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駐在妻インターン生ってどんな人?【第5期vol.2榊原晃子さん(ドイツ在住)】

2022年4月より第5期インターンが始まりました。第4期から継続の1名を含め、韓国、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、アメリカと世界中から集まった駐在妻。第2弾は、2021年7月からドイツのデュッセルドルフ在住、榊原晃子(さかきばら あきこ)さんのご紹介です。
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【榊原晃子さん/お仕事プロフィール】
駐在帯同前は、大手重工業メーカーにて、経理・人事・総務を経験。
現在、育児休業取得中。
2021年7月より、配偶者のドイツ駐在に帯同。

ドイツでの生活

——ドイツでの生活は、もうすぐ1年なのですね。帯同生活はいかがですか?

環境に慣れるまで、時間がかかりました。

学生時代に海外でボランティア活動をしたり、勤務先の研修で南アフリカに3ヶ月滞在したりといった経験があったので、海外生活自体に抵抗はありませんでした。

でも、駐在帯同は、これまでと全く違いましたね。自分から能動的に選んだ海外生活ではなかったため、意義を見出すまで本当に時間がかかりました。
今は生活にも慣れ、ドイツ生活を楽しむ余裕も出てきました。

——普段の生活ではどんなことをしているのですか?ドイツには行ったことがなく、興味があります!

2歳の息子と散歩をするのが楽しみです。彼が行きたいところへ行きます。その日の気分によって、公園へ行ったり、駐車場の隅で砂遊びをしたり。以前は登れなかったところに登ることができる、摘めなかったものが摘めるようになるなど、日々の成長を感じられるので楽しいです。

ドイツならではの話題としては、マルクト(市場)へもよく行きます。今の時期は、シュパーゲル(白アスパラ)が美味しいんです!蚤の市にもハマっています。北欧系やアンティークの食器など、掘り出し物を探すのが楽しいです。

週末は、国を跨いでのショッピングや観光を家族で楽しんでいますよ。車で30分程度走ると、オランダのショッピングモールへ行けるんです!

幼児教育や親子教室も週1回程度のペースで通っています。日系幼稚園で開催されるので、子どもと一緒に日本の遊びを楽しんでいます。

——素敵です!ドイツ生活を楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきます!

4月上旬から6月24日(聖ヨハネの日)までの期間限定でしか食べられないシュパーゲル(白アスパラ)。
マルクトでは新鮮で美味しいものが入手できます。

帯同後の気持ちの変化

——ドイツ生活を楽しむ一方で、先程冒頭でお話された通り、駐在妻という立場と環境に慣れるまでは時間がかかったのですね。

そうなのです。
周りのママ友が自分より早く順応しているように見えて、落ち込んだこともありました。駐在妻というとキラキラしたイメージがあり、馴染めない自分とのギャップでも落ち込みました。ドイツ語が通じないことにも、もちろんストレスが溜まりました。

振り返ると、引っ越し直後はそこまで落ち込んでいなかったと思います。むしろワクワクした気持ちの方が大きかったです。夏だったため、明るい日差しで気持ちも明るかったのかな。ヨーロッパの街並みも綺麗で、前向きな気持ちでした。

でも、冬が深まるにつれて、気持ちも落ち込んできたように思います。九州生まれなので、暗くて寒いドイツの冬が辛かったのかもしれません(笑)。

——ドイツの冬は、そんなに寒いのですか?

毎日、暗くて、寒くて、ずっと雨が降っています。気持ちも塞いでいました。

そんなとき、CAREER MARK公式ブログの記事[※1]で、「異文化適応過程」[※2]グラフデータを見かけました。自分の気持ちの揺れ動きはまさしくこれだ!と思い、落ち込むのは自分だけじゃない、一般的な現象なのだと納得したことで、気持ちが落ち着いたのを覚えています。冗談抜きで、この記事と出会ったのは運命だと思いました!

