車いすでの雨の日の外出どうしてる?
週末は友達とお出かけ!なのに予報は雨…どうする?!
こんにちは!作業療法士のハルです。
車いすで雨の日に外出しようとすると、雨具にはレインコートを着るという方が大半です。検索すると、車いすごとすっぽりと覆うタイプのかぶり式レインコートが多数出てきます。体も車いすも覆ってくれるため濡れる心配はありませんが、一方でこんな悩みはありませんか?
この記事では、そんな悩みを解消し雨の日も外出したい!という方向けに、carewillの「多機能レインウェア」をおすすめする理由を紹介します。
おすすめしたい!carewiiの「多機能レインウェア」
こちらがケアウィルの「多機能レインウェア」です!
ジャケット+ひざ掛けの上下分離型のレインウェアです。
この製品は、”雨の日の外出を諦めない”当事者のみなさんの活動・参加をサポートする服として作られました。開発には、脳卒中、脊椎損傷、膠原病等による障害で車いすを利用する当事者19名(女性11名、男性8名)の方が参画されています。
このレインウェアは、私たち「carewill(ケアウィル)」という会社が作っています。「carewill」は、あなたの「着たい、選びたい、着て人と会いたい」という意思を第一に尊重した服づくりを目指す、ケア衣料の専門ブランドです。
おすすめポイント①:めくれない、蒸れない
1、「ジャケット」と「ひざ掛け」の上下分離式
車いすユーザーの方がレインウェア着用時に困るのが”風でめくれること”。
車いす用のレインウェアとして流通量の多い「全被り式タイプ」は、風によって、外の空気が裾からレインウェアの中に入るため、行き場を失ってめくれを引き起こし易い構造となっています。
この悩みを解決するために、多機能レインウェアは上下が分離しています。
風でめくれない様子がこちら!
2、めくれない・蒸れない理由
風でめくれない理由は、”空気の抜け道ができること”にあります。
ジャケットは側面から空気が抜け、風がきても服の中に空気が滞留せずに外に流れていきます。
ひざ掛けは、左右の膝~膝下部分とつま先部分の3箇所にギャザーがあるため、足にしっかりフィットします。これにより、側部と先端部から空気が入ることはなく、空気がひざ掛けの表面に流れていきます。
このように空気が抜けることによって、レインウェア特有の蒸れも解消しています。
おすすめポイント②:脱ぎ着、収納が楽ちん
1、着る・脱ぐ
多機能レインウェアにはファスナーがなく、留めるのはジャケットの前にある2個のボタンだけ。車いすに座ったまま、小さな手の動きで簡単に脱ぎ着着できるデザインです。
2、収納する
脱いだあとも、濡れた面を内側にしてくるくるたためば、周りを濡らさずコンパクトに。車いすの座面下の収納スペースや、濡れたもの用の袋を用意すれば、さっと収納できます。
出先で掛けられる場所があれば、フードにあるゴムをかければ乾かすこともできますよ!
3、出し入れの多いものはポケットに
レインウェアを着ていると、パスケースやスマホが出しづらいことありますよね。ひざ掛けにはポケットがあり、スマホやパスケースが横に入ります。レインウェアを着ていても、必要時にさっと取り出すことができますよ。
おすすめポイント③:自分に合わせてカスタマイズできる
多機能レインウェアは、車いすユーザーの方の身体の状態や服の好み、車いすの形状に合わせて、カスタマイズできる部分があります。ボタンやベルトで簡単に変えられるため、その日の気分に合わせての変更も可能です。
1、ジャケット:袖のあり/なし
《袖あり》
袖口がある方が手の位置が分かって落ち着く方、自走式車いすで袖口の水や泥除けをしたい方は"袖あり" がおすすめです。
袖口の内側にある左右2つのボタンを留めると、袖口が出来上がります。
《袖なし》
上肢の可動に制限があり、袖を通すのが煩わしい方は"袖なし" がおすすめ。ポンチョのように着ることができます。
袖なしで着る場合は、袖口を織りこんで、袖口中央のボタンと中のボタンを留めれば、ジャケットのすそに綺麗なラインが生まれます。適度な丈は、車椅子の車輪に巻き込まれず安心です。
2、ひざ掛けの固定方法
車いすユーザーの方が外出中に気になることとして、ブランケットなどの”ひざ掛けのすべり落ち”も挙げられます。ずり落ちて、ひざ掛けがキャスターに巻き込まれてしまうことも…。
このひざ掛けは、腰部にあるプレートとベルトで固定することで、その滑り落ちを防ぎます。まず、ひざ掛け上部に入った左右のプレートは、身体と車椅子の間に差し込むことで腰にフィットします。
左右のベルトは、留めることで車いすにしっかり固定することができ、ひざ掛けが滑り落ちることを防ぎます。
このひざ掛けの固定には、6つの固定方法があり、ご自身のお身体の状態や車いすの形状によって、留めやすい形を選ぶことができます。
さらに、ギャザーによって足にしっかりとフィットするため、ひざ掛け側部が車輪に、先端部がキャスターに巻き込まれることはありません。
介助者の方も一緒に外出するなら?
