スプリンターズステークス 2021 出走予定馬:ダノンスマッシュ&川田騎手想定

第55回 スプリンターズステークス(GI)出走予定馬展望

日程:2021年10月3日(日)
コース:中山芝外1200m

予想用・出走予定馬一覧

スプリンターズステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

ダノンスマッシュ(川田騎手想定)

 昨年末の香港スプリント、そして今年の春の高松宮記念とスプリントGIを連勝したダノンスマッシュがスプリンターズステークスに出走予定だ。昨年は2着に敗れた舞台だが、今年は春秋スプリントGI連覇を懸けての一戦。前走の敗戦を糧に真のスプリントキングの座に鎮座できるか。

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 宮記念でもそうだが、基本的に単調な競馬の方が合っているとは思う。ロングスプリントでもトップスピード戦でもやれる馬ではあるけど、ギアチェンジが求められると少し甘くなる傾向があるのでその点中山1200だと安定はしやすい。昨年もグランには完敗したが3着以下は封じてきたしモズも撃破した。実績馬の中で中山1200ならやはり最右翼の存在。後は新興勢力との比較だろう。

高松宮記念(GI)1着

中京芝1200m重 18頭7枠14番
風向き:南東5.8m/s(大府市15:40)
1:09.2 34.1-35.1 H^1
12.2 - 10.7 - 11.2 - 11.5 - 11.6 - 12.0

 2走前の高松宮記念勝ちから振り返りたい。中京の1200m戦で重馬場と時計も掛かっていた状況。南西からの風が吹いていてこれが4角地点が完全追い風となるし比較的強め。それもあってラップ的には完全な減速ラップでこれがダノンスマッシュにとっては良かったかなという印象やね。

 14番枠から五分のスタート、そこから促しつつ追走するがそこまで入れず中団の外目で進めていく。道中も中団馬群の中に入れつつ外目で3角。3~4角でも中団の中目で包まれていて我慢しつつ直線。序盤で外に誘導してレシステンシアの内を取ってしぶとく伸び始めて2列目。L1でモズが下がってきて外のレシステンシアとの一騎打ちとなるがこれをアタマ差で制しての完勝。

 まずはタフな馬場で単調な競馬になったというのが大きいかな。近年はパワー型の馬場で基礎スピード勝負だと一番安定していたというのはあるし、そのうえで3~4角で追い風が吹いていてラップに淀みが無かった。ちなみに昨年の宮記念は好位外から伸びあぐねたのだが、 12.1 - 10.8 - 11.3 - 11.4 - 11.2 - 11.9とL3-2の再加速が起こっていて坂の登りでの加速で甘くなった。個人的にはダノンスマッシュは中京だと再加速で坂の登りで動けないことが多い印象だったし、今年の場合はそれがラップ的に無くて単調な競馬になったというところで良さが出たんじゃないかなという見方やね。レシステンシア、インディチャンプと言ったところを退けてきたし、モズも道悪自体は苦手ではないからね。この辺をしっかりと捕えてきたので、こういう競馬ではやはり1200路線ではトップクラスのパフォーマンスだったと言っていいと思う。

チェアマンズスプリントP(GI)6着

シャティン芝1200m良 13頭5番枠
1:09.27(+0.63) 35.34-33.30 S^1
24.23-22.23-22.18

 前走のチェアマンズスプリントプライズはシャティン1200でも劇的に後半型の競馬になったのが痛かった。日本式に補正しても34.3-33.3なので明確にスローだし、ラップ的にはL2-1区間が最速で11.09平均。3~4角でも11.12平均で入っているわけで、後半のロングスプリントの競馬となった。

 5番枠から出負けして後方から、リカバーしつつ中団馬群の中目。ただペースが上がらない中で包まれて動けない状況で外目を選択。3角以降で一気にロングスプリント的に上がっていく中で外を回す羽目、4角で手が動くがここで置かれて直線。序盤でそのままジリジリと後退していったん後方列まで下がる。そこからラストでジリっと盛り返す感じでの6着となった。