[※1]公式ブログ記事「駐在妻のもやもや、どうしたらいいですか?臨床心理士の先生に聞きました」はこちらから

[※2]「異文化適応過程」グラフ

*原田舞香さん「海外在住日本人の『異文化適応過程』」より
(シンガポール日本人会機関紙「南十字星」2019年2月号)

——ご自身の複雑な感情を客観的に捉えることができた瞬間ですね、すごい!CAREER MARKのことは、以前からご存知だったのですか?

はい。同じ地域に住む駐在妻の方がインターン活動をInstagramで紹介されていて、そのとき CAREER MARKを知りました。CAREER MARKのInstagramもフォローしており、インターン4期生募集の投稿も見ていたのですが、ちょうど私が落ち込んでいた時期と重なっていて。以前の私なら無理をしてでも挑戦していたと思いますが、そのときは「今はやめておこう」と冷静に判断しました。

——どうしてこれまでと異なる「やめておこう」という判断だったのでしょうか?

先程の「異文化適応過程」を見たからです。グラフによると、帯同直後は「ハネムーン期」と呼ばれ、適応度が高いものの、その後すぐに高ストレスな「ショック期」と呼ばれる時期がやってくると示されています。でも、時間と共に徐々に適応度が増し、「適応期」と呼ばれる安定した時期がやってくるとも示されていました。

自分と照らし合わせ、今の私は「ショック期」なのかなと思ったのです。同時に、それならこの先安定した「適応期」がやってくるはず、インターンに挑戦するのは、そのときでも遅くないのではと考えました。

4期インターンの募集を一旦見送っていたので、5期インターンの募集があったときには、今だ!と思いました。
でも、息子が当時1歳ということもあり、まとまった活動時間が取れないのではという不安もありました。そこで、応募前にメールで相談してみたところ、思いがけず「気にしなくて大丈夫」というメッセージをいただき、CAREER MARKのみんなと一緒にいたい、不安でも飛び込みたい、ここならわかってもらえる、一緒に成長していける、一緒に何かを目指していけると思い、応募しました。自分のイメージする100%のパフォーマンスが出せなくても、まずはやってみようかな、と思えたのは、CAREER MARKだったからです。

——なぜCAREER MARKだとやってみようかなと思えたのかが気になります。

以前1on1キャリアサポートで、私の駐在帯同生活のもやもやを受け止めていただいた経験が大きく起因していると感じます。相談する中で、悩みに寄り添っていただいたのと同時に、キャリアコンサルタントの人柄にも触れ、CAREER MARKならきっと大丈夫と思えました。

——なるほど、インターンへ挑戦された経緯がよくわかりました!駐在帯同前のお話も伺ってよろしいですか?

もちろんです。

日本でも有名なドイツのクリスマスマーケットは暗くて寒いドイツの冬を越すために
必須と言っても過言ではないイベント。
地域によっても特色があり、何度でも行きたくなる魅力があります。

働き方への思い

——日本ではどんな風にお仕事なさっていたのでしょうか?

重工業メーカーで人事の仕事を担当していました。現在は育休制度を利用し、駐在帯同しています。

もともと幼い頃から海外志向が強く、発展途上国の支援に興味がありました。学生時代には、海外でのボランティア活動や、国際協力機構(JICA)の学生インターンシップ活動にも参加しました。そのときの経験から、ボランティアももちろん大切ではあるけれど、企業活動の中で、雇用や物流を生みながらその地域を豊かにしていくことに魅力を感じ、発展途上国のインフラにも深く関わる現在の会社に入社しました。

入社後は、経理や人事、総務を経験しました。そこで感じたのは、働く人の大切さです。個人のパフォーマンスはもちろん、工場内での関係性や地域の方との繋がりこそが、企業活動で大切なのだということです。いろいろなバックグラウンドを持つ人それぞれが、最高のパフォーマンスをできることが理想だと思っています。

——興味深いお話です!お仕事ぶりも、順調ですね。そんな中、ドイツ赴任を聞いたときはどんな気持ちでしたか?

