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ハントマン・ヴァーサス・マンハント

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逆噴射小説大賞に応募にしたパルプ小説と、その続きを思いつくまま書き殴っています。ヘッダー画像もそのうち自前で何とかしたいのですが予定は未定のままであります。
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2019年9月の記事一覧

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第96わ「罪も罰も越えて」

(承前) こう言えば分かってくれるだろうか。俺は人間。相棒が仮に……芝刈り機だとしよう。 「ますます意味が分からなくなりそうですが」 最後まで聞けって。もしも芝刈り機が持ち主の手を離れて誰かに怪我でもさせたりしたら悪いのは誰だ?芝刈り機が悪いのか?違うな、悪いのは持ち主だ。つまり人間だ。俺が言いたいのは、そういうことなんだ。 「私はダンナの機械だと?確かに機械が誰かを襲うのは整備不良が原因かもしれませんね。こまめに油でも挿してもらえれば、防げたかもしれない悲劇……」

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第95わ「連帯感と連帯責任」

(前回までのあらすじ)高遠少年の平穏で幸福な日々は唐突に終わりを告げることになる。青ざめた肌、獣めいた身のこなし、尖りに尖った犬歯を持つ怪人に襲われ、隣を歩いていた友人は一瞬にして血煙に。しかし毒液の滴る牙が高遠少年を今まさに捉えようとした瞬間、割って入った存在がいた。❝ハントマン❞と名乗る吸血鬼の貴族───を自称する謎の少女である。彼女は今から始まる吸血鬼同士の決闘、通称❝ゲーム❞のパートナーとして高遠少年を選ぶと宣言する(断れば友人の後を追うことになるという)。ハントマン