
《三股町社協×carewill》「難しさの中に面白さがある」地域課題を解決するコミュニティデザインラボの取り組み
こんにちは!作業療法士のハルです。
このたび、ケアウィルの新しいプロダクトとして加わることになった、こちらの『帽子』と『ヘアバンド』。


作っているのは、宮崎県三股町の「KIMAMA PURODUCTS(キママプロダクツ)」の皆さんです。

「キママプロダクツ」は、社会福祉法人三股町社会福祉協議会の中に作られた「コミュティデザインラボ」が立ち上げた活動のひとつ。ケアウィルと深い関係にある宮崎の作業療法士がきっかけとなりつながりました。
本記事では、キママプロダクツのコーディネーターである坂元さん、コミュニティデザインラボの内田さんにインタビュー!残反リデザインプロジェクトにまつわるお話を伺ってきました。
プロジェクトの内容については、前回の記事もぜひご覧ください!
「キママプロダクツ」とは?
「キママプロダクツ」は、現代の雇用システムに馴染めない方などと一緒に、工業用ミシンを使った”気まま”なものづくりをしています。大切にしているのは、”ものづくりの楽しさを感じながら無理せず働くこと”。
現在は、住民2名の方とコーディネーターの坂元さんがプレイヤーとして活動されています。

(画像引用:KIMAMA PRODUCTS)
これまでは、生地の強度が高く、軽く水にも強いことが特徴のタイベックやスピンネーカーといったアウトドアファブリックを素材として使用し、かばんやポーチ等を作られています。
ー今回のプロジェクトに参加しようと思った理由はなんでしょうか?

これまでも廃材を使ってポーチ等を製作をしてきましたが、今回のケアウィルの生地は「伸縮性」という特性を持ったはじめて扱う生地。お話をいただいて、”色々作れそう!挑戦してみたいな”と思ったからです。

ー送られた残反を、帽子とヘアバンドにしたのはなぜですか?

これまで作ったようなポーチや小さな筆箱も作ってみたのですが、ピンとこず…。伸縮性がある生地だったので、この素材を活かしたいなと思っていたところ、”帽子”と”ヘアバンド”というのが浮かびました。
ふるさと納税の返礼品にもなると聞いていたので、”いろんな人が手に取れる製品であること”も意識していました。

ーはじめて見たとき、ヘアバンドも帽子も「かわいい!」と思いました!

ですよね!試作品を何人かに試してもらったのですが、こちらでも「かわいい!」という反応が多く、試着してもらうと似合わない人がいなかったんです!生地の特徴である柔らかみも表現できたかなと思います。
ーケアウィルとの協業で、これまでと何か違ったことはありましたか?
1番の違いは「生地」でした。初めての伸縮性のある生地だったので、これまで行ってきたものづくりとは違う考え方が出来て楽しかったです。
「コミュニティデザインラボ」とは?
キママプロダクツは、コミュニティデザインラボが立ち上げた活動の中の1つ。
そのコミュニティデザインラボとは、地域共生社会の実現のため、宮崎県三股町社会福祉協議会の中につくられた「実践支援研究室」です。
地域の課題について住民や地域の主体が共に話し合い、課題を解決するための取り組みをプロジェクト化することで、多くの活動とプレイヤーを生み出し続けています。

ー地域課題を解決するために、すでに161もの活動が立ち上がっているそうですね。こうした活動は、最初の”困った”を拾い上げるのが難しい印象があるのですが、何か工夫があるのでしょうか?

年に3回ほど、”社会問題井戸端会議”という場を設けています。この場は、地域の誰かや地域全体が困っていることを、専門家だけでなく、地域の方と一緒に話し合って解決策を話し合う場です。

キママプロダクツの場合は、”多子世帯のお母さんが働きたいけど働けなくて困っている”というところから始まり、働きやすい場を地域として提供するにはどうしたらいいかを話し合いました。
このお母さんがミシンを使えたこと、地域の縫製工場がやめるのでミシンを譲ってもらえるなど、地域の方が知恵を出してくれたことで、活動が立ち上がりました。
ー”社会問題井戸端会議”にはどうやって参加するのでしょうか?

直接お声がけする方もいらっしゃいますし、広報で知って興味を持った方が参加されています。広報は、SNSや紙媒体で地域の方に行っています。
ー今ある活動には、それぞれ個性的な「活動名」と「ロゴ」がデザインされていますよね。ロゴを拝見していると、まるで部活のようで“参加してみたいな”と思います。このようにあえて「魅せる」ことに、どんな意図があるのでしょうか?

(画像引用:コミュニティデザインラボ コンセプトブックより)

「場」が持つ機能の中に、”支援”と”交流”がありますが、福祉は支援の場に偏っている場合が多いんですね。ただ、交流の場から支援の場につながることもあるし、”困っているよ”っていう声をあげられない人ほど交流の場から声を拾えるということがありました。
支援の場はたくさんすでにあったので、交流の場を増やし、また地域活動が地域の人に届くよう見える化するために、「魅せる」必要がありました。
ー各活動は、地域の方が自走していけることを大切にしていると拝見しました。なにか関わり方で気を付けていることはありますか?

活動を継続していくには「やりやすさ」も必要です。ただそこだけを追い続けていくと、その活動が立ち上がった元々の経緯や理念とずれが生じて、ギャップが出てきます。そこをすり合わせるために、コーディネーターが必要だと思っています。
自分がやった方が早いこともありますが、そこはやらず、主体性を削がないようにどうコーディネートしていくか、難しいけれどそこに面白さもあります。

わたしも、難しいなかに楽しさも感じています。通常の労働環境だと馴染めなかった方が、このキママプロダクツの場所に”今日も来てくれている”。そこで物を作って収入を得るだけじゃなく、話して悩みを発散したり、つながりがもてる、そんな場所になってきているのが嬉しいですね。
ー内田さん、坂元さん、ありがとうございました!
製品はケアウィル公式サイトでお求めいただけます
キママプロダクツさんの”気まま”なものづくりと、ケアウィルの残反の量に合わせ、数量限定の製品となっている「ヘアバンド」と「帽子」。
そして、まずは『ヘアバンド』の販売が開始されました!!以下、ケアウィル公式サイトよりお求めいただけます。数量限定ですので、お早めに!
ケアウィルは、これからも当事者の方々の声に寄り添った製品づくりを続けていきます。そして、今の状況を”あきらめる”のではなく、必要とする方への選択肢をお届けできるよう、あなたの「できる」を応援します!
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