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バカは風邪ひかない

俺は天才(英検三級/免許試験92点/非行防止ポスターコンクール佳作)なので風邪ばっかひく。今も風邪です。ごほごほ

12月5日。2限で授業が終わりの日。友達のこばやしたくま君が帰り道で

「お前のブログがみてみたいねん。」

とそう言うからはじめました。絶対続かないと思う。もしも記事10本かけたらぬまや奢っておくれ。

陽気な黒人こばやしたくま君は大学の友達。コンゴからの留学生だ。大学ではこの日本での名前を名乗っているが、故国では本名、エマヌエラ・テトゥオドイ・インザイを名乗っている。彼の本名は覚えるのが難しくていつも合ってるのか不安になる。だからまあみんな日本での名前で呼ぶよね。こばやしたくま。ばやし。こばや。たっくん。
彼は日本語が上手だ。とても流暢に世界最高難易度の言語を話す。また、彼は日本のバラエティ番組が好きらしく、そこから覚える日本語も多いと言う。そのためか彼の日本語には関西弁のようなものがよく混じる。

「うざいて!」
「やばすぎひん!」
「どこやん!」
「ほんまけ!」

どこの番組で覚えたのかはわからないけど関西の人がいらいらしそうな話し方だ。慣れてない感じの関西弁のせいで僕は時々彼の日本語は下手なのか上手いのか疑問に思う時がある。そもそもその関西の感じ君がやるとさぶいし。

こばやしたくま「ろ、ろ、、、


「論評すなー!!!」


はい、でました。彼のいつものお決まりのツッコミ。すなー!って何?まだコロコロコミック読んでんのか?けど僕は腹抱えて笑うんだよ。このベタベタのくだり。おもしろい。留学生のくせに日本のお笑いを〝理解〟ってる。もうお前に教えることは何もないよ。国へおかえり。

彼はコンゴの田舎育ちなため、日本にきて驚くことはたくさんあったらしい。

日本にきて驚いたこと5選
・「おきんたまにエコー当てられたってマジ?」
・「え、おならは挨拶として使えないの?」
・「え、おならを家庭用ガスとしてタンクに溜めておかないの?」
・「公園ってシーソーの周りで裸で踊る場所じゃないのか?」
・「たばこ吸ってたら警察来たんだけど。え?俺?18歳だけど」

たしかにびっくりするかもね。
是非、泌尿器科でやってくれるおきんたまエコーを故国にも広めてほしい。最高の土産話じゃないか。

おきんたまエコーは僕のおきんたまに突然激痛が走って僕が大学をおきんたま休講したときに泌尿器科の先生がしてくれたものだ。妊婦さんのお腹の中の赤ちゃんを見るときに使う超音波ってあるよね。あれをね、僕はおきんたまに当てられたわけです。パソコンの画面に拡大表示されて大きく映る僕のおきんたまには、ちいさな、腫瘍があった。

「副睾丸炎です」

抗生剤を処方された。

そんなことがあったんだけど、これをこばやしたくまに話すと無神経にも彼は笑い転げてしまった。さらにテンションが上がった彼は他の留学生と手を繋ぎ、輪になり、僕を囲んで、故国の言葉と故国のリズムで踊り出したのだ。なんだよそのノリ。日本人にはついていけねえセンスだぜ。なんで僕はおきんたまに激痛が走るという苦痛を味わい、さらにそれを異国の人々に笑いものにされなければならないのか。覚えておけこばやしたくまよ。おきんたまを馬鹿にするものはおきんたまに泣くことになるんだよ。




——そんな彼も今期の授業を最後に故国へ旅立ってしまうらしい。


なんでも彼はコンゴの実家の畳屋を継がなきゃいけないらしい。そう、だから彼の「ブログが見たい」というお願いごとを彼が旅立つ前に聞いてあげることにしたんだ。
ムカつくやつだったけど、君との日々は楽しかったよ。お別れパーティー絶対やろうな。

どうだった?日本は。君ほど陽気なヤツにとっては陰気くさい国だったかもしれないね。俺だって陰気くさい日本人だ。でもお前と悪ふざけしている時はこんな俺でも陽気な気持ちになれた。悩んで落ち込んでいる時もお前は底抜けに明るかった。また牧場で牛のうんちに火つけて遊ぼうね。

お前はどう?留学生活は楽しかったか?

——人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまでわからない。

コンゴでもがんばれよ。

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