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ハントマン・ヴァーサス・マンハント

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逆噴射小説大賞に応募にしたパルプ小説と、その続きを思いつくまま書き殴っています。ヘッダー画像もそのうち自前で何とかしたいのですが予定は未定のままであります。
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2019年3月の記事一覧

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第46わ「いつものヤツ」

(承前) 雑居ビルの屋上に立って日付が変わるのを待つのも、もはやルーティーンの一部となったような気さえしている。実際には、まだ三日目でしかないというのに。 「ダンナ?一体どうしたんで?」 冷たい風を受けながら頭上に輝く青ざめた月を睨んでいると───、後ろに立っている相棒が素っ頓狂な声を出して問い掛ける。どうしたもこうしたもあるか。もうすぐ、お前らの❝ゲーム❞が始まる時間だろう。 「あぁ。今日は、お休みですよ」 休み? 「まだ予選期間が終わっていませんからね。敵対ハ

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第45わ「分かち合うことの素晴らしさ」

(承前) 納得は出来ないが、理解は出来た。俺の右目は相棒の右目。その右目が見たものは、相棒にも見る権利がある。そういうことか。そして俺には見たくないもの見ない権利も無い。見せたくないものを見せない権利も無い。……そういうことになる。 「さすがダンナ、話が早い!」 当面は二人三脚の同棲生活が続くのだ。俺のプライバシーはどうなるのかと不安になっていた矢先に、コレである。そもそも、❝ゲーム❞が終わった後はどうなるんだ。俺は元の生活に戻れるのだろうか。 「え?まぁまぁ、勝った