一覧

無有好醜の願⑴

「もし私が仏になる時、私の国の人たちの形や色が同じでなく、見好き者と酷き者とがあるなら、私は仏にはならぬ」

柳宗悦は戦後、東洋的な平和への道しるべとして、この『無量寿経』のなかの第四願に着眼した。

「私」とは、阿弥陀如来となる以前の法蔵菩薩を指す。

しかるに弥陀は既に仏となっているのだから、この願は達せられているのである。

柳は好醜を美醜と読み取り、仏の国では、美醜の別は存在しないとした。

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四十三、見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ

「ナ見ソ」とは「見るな」という否定語。

ここで「見」というのは、直感の意味である。

「知」というのは概念のことである。

まず直感を働かせて得たものを、後から概念で整理せよというのである。

だからこれを逆にして、概念から直感を得ようとしても、無駄だというのである。

「知るより前に見よ」「知ることを先にして、見ることを後にしてはいけない」と警告するのである。

「見る」とは直下にして見ること

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