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2020年は働き方と採用の大改革がはじまる年になる!

今までの常識が非常識になる時代へ

終身雇用、年功序列が崩壊したといわれて30年近くなりますが、2020年が大きな転換点になりそうです。
ことの始まりと言えるのがトヨタ社長の終身雇用ができないという発言ではないだろうか。

戦後からバブル期までは年功序列、終身雇用で給与が右肩上がりに上がっていく時代であり、就職したら1社で勤め上げることが美学とされていた時代。

1980年代に入るとリクルートが就職、転職、人材ビジネスのブームを作り始めた。
「とらば〜ゆ」「B-ing」などの転職雑誌がではじめたと同時に、就職活動でもリクルート雑誌ができ、資料を一括席有することができるようになった時代。

その後、バブル経済が崩壊すると、早期退職というなのリストラの嵐と同時に新卒採用を取りやめてしまう、就職氷河期と言われている時代へと突入をしていくことになる。

その後、2008年のリーマン・ショックで就職、転職市場は凹む形になりましたが、団塊の世代の退職が相次ぐこととなり、人手不足感が否めなくなったのは2010年代の中頃から終わりにかけてです。

そこでミドル層が再度注目を集める事になりました。
2010年まではビジネスパーソンは35歳で一度死ぬと言われていた時代から、2020年にはビジネスパーソンは40歳で一度死ぬという形に変わってきました。

大手企業でバブル期から就職氷河期の初期の頃に入社をした人達が働かないおっさん、老害といわれるように、高い年収をもらっているにも関わらずパフォーマンスが悪いということで、2018年から大きなニュースにはなっていませんが、早期退職を使ってリストラをはじめているのが現実です。

つい先日も朝日新聞社が早期退職制度を利用して、退職金が6000万円ももらえる可能性があるとのニュースが出たばかりです。
大手企業にいるから安泰、正社員であるから安泰という時代には終焉を迎えているのは事実です。

日本型雇用の問題点

経団連は2020年の春闘に日本型雇用の再検討を盛り込む方針を固めているようですが、時代遅れになっているにも関わらず、既得権益を守るためなら何でもありというイメージがあります。

従来の日本型雇用については、新卒から育成をしていくためにそのための投資ということで給料が低水準で抑えられていることに気づいてほしい。
定期昇給することによって雇用を安定させることで、キャリアについては会社が握ることになっているのが常識であった。

ここ数年の動きがおきはじめたが、新卒社員について年収1000万円も夢ではない状況が生まれ始めています。
年功序列が崩壊してしまったことを意味するのと同時に、格差社会がさらに加速をすることになる。

いま弊害が起きていることに気づいていない人が多いだろう。
世界中でAIの開発が急がれている中でモノづくり日本ではAIの技術者が採用できていない現状がそこにはある。

AIやデータ分析に長けている人材に対して、一律的な新卒採用をしていたとしても海外から採用をする際に、年収ベースで安いとなると採用ができないのが現状だろう。

日本国内だけではなく、世界中の企業と戦わなければならず、年収での争奪戦になった時は完全に難しい。
年功序列ではなく、実力主義、ジョブ型のキャリアをつくる時代が始まったことを実感している。

いまだに根強く残っているのが終身雇用をする代わりに、低賃金で働いてもらって、投資した分を回収するまで働いてほしいという丁稚奉公的な考えが残っている。
これが1社3年在籍理論である。

転職回数が多いということはマイナスに見ているのが現状であり、そこには個人の成長力というのは全く入っていないのが現状。
大まかに早熟型、普通型、晩成型の3つのタイプに分けられる成長タイプではありますが、石の上にも三年、3年以内と結果が残せないという思い込みと先入観があるから、転職をする人が多くないというのが現状。

転職をするものは裏切り者というイメージも根強く残っているのは否めない。
出戻り社員制度を作っている会社も増えてきたけれど、まだまだ少ないというのが現状だろう。

終身雇用が社員の思い描くキャリアの形成や転職のチャンスを奪っている、若手の給料を抑制する年功序列賃金が、AI技術者の獲得を難しくしているということだ。そして見直しの方向性として「従来型の雇用を中心としつつも、あらかじめ職務を明確にするジョブ型雇用と複線的な制度の拡充を掲げる。ジョブ型の社員を対象に、中途採用や通年採用の枠を広げ、成果主義的な賃金制度に切り替えることを提起している経団連。

年功序列型とジョブ型が併用すると問題!?

結論からいうと年功序列、一括採用はなくならない。
なぜなら、一括採用、終身雇用、年功序列の3つのシステムについては問題があるということは認識されているけれど、3つのシステムをゼロベースにして新しいことを始めようということは、相当な労力が必要となり、グローバリズムの流れの早い中では改定していくことが難しいと考えられている。

フリーランス、時短社員、契約社員、アルバイト社員などいろいろな働き方を組み合わせて、チームを作っていくことで対応をしていくことがわかっているから。
労働人口の減少、ミッシングワーカーの増加、病気や怪我による離職をした人の復活など、その場その場での対応をしながら、新しい雇用を創出していくことが重要なミッションになっている。

今までの採用全般に言えることはゼネラリストを育成することによって、昇進をさせながら、一番高い場所に登りつめるためにはどうしたらいいのかという椅子取りゲームであったのは間違いない。

2010年頃まで言われていた、ビジネスパーソンは35歳で一度死ぬということばがあるように、35歳から40歳になる頃で出世レースは蹴りがつき、出世コースと非出世コースの2通りに分かれるというもの。

出世コースは会社のためにバリバリ働き、非出世コースは社内の政治家といして抵抗勢力になることで自分たちの存在意義を承認してもらっていた。
しかし、昨今の早期退職のニュースから見て分かる通り、抵抗勢力については大変厳しいというのが現状である。

副業解禁とともに始まったのが40歳以上の早期退職がこれからどんどん始まって行くことになる。
会社に貢献できない高給取りは早期退職で第二の人生をというのと、企業全体が新陳代謝をして若返り、若手に対して年功序列に反しても優秀な人材に対しては青天井で年収を支払うシステムに変わっていくだろう。

同一賃金同一労働で同期とも格差が発生する!?

