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ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第106わ「チは血祭りのチ」

(承前)

襤褸切れの魔女が巨大な丸太を構えている。その先端は鋭い。大の大人が数人がかりで構えて城塞を攻撃するのに使うような巨大な杭だ。

「……その武器は!」

「そうさ!こいつは白木の破城槌!マンハントなら掠っただけでも死ぬけどアンタはどうかな!?」

白い背中が動揺したのは一瞬のことだった。その一瞬を好機と見たか、杭を抱えた魔女が突撃を敢行する。まずい。立たないと。立って逃げないと。

「……何のこれしき!!」

「受けて立ったか!そうだろうね!この杭を動いて躱すのは簡単だろうがアンタの後ろのデカイ赤ん坊を守れなくなるからね!」

破城槌を脇に抱えて食い止める白い背中の女の顔色が一秒ごとに青ざめていくのが後ろからでも見える。脇腹を貫かれたのか?……違う。白木の杭の存在そのものが耐えがたいように見受けられる。

「この杭を自由に振り回せるようになる為にアタシは全てを捨てた!アンタに勝って、全てを取り戻す戦いを始めるんだ!!」

(続く)

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