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with コロナの転職活動〜心構え編〜

コロナの影響で求人が減っているという話題はよく見る。

このような情報から、「今は転職のタイミングなのか?」「今って厳しいですよね?」と、転職エージェントをしているとよく聞かれる。最初に言っておくと、ここ5、6年ほどの中では一番「求人倍率が低い」ことは間違いない。ただし、それがイコール「転職すべきではない」や「厳しい」に繋がる、とは限らない。

それは上記の厚労省のデータからでも分かる。一言で言えば「求人数は約190万件あり、求職者は約180万人である」という、「求人数よりも求職者のほうが少ない」という事実からである。つまり、マーケット全体でみればまだ「売り手市場」なのである。勿論、職種や産業によって異なるし、何よりも昨年までの約3年と比較したら求人倍率は低くなっている。その意味では、少し前と比べたら厳しくなっている、と言えるだろう。けれども、求人数のほうがまだ多い状態は、「今転職すべきでない」論の論拠にするには弱すぎる。

(ちなみに、筆者は、おそらく今後2年以上に渡り、今のような状況が続くのではないかと思っている。去年までの好景気の時代のような転職マーケットになることはしばらく無いのではないか。何故かと言われると、過去の経験則としか言いようがない。不景気は一瞬にして訪れ、好景気は徐々に訪れる。バブルはあるが、その好景気時には人はバブルだと感じない。今考えれば去年までは転職・採用バブルだったんだなと思える、それが人間というものではないか)

また、「不景気時に採用している会社は強い」という都市伝説めいた話があるが、これは真実である。2000年前後のITバブル崩壊期や、リーマンショックの時代において中途採用を活発にやっていたファーストリテイリング、エムスリー、エスエムエス等の会社はその時期に採用した個人がビジネス上の主軸となり活躍し、会社を大きく成長させていったように見える。つまりは、不景気時に中途採用を大規模に行う会社は、事業のビジョンがぶれず、目先の利益に囚われず、将来を見据えているとも言える。もしくは、不景気耐性の非常に強い会社、と言えるかもしれない。

with コロナの時代に転職活動をする場合、そういうことを逆手に取って、「強い会社を見極められるタイミングだ」とか「この時代に巡り会える会社では長く働ける可能性が高そうだぞ」というようなメンタリティで臨むこと。そうすることを強くオススメする。


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