日本型雇用とジョブ型雇用では全く違うものであるということに気づいてほしい。
日本型雇用については、適性を見ながら、潜在能力や可能性も考えて、この人ならこの仕事を任せることができるという勘、経験、度胸から判断をすることが多い。
つまりはその人基準になっているというのが特徴である。
幹部候補がゼネラリストにする理由はどこに適性があるのか、どんなことができるのかを見極めるためにいろいろなポストを経験させて、ポジションを確定させていくことになる。

ジョブ型になると仕事基準になるので、同年代、同期であったとしても仕事の内容によっては大きな格差が発生することになる。
そのため、これからの求人票についてもよりこまかく掲載されることになっていくだろう。

新卒採用の市場がどんどん小さくなっていって、中途採用の市場がいままで以上に活気を帯びてくるのはもちろんですが、ジョブ型に移行すると契約社員で1年契約後に正社員登用という形が増えていくのかもしれない。

正社員でいきなり採用をした場合、スキル不足だった場合には解雇するには今の労働三法ではうまくできない可能性が高くなるからだ。
この流れにのって政府が解決金法案や解雇法案と言われている労働法の改正ができるかどうかというのもポイントになるかもしれません。

総合職と専門職でキャリアと年収が変わる!?

しかし、問題は日本的雇用とジョブ型の異なる2つの仕組みを同じ企業内で併用できるかである。
仮に従来の新卒一括採用の「総合職」とジョブ型の「専門職」の複線型のコースを作れば、一方は年功型賃金、もう一方は高報酬型変動賃金となり、同じ年齢でも大幅な給与格差が生じる。

たとえば総合職コースの30歳社員は年収600万円、専門職コースの社員に2000万円が支給されることも想定される。
それによって社員間の妬ねたみや嫉妬が生まれ、会社の一体性や仕事に対するモチベーションが低下しないのはなぜだろう。

じつは大手企業の中にはすでに高額の報酬でデジタル技術者を雇っている。電機、自動車などの日本の大手企業でも優秀なデジタル技術者であれば最低でも1500万円、2000万円の年収を提示してくる。
しかし、入社しても普通の社員ではないという。

どこの企業も自社の賃金体系の縛りがあり、同じ年代の社員よりはるかに高い給与を払うことはできないし、仮にそんなことをすれば必ず社員間で妬みや嫉みなどハレーションが起こる。

人事が採用する場合によくいっている◯◯さんレベルから、◯◯さんレベルの間で落とし所を探しましょうという理由でもある。

それを避けるために一般的に2つの方法を使っている。
一つは別会社をつくり、本体とは別の賃金体系で高い給与を支払う。
従来の賃金体系は別の形となり、業界水準の賃金体系が確立することができるようになり、ハレーションも起きにくくなる。
似たような会社をシリコンバレーなど海外に設置している会社もある。

もう一つは正社員ではなく、契約社員として雇うやり方。
賃金体系に縛られないので高い報酬が出せるやり方もある。

しかし、こうしたやり方では採用数も少なく、安定した人材の確保には限界がある。できれば正々堂々とちゃんとした人事制度の中で採用したいという思いがある。

ジョブ型に変更すると、早期退職の波が押し寄せる!?

若手社員を含めた「ジョブ型雇用」が浸透することになるかもしれない。
なぜなら日本型雇用とジョブ型は前述したように相いれない仕組みであり、いずれ日本型雇用システムが淘汰されていく可能性もある。

そして同時並行的に発生するのは、もう一つの柱である終身雇用の機能不全による早期離職の促進である。

去年だけでも誰もが知っており、超大手企業が早期退職のニュースになったのは次の通り。
6/24 損保ジャパン 4000人
6/12 JDI 1200人
6/5 MUFG  10000人
6/4 みずほ  19000人
5/26 富士通  2850人
5/22 三井住友FG 5000人
5/14 日産  4800人
4/19 パイオニア 3000人
2/3 ルネサス  1000人
11/7 東芝  7000人

計約6万人

・味の素:50歳以上 100人
・カシオ:45歳以上 200人
・エーザイ:45歳以上 100人
・ファイザー:50歳以上 200人
・LIXIL:50歳以上 人数定めず
・KIRIN:45歳以上 人数定めず
(対象、目安人数)

早期退職候補になりやすいのは40歳以上であり、出世レースが終わった世代以上、バブル期前後に入社をした人達を中心として行われている。
会社が黒字だから大丈夫!業績が好調だから大丈夫!という時代は終わり、正社員であることが安泰という時代も終焉を迎えている。

終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることには限界がきている。
外部環境の変化に伴い、就職した時点と同じ事業がずっと継続するとは考えにくい。
働き手がこれまで従事していた仕事がなくなるという現実に直面している。

そこで、経営層も従業員も、職種転換に取り組み、社内外での活躍の場を模索して就労の継続に努めている。
利益が上がらない事業で無理に雇用維持することは、従業員にとっても不幸であり、早く踏ん切りをつけて、今とは違うビジネスに挑戦することが重要である。

2020年は日本的雇用システムが大きく転換する年になるかもしれない。

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