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【キャリアコンサルタント試験対策】《2022年度前期》2級実技試験面接試験官から観た受検者の傾向⑤「具体的展開」について

前回第28回試験も、第27回に引き続き
《受検者の傾向》が公表されました。
https://www.career-kentei.org/wordpress/wp-content/uploads/2022H1G2_Mensetu_Keikou-1.pdf


2級面接試験の総評及び
評価項目のマイナスポイントの5項目について
私なりの解説・解釈を述べます。

今回は「具体的展開」についてです。

国家受検予定の方にも
お読みいただけると幸いです。

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根拠なく、誰かに相談することを解決策としたり、
職務の棚卸やジョブカードの作成、
キャリアシートの使用を勧める点が気になった。
また相談者自身に考えてもらうような問いかけ、
関わりができている面接は少なかった。

「根拠なく」勧めるということは、
聞いてはいるけど、聴いてはいない、

または受検生の方がお持ちの
「型にあてはめてしまっている」
ということです。


「相談者自身に考えてもらう」には
内省を促す問いかけが必要で、
これがないと「展開」はできません。

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問題解決を急ぐあまり、
相談者に対して説得していたり、
目標設定や提案が唐突で
相談者の理解が追い付かず、
同意を得られないケースもあった。

これは2級受検生のあるあるパターンですね💦


面接時間の20分を
かなり意識されていると思われます。

そのこと自体は試験という性質上、
必要なことです。

だからと言って、相談者の方を

「まるで20分の枠に
無理やり引きずり込むようなこと」

を、熟練レベルを目指す方がするのは、
やはりよろしくないですよね!

「20分の枠」はあくまでも受検生都合


このことを気に留めておく必要があります。

先の「引きずり」を克服するのには
2つあると思っています


1つは先にも出てきましたが、
内省を促す良質な問いかけをしたり、
深掘りをするすること。


そしてもう一つは、

「例え20分で終えられなくても、
口頭試問の10分で挽回する」

とある意味割り切ることです。


私は2回目で合格したのですが、
この時は、「目標設定の直前」で
面接が終わりました。

「あぁ私の試験も色んな意味で終わった」
と一瞬思いましたよ💦


ですが、口頭試問で残りのタスクをこなせたので合格できました。

合格のポイントは大きく3つあるのですが、

①自身のロールプレイを客観視できていたこと
②適切な目標設定・方策立案ができていたこと
③最後まで粘ったこと

です。

ついつい残り数分で畳み込むように
ロールプレイを進める傾向にある方には、
私のこの事例を思い出して、

「引きずり込まない勇気」

を出して頂きたいです。

終了が近くなると
急に展開が進む場面が多い印象だった。
問題把握が不十分なまま
準備してきたシナリオ通りに進めてしまい、
相談者との関係性が崩れているにも関わらず、
それに無自覚な受検者も見受けられた。

前半はこれまでの内容と重複するので
割愛しますね。

「準備してきたシナリオ」は
あくまでも「シナリオ」であって
「リアル」ではないです。

この点については別の機会に記事にする予定ですが、
受験票のロールプレイケースで練習すること自体に
問題はないと思っています。

ですが、いくつかパターンを予想、
シナリオ化して練習しすぎるのは
おすすめできません。


それよりも先にやった方が、
取り組むべきことがある、
と私は考えています。

相談者の方の非言語にも注意を払いましょう。
そして「あれ?」と感じたら、
その違和感を放置せず、
相談者の方にお尋ねしましょう。

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解決までの期限を配慮せず、
面接では展開せずに
次回の相談に先送りする場面も
複数見受けられた。

ここで注目すべきは
「次回に先送りする」です。

これは、
面接の20分と口頭試問の10分を
完全に切り分けてしまっていると思われます。

ですので、きっと

「口頭試問で挽回する」

という意識も持ち合わせて
いらっしゃらないと思われます。

大変もったいないです。

「口頭試問で挽回」

この意識があれば、

「次回に先送りする」

ということはされないはずです。

こちらをお読み下さり
「ハッ」とされた方には、

「たとえ面接の20分で
展開できなかったとしても、
口頭試問で挽回できる可能性がある」


をマインドセットしましょう。

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質問で得た情報を
問題把握に活かすことなく
聞きっぱなしという面接も
少なくないと感じた。

受検生が「問題把握」と捉えられていないと思われます。

ではなぜ捉えられないのか?ですが、
ずばり

「自分の価値観にあてはめて捉えている」

「客観視できていない」


からです。

質問についても、
恐らく問題把握を意識したものではなく、
受検生が聴きたいことを
聴いているに過ぎない
と考えます。

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「仕事理解・自己理解不足、コミュニケーション不足、キャリアプランの不足」といった一般論で括り、表面的に片づけようとする場面も散見され、口頭試問とロールプレイとの乖離が感じられた。

相談者の方は、千差万別です。
1人として同じケースはありません。

それなのに一般論でくくってしまっては、
残念ながら合格が遠ざかります。

口頭試問とロールプレイの乖離は、
客観視できていないことが原因と思われます。

練習時にこういったご指摘を受ける傾向にある方には、
ロールプレイを20分ではなく、もっと短い時間で練習して、
客観視の練習をすることをおすすめします。


《Today'work》
以下の3つができているか?
振り返ってみましょう。

1.内省を促す問いかけ及び関わり
2.一般論で括らない
3.ロールプレイの客観視

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【2022年度前期】2級実技試験面接試験官から観た受検者の傾向を
5回シリーズで私なりの解釈・解説を記事にさせて頂きました。
未読のものがあれば、ぜひご覧くださいね。
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