エルムステークス 2021 出走予定馬:タイムフライヤー&武豊騎手想定

第26回 エルムステークス(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年8月8日(日)
コース:函館ダ1700m

予想用・出走予定馬一

エルムステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

タイムフライヤー(武豊騎手想定)

 昨年のエルムステークスの覇者タイムフライヤーが今年は武豊とのコンビで連覇を懸けて出走予定だ。ただ、今期はかしわ記念、マリーンステークスと惨敗でらしくない競馬が続いている。名手の手でこの状況を打開しての連覇となるかに注目だ。

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 スペイン戦は本当に見ている方でも疲れたからやっている方は比較すらできないだろうなと…結果は敗戦だけど、ただただお疲れ様でした。

 本来ならここでも当然最上位の1頭と言っていい馬。ただし、やはりかしわ記念とマリーンSの内容が良くない。こうなると状態面での問題は当然考えないといけないと思う。

エルムS(GIII)1着

札幌ダ1700m良 14頭8枠13番
風向き:南東4.5m/s(札幌市15:40)
1:43.4 48.9-48.4 M
6.7 - 11.2 - 12.4 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 12.2 - 11.7 - 12.3

 まずは昨年のエルムS勝ちを振り返りたい。昨年は当然札幌の1700m戦で行われたが、ペースは平均で進んでいてそこからのL2最速で一足勝負。好位の外からの正攻法だが外から上がってくるウェスタールンドの仕掛けを待って受ける形で一足を引き出してきたという感じ。風は南東から4.5m/sとまずまず強めの風で、札幌だと4角地点が完全追い風。

 13番枠から五分のスタート、そこから促しつつだがそこまで無理はせず、コントロールしながら中団の外目ぐらいでまずは進める。道中も中団の外目で我慢しつつ前のバスカヴィルの後ろで進めて仕掛けを待ちつつ好位の外。3角ではまだペースが上がってこない中でじわっと外から押し上げつつ、4角で押し上げてきたウェスタールンドに合わせて本仕掛けをするような感じで2列目から先頭列に押し上げて直線。序盤でスッと抜け出し3/4差。L1でそのまましぶとく抜け出しウェスタールンドを離しての2馬身差完勝。

 まあこれがタイムフライヤーのイメージではあるかな。総合力が高いタイプで、基本的には内目で立ち回る方が良いのだが要所の反応がいい。ここでは3~4角で外からという正攻法なんだけど、ラップ的には3~4角でも前がペースを引き上げずにというところ。ここで好位外からじわっと差を詰めているものの勝負は4角以降で外から上がってきたウェスタールンドに対して仕掛けて先頭列に押し上げてという加速の一足を引き出したことが大きかったと思う。一瞬の反応が良くて本仕掛けが遅れた方が良いタイプなのは確かだし、それを基礎スピード面がある程度高いレベルで求められても引き出せる。昨年のマリーンSも強かったし、状態面さえよければベストは1700かもしれないな…というぐらいのパフォーマンスだったかな。

かしわ記念(JpnI)9着

船橋ダ1600m稍 12頭1枠1番
風向き:南南西3.6m/s(船橋市16:10)
1:39.3(+0.0) 48.4-50.9 H^2
12.0 - 12.0 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.2 - 12.9 - 13.8

 2走前のかしわ記念ではまさかの9着惨敗。休み明けというのもあっただろうが、そこまで休み明けが苦手という印象もなかったし、正直こういう負け方をこの展開でする馬ではない…という認識。かなりのハイペースでラップ的にもそこまでよどみなく。後ろからの競馬になったが消耗しきってしまった。風は南南西からなので3角地点が完全追い風。

 1番枠からやや出負け、少し二の足も遅く進んでいくのに少し苦労して後方から1~2角のコーナーワークで中団の内という感じ。道中も中団の内内で進めながら前にスペースも保っていてそう悪くないが手が動いて3角。3~4角で内内を通しているがついていけずという感じ。直線でも伸びはなく後方に沈んでの9着。

 この負け方はタイムフライヤーの負け方ではないんだよね。本来タイムフライヤーの良いところはハイペースで基礎スピードを求められても一足は必ず使ってくる。あの位置では難しいし勝ち負けまでは苦しいだろうが、流石に3~4角でも動ける気配がないというのはちょっとおかしい。良いころのタイムフライヤーではない可能性の方が高かったと思う。この展開でここまで崩れたのは、状態面で悲観的になる一戦だった。

マリーンS(OP)12着

函館ダ1700m稍 14頭8枠14番
風向き:東5.5m/s(函館市15:30)
1:44.6(+0.9) 47.3-50.2 H^3
6.9 - 10.5 - 11.4 - 12.3 - 12.3 - 12.2 - 12.7 - 12.8 - 12.5

 叩いてどうかなとも思ったが、やはりマリーンSでも崩れた。まあここはペースが超ハイなうえに大外枠から番手で積極的に乗り過ぎたきらいはあるので、この一戦だけだと判断は難しいが…ここ2走で結果が出ていないというのは事実だからね。風は東からなので4角地点が完全向かい風。HSも向かい風に近いしこの形で外から流れに乗ってしまうとね。

 14番枠からまずまずのスタート、そこから様子を見ながらじわっと進めていたのだが掛かり気味に先頭列に並びかけに行くような形。道中も力んでいてコントロールしながら進めるのだが超ハイでほぼ先頭に近い位置。3~4角ではまだ手ごたえもあったが出口で仕掛けられて先頭に並びかけてというところから甘くなる。直線じ序盤で外からスワーヴアラミスらに交わされると後は抵抗できず失速した。

 まあこの一戦だけで判断すれば超ハイで大外枠で掛かりながら1~2角。ここの時点でかなり体力的にロスが大きい競馬になったと言えるし、言い訳できる部分もある。ただ根岸Sから立て直してというところでここ2走の内容が良くないのも事実。少なくとも信用できる状態面とは思えないかな。戻ってくれば適性的にはフィットしているだけに怖さはもちろんあるんだけど…かしわ記念が全く何も良いところがなかったし、前走も超ハイの流れで先行してと言い訳はできるものの完敗だった。この2度の敗戦はやはり軽くは扱えないかな。

エルムステークス2021への展望

 まあ正直言ってまともな状態ならこのメンバー構成でも互角以上に戦える馬だし、逆にここ2走の内容からそこが怪しい以上は強くは狙いにくいしという感じの馬。この馬を信じるに足るだけの状況ではないと思っているので、評価するとしても押さえまでで考えたい一頭だなと結論から言えばそうなる。適性面は昨年の夏にマリーンSで強い競馬ができているし、エルムSでも外から正攻法でL2最速の形とはいえウェスタールンドの押し上げにスッと反応してしっかりと前受けで押し切っている。流れた中での一足は武蔵野S2着時の内容も含めてやはり魅力的。

 ただ、やはりかしわ記念の負け方はかなり引っかかるね。そもそも根岸Sがそう悪くない状況だった中で体調不良でフェブラリーSを回避しているという中での立て直してのかしわ記念。あれで戻ってなかったのに使っていることからも、前走のマリーンSは幾らか展開的に苦しく同情の余地があるとはいえ本調子に戻っている根拠にはならないだろう。狙うとしても連下までで考えたい。

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