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デビットカードが普及しない理由を勝手に考察

こんにちは、Z世代のキャッシュレスです。さて、今回はZ世代のキャッシュレスが個人的に気になったことを考察していく「勝手に考察」シリーズ(?)第一弾として、「デビットカードが普及しない理由」を考察していきたいと思います。

1.日本におけるデビットカードの立ち位置

問題を考える前に、現状のデビットカードの立ち位置を見ていきましょう。まず決済のうちのキャッシュレス決済比率は2023年で39.3%。その中でもやはりトップはクレジットカードで内83.5%。次にコード決済、電子マネーと続き最下位がデビットカード。その比率はわずか2.9%。決済金額ベースで見ると確かに伸びてはきているのですが、キャッシュレス全体やコード決済の飛躍的な伸び方に比べたら成長しているとはいえません。

経済産業省 2023年キャッシュレス決済比率

2.デビットカードの歴史をざっくりと

そもそも今我々が「デビットカード」と呼んでいるのは正確には「ブランドデビット」というVISAやJCB、Mastercardなどの国際ブランドのついたデビットカードです。しかし日本で一番最初に生まれたのはキャッシュカードをそのままデビットカードとして利用する「Jデビット」です。Jデビットは2000年にスタートしたサービスで、専用の機器を要することから普及には至りませんでしたが、現在主流のブランドデビットはクレジットカードの端末で対応できるため利用できる店舗が非常に多く、2006年にスルガ銀行が開始して以降各銀行がこぞって展開するようになりました。

スルガ銀行のデビットカード(Webサイトより)

3.メインターゲットと実情

各銀行や国際ブランド(特にVISAとJCB)はデビットカードのメインターゲットを次の3つとし、拡大を図ります。
1.高校生や大学生、新社会人
2.クレジットカードを持てない人
3.使いすぎなどが不安な人

しかし、このターゲット設定ではデビットカードの普及はかなり難しいでしょう。まず高校生や大学生、新社会人においては高校生を除き18歳以上であればクレジットカードを持つことができます。限度額は低いことも多いですが、余程この年代で困ることはないでしょう。また学生は口座開設からカード利用までの手続きが煩雑に感じてコード決済などを使う人も多いです。使いすぎが不安な人についてもそもそも使いすぎを心配する人は現金以外に抵抗をもち、キャッシュレスの利用に消極的であることも多く、デビットカードの主要客層とは成り得ません。クレジットカードを持てない人についても数が少ない上収入が高くない方も多いため、メインターゲットにするには弱いといえます。
このようにメインターゲットについてはそれぞれデビットカードを利用する主要な客層とはならない実情があるのです。

4.デビットカードの行く先
このような理由からデビットカード=クレジットカードの下位互換的な印象を持つ方も多く、手軽なコード決済、電子マネーに比べデビットカードは伸び悩んでいるといえます。ただネットショッピングもしやすく、口座残高があれば基本審査なしで利用できるという強みもあります。このような状況を打開するにはまず手続きを簡単にするのが最も重要でしょう。最近ではマイナンバーカードを利用した口座開設など、銀行口座開設やデビットカードの発行を簡単にする仕組みの開発も進んできているので、デビットカード推しの私としては嬉しい限りです!

住信SBIネット銀行 デビットカードのつくりかた(Webサイトより)

今回は勝手に考察ということでデビットカードについて調べてみました。もし好評であればシリーズ化していきたいので、応援よろしくお願いします!おすすめの銀行は以前ご紹介しているので、こちらからご覧ください!

[引用・参考]
トップ画像はりそなデビットカード〈プレミアム〉を使用しています。

経済産業省 ニュースリリース 2023年のキャッシュレス決済比率を公開しました(2024/3/29)
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html#:~:text=1%EF%BC%8E,10.9%E5%85%86%E5%86%86%EF%BC%89%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

日本経済新聞 「遅咲き」デビットカード、15年目のブレーク狙う(2014/2/12)
https://www.nikkei.com/article/DGXNMSFK3102R_T00C14A2000000/

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