1、両手を開けられるレインウェアがおすすめ
介助者の方も一緒に外出する場合、介助者の方も介助のために両手を開けておく必要があるため、レインウェアを着るのが望ましいでしょう。
多機能レインウェアのジャケットは、車いすユーザーの方に限らず着ることができます。さっと羽織って出られるので、デイサービスの送迎時といった外に出る時間が短いときにも便利です。施設で購入して共有して使う、という使い方も寄せられています。
2、傘はだめなの?
雨具といえば傘を思い浮かべる方が多いと思いますが、介助者が傘を持つ場合、片手運転になってしまうため、車道側に向けて傾斜した道やブレーキが必要な際に安全に操作できません。また、車いすユーザーの方が傘を持つ場合でも、介助者の視界を遮ったり、車いすの操作を妨げる恐れがあるため、避けた方が良いでしょう。
雨の日の外出はこんなところに注意!
これで雨の日の外出も安心!…とはいえ、雨の日の外出にはもちろん注意することもあります。
1、雨の強さ
多機能レインウェアが想定しているのは、1時間雨量が5mm未満の雨です。5mm未満というと、道路に水たまりができ始め、長靴や傘が必要になる程度。1時間に5mm以上の強い雨の予報が出ている際には、車いすユーザーに限らず危険なので、予定の変更を検討したほうが良いでしょう。
2、電動車いすは故障のリスクあり
電動車いすは電気製品です。バッテリー装着部や操作部、大車輪の駆動部分が濡れると故障の原因となってしまうため、雨天時はできるだけ早く、屋根のある場所へ退避することが推奨されています。
多機能レインウェアは、ジャケット背面にスリットが入っていることで、ジャケットが車いすハンドルの上に乗って屋根のようになり、車いす背面に置いた荷物を雨から守ります。
一方、ジョイスティックは、小柄な方や座高が低い方であれば覆えますが、移動中は手を動かすので、"完全に" 覆うことはできません。
またバッテリーも、車輪の駆動部に近い下部にあるので、ジャケットの裾が車輪と干渉しないようにすると、どうしてもその多くは濡れてしまします。
この2箇所は着用者の方の座高、体形や車いすの形状にもよりますので、気になる方はぜひ「サンプルお試し」をご利用ください。
また、完全に覆うためには、バッテリーやジョイスティックにビニール袋を被せる、自作する、市販のバッテリカバーを購入する方が多いようです。
3、視界が悪い
雨の日は晴天時に比べて暗く、自動車ドライバー側からの視界が悪くなります。また歩行者も傘で前が見えづらくなるため、通常時より車いすに気づきにくくぶつかる危険があります。
対策は、車いすに反射材や反射テープを取り付けること。
反射材は車いすの前後左右、四方につけるのが理想的です。多機能レインウェアには、上下5か所に反射材がついています。暗い中で光が当たると、下のように反射するため、夜道でも視認性が高まります。
もうひとつ視界を妨げる要因になりやすいのが ”フード”。
多機能レインウェアのフードは、視界を邪魔しないよう横にカーブがついています。またつばがあり持ちやすく、顔が濡れるのを防ぎます。
4、路面の状態が悪い
雨の日は、路面の雨濡れによるスリップや、段差で滑りやすくなる、ハンドリムが滑るといった問題点が出てきます。特に下り坂は危険性が高くなります。対策としては、ガードレールのある道、歩道の広い道、できるだけ平坦な道や傾斜の緩い道といった、安全性の高い道を選ぶことも大切です。
雨の日も安全に外出できますように!
ここまで、車いすでの雨の日の外出に、多機能レインウェアをおすすめする理由についてお伝えしてきました。
多機能レインウェアは、carewillの公式サイト、Amazon、Yahoo!ショッピング、Makuake STOREから購入できます。ジャケット+ひざ掛けのセットだけでなく、別々での購入も可能です(セット割あり)。
carewillは、これからも当事者の方々の声に寄り添った製品づくりを続けていきます。そして、今の状況を”あきらめる”のではなく、必要とする方への選択肢をお届けできるよう、あなたの「できる」を応援します!
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