 これ1Fずつだとはっきりと判断できるんだけど、恐らくだがL3最速なんじゃないかなと思う。L4の3角地点ではまだ余裕があったんだけど、4角で一気に置かれているしここで前が加速して置かれた感覚なんだよね。L1はそれなりに来ているし、もともとロングスプリントもそこそこやれる馬なのでエンジンがかかればそれなりには。ただそのエンジンがかかるまでに置かれた印象。もともと個人的な適性評価としても唯一ギアチェンジ面に難がある馬、というところだしここまでドスローで一気に4角で加速されてしまったとすればあの置かれ方も納得ではあると。そうであれば負けパターンではあるし個人的にそこまで悲観する内容ではなかったと感じるけどね。レースの上がりでも3-4Fをハロン平均で取って33.3、実際L4が遅くてL3で加速ならレースの上がりは33秒前後という可能性もある。その流れの中で外からまとめて差せるほどトップスピードの質もロングスプリントもあるわけではないからね。ペースの割に位置取りが悪くなったのも厳しくなった要因だと思っている。まあ内容的にゲートが甘かったのが一番気になるかな。

スプリンターズS(GI)2着

中山芝外1200m良 16頭2枠3番
風向き:南南西1.9m/s(船橋市15:40)
1:08.6(+0.3) 32.8-35.5 H^3
11.9 - 10.1 - 10.8 - 11.5 - 11.9 - 12.1

 昨年のスプリンターズSでは2着もグランには完敗。それでもアウィルアウェイやクリノガウディーと言ったところは撃破している。ペースは超ハイでグランの時計でも1:08.3と掛かっていたなという感じ。ただ、正直同日の他の芝と比べると、時計そのものは平凡かなと思っている。風は南南西からでHSが完全追い風と言っていい。

 3番枠から出負けして後方からのスタートだが、そこからリカバーして二の足は良くすぐにモズの後ろぐらいまでは持ってくる。そこからは我慢しながらで徐々に前2頭から離れて単独の3番手で3角。3~4角でも3馬身ほど後ろから外目に誘導してというところで内のミスターメロディに先に抜け出され4番手で直線。序盤でジリジリとは伸びるがまだ地味。L1でミスターメロディは捕えるが外からグランにあっさりと交わされての2馬身差2着。

 これの評価が結構難しいんだよね。時計的には物足りないけど、現状ある程度タフな馬場での基礎スピード戦ではグランがいなければGIの舞台で一番を2戦継続できているんだよね。ただ、一方でアウィルアウェイに半馬身差まで突っ込まれているように、決して抜けてはいない。嵌ったときのアウィルアウェイの末脚は怖さはあるんだけど、それでもこのレベルだと現状1番手という評価で信頼して重い印を打てるか?というのが一つあるかな。まあここは南南西の風なので3角地点では比較的向かい風だったと思うし、ここでは温存して直線の追い風で速度を持ってというタイプが突っ込んできやすかったかな?とは思うし、先行勢で最先着も事実。また出負けから32.8の流れにある程度乗ってリカバーしてのものだから、時計面で言えば最序盤の出負けが響いているともいえる。ここが五分に出れればもうちょっと違うかな。それでもゲート不安はやはり考えておくべきかな。

スプリンターズステークス2021への展望

 まあ、とりあえず基本的な評価としては基礎スピード戦では既存のメンツでは1番手、という扱いで良いとは思う。高速馬場の時計勝負でも強いし中山1200でシンプルな競馬になるならやはり軽視はできないだろうと。ただ、新興勢力としてみたときにピクシーナイトやレシステンシアと言ったところがセントウルSで強い競馬をしてきたし、良馬場でこの2頭相手にと考えたときにはゲートが課題になりそう。その点では信頼しきるのは危険な面もあるなというのが第一に来るかな。個人的に不安はそこになる。

 前走のチェアマンズスプリントPに関しては、ゲートの出負けとペースの遅さに加えて、恐らく要所での加速で置かれている可能性が高い。なのでこれはダノンスマッシュの負けパターンになると言えるし、そこまで悲観しなくていいと思っている。また本来休み明けが得意な馬なので、その点でもぶっつけでここというのは良い材料やね。とにかくしっかりとゲートを出なければ人気で勝ち負けというところを期待するうえではリスクだし、昨年のスプリンターズSを評価すると言ってもグランには完敗でアウィルアウェイ辺りに突っ込まれているレベル。トップクラスではあるが抜きんでていないので、現状では重い印を打つところまではどうかな~?という評価かな。まあ宮記念を見ても馬場適性の幅が広いのは武器だし、どういう天気、馬場になってもそこでの不安がないのでその点では良いんだけど。今の1200路線はかなり地殻変動が起こっている印象なので、そこに耐えきれるかどうかだろうね。展望の中での中心には据えたいけど、重い印を打つところまでは微妙。一応連下で仮印としておく。

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