マガジンのカバー画像

ハントマン・ヴァーサス・マンハント

158
逆噴射小説大賞に応募にしたパルプ小説と、その続きを思いつくまま書き殴っています。ヘッダー画像もそのうち自前で何とかしたいのですが予定は未定のままであります。
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第113わ「感想戦」

(承前) 地に墜ちたミノムシよろしく地面に転がっていたのが最後の記憶だった。気が付けば俺は相棒の隣で棺桶に閉じ込められている。これは負けて死んだせいではない。勝って生き残った結果なのである。 「目が覚めましたか?」 端末を取り出して時刻を確認しようとするや否や、両腕が拘束された。蓋を蹴飛ばして外に出ようと思うや否や、両足が拘束された。 「今夜は寝かせません。と言っても間もなく太陽が昇る時間ですが。今から反省会ですよ、今回の反省会!」 また面倒くさいことを言い出した。

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第112わ「待ち草臥れる者」

(前回までのあらすじ)遂に始まった❝ゲーム❞の本選。初戦の相手は吸血鬼にとっての致死の猛毒である、白木の杭を破城槌めいた質量で扱う「対ハントマン特化型ハントマン」であった。普段ならば一蹴できる実力差の相棒であったが、最上級の防具であるところの❝魔王の翼❞と呼ばれるマントを高遠少年(急に半裸になったうえに幼児退行まで引き起こしてしまったのだから無理も無い)に貸し与えていた為に思わぬ苦戦を強いられる。それは❝インセンス❞と呼ばれる人間の脳を変容させうる恐るべきガス兵器を用いた分断