妊娠中に夫からドイツ赴任の話を聞きました。出産予定日の4ヶ月前くらいでしょうか。そのときは、出産と子育てに意識が集中していたので、キャリアが中断してしまうというところまで意識は向いていませんでした。育休を長めに取得して駐在帯同することによって、子どもとゆっくり過ごせるのかなと思いました。家族一緒に過ごすのが良いと考えていたため、帯同自体に迷いはありませんでした。

——日本への本帰国が近いとのお話ですが、本帰国後も同じように働きたいと思いますか?

働かないという選択肢は、私にはありません。

ただ、働き方への思いは変わりました。自分自身の仕事人生はあと30年。私の中では子どもの優先度が最も高いので、子どもが中学生くらいになるまでの10年間は、少しセーブした状態になると思います。そう考えると、思い切り仕事に打ち込める時間は残り20年。自分が本当にやりたいことを積極的に選んでいかないと時間切れになってしまうので、これまでの働き方でいいのかな、と考えることがあります。もう一度、勉強し直したいこともあります。

いずれにせよ、10年後、私自身が挑戦してよかったと思えるようになりたいですね。子どもからも、「お母さん、楽しそうに仕事しているな」と思ってもらえるようになりたいです。

——素敵な考え方です。働き方への思いが変化したのは、駐在帯同がきっかけですか?それとも、出産や子育ての影響が大きいのでしょうか?

両方ですね。出産だけではここまで変わらなかったと思います。駐在帯同で予定より長期間の休職をしているからこそ、ここまでの変化がありました。

CAREER MARKとの出会いも大きく影響していると思います。

自分が心から共感できることを、胸を張ってやっていきたいです。子どもを預ける際「ごめんね」ではなく、「応援してね」と思える、自分にしかできない誇れる仕事をしたいと思っています。

——自分にしかできない誇れる仕事とは、あきこさんにとってどんなお仕事だとお考えでしょうか?

まさに今探しているところです。働くことに対する私の根っこは、発展途上国支援への思いにあります。勉強し直しても良いですし、SDGsにも興味があります。関わり方やそのための手段は、たくさんあります。

——あきこさんの中にある1本の軸が見えた気がします。これらを踏まえ、駐在帯同中にCAREER MARKインターン活動を実際に経験してみて、どのように感じましたか?

仕事だと、失敗できないプレッシャーがありますよね。CAREER MARKのインターン活動は、失敗しても良いからやりたいことには手を挙げて挑戦できる雰囲気があり、素晴らしいと感じました。また、駐在帯同という特殊な環境でも、悩みを共有できる場所、仲間がいることに、とても幸せを感じています。

——私も共感します!最後に、世界中でがんばる駐在妻のみなさんへ、メッセージをお願いします。

駐在帯同をきっかけにいろいろと悩みましたが、私にとってはどれも必要な時間でした。結局は、自分自身で乗り越えるしかないと思っています。

でも、乗り越える力を得るためには、誰かに話を聞いてもらったり、悩みに寄り添ってもらったり、挑戦を応援してもらったりすることが必要です。一人で戦うのと、仲間がいるのとでは、全然違います。

ひとりで悩まず、周りの助けを借りながら、楽しんでくださいね。

——あきこさん、ありがとうございました!

あとがき

インタビューが盛り上がり、時間を忘れてとても楽しくお話を聞くことができました。慣れない環境に戸惑いながらも夢の実現のため前を向き続ける姿に、終始励まされました。壁を乗り越えるのは自分自身でも、乗り越える力は周りからもらっていいんだよ、というメッセージが刺さります。柔らかな心と揺るぎない情熱を併せ持つ素敵なあきこさん。今後のご活躍が楽しみです。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第5期インターン 島貫 さやか (アメリカ在住)

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