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ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第89わ「アンバランス」

(承前)

ハントマンを食べるハントマンをどうにかして追い払わねばならない。最上位ハントマンの前では人間である俺など、料理にたかるハエのようなものだろう。そこに勝機がある。俺を潰したところで何も面白くはあるまいて。

……きみ、そいつからはなれろ。
わたしはそやつをたべる。
いますぐにでもたべたいのだ。

どっこい離さぬ。相棒を死なせれば俺は❝ゲーム❞の敗者、即ち死が待つばかりである。その状態で後に残されるのは辛い。どうせ死ぬなら先に死にたい。……俺が死んだところで相棒には次の❝ゲーム❞がある(らしい)のは不公平だと思わなくもないが。

……❝ゲーム❞。
わたしたちの❝ゲーム❞。
同胞の寂寥と退屈を紛らわす為に我々が始めた余興……。

どうにも様子がおかしい。相棒の姿を真似したかと思えば似ても似つかぬ俺の姿に擬態したかと思えば、また相棒の姿を………俺の姿を……。

きみのことを、わたしはわすれないだろう。

そして静かに消え失せた。

(続く)

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