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ステーキング5つの質問と仕組み

そもそもの疑問

皆さんはADAをお持ちでしょうか?

ADAは大事な資産です。

持っているとさまざまなことに使えるようになってきました。

取引所での売買

物、サービスの購入

NFT作成、譲渡

寄付

投票、資金の割り当て

ステーク・プールの運営、ステーキング

などなど。

「リワードを得ているけど、なぜ委任をするだけでお金をもらえるの?」

委任をしたことのある方で、そういった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

この記事は委任経験があり、報酬を得たことがある方向けに書いております。

カルダノのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)という仕組みでは、ステーク・プールへ委任すると、その見返りとして5日ごとに報酬がもらえます。

銀行にお金を預けると利息が入るようなイメージですが、それと比べて数学的に表現ができるしっかりとした仕組みがあり、年利約4-5%(2021年現在)とより良い利率になります。

私自身、ステーキングを始めて間もない時は、リワードが増えているのが楽しみな反面、半信半疑な部分もありました。

少しでもご不明点が解消されれば嬉しいです。

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以下、仕組みにも触れながら、少し詳しく書いていきます。

ステーキングのステークとは?

委任とは、AdaホルダーがAdaに付随するステークをステーク・プールに預けるプロセスです。これにより、自身でノード(サーバ)を運用することができなくてもAdaホルダーがネットワークに参加し、委任されたステークの量に応じて報酬を得ることができるようになります。

https://cardano.org/stake-pool-delegation/

引用は公式のウェブサイトなどに書かれている内容です。

ステーキングの文脈で一つ一つかみ砕いて説明していこうと思います。

まず、ここではADAとステークを分けて書かれています。

多くの場合、込み入った説明が必要となるため、同じようなものとして話されます。

後々の説明を分かりやすくするため、お手持ちのADAにはステークという宝くじのようなものがついているイメージで読んでいただければと思います。

カルダノ・ネットワーク上で保有されているAdaは、ネットワーク内でのステークを表します。ステークの大きさは保有されているAdaの量に比例します。

https://cardano.org/stake-pool-delegation/

保有しているADAが多ければ、比例してステーク(くじ)の量も増えます。

ステークはステークプールへ委任することができます。

ステークの委任とは?

委任という言葉が出ましたが、ステークの委任とはなんでしょうか?

カルダノのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)プロトコルに内在するメカニズムで、ステークをステーク・プールへ預ける行為になります。

預けているだけなので、別のプールへ預け替えることも自由です。

また、ADAを預けているのではなく、付随しているくじなので、ADAの送金、預入ではありません。

そのため、委任によるADAの損失はなく、委任をしながらもADAを別用途で使用することも可能です。

委任をすることで、委任の量に応じた報酬を得ることができます。

報酬はなぜ払われる?

おそらくここが一番不思議に思われるのではないかという部分です。(とても人間らしいところで個人的に好きな部分です。)

「なぜ委任をするだけでお金(インセンティブ)がもらえるの?なにかあやしいのでは」

インセンティブは、カルダノ・ネットワークとそのエコシステムが長く存続し、健全性を確保するために導入されています。インセンティブのメカニズムは、数学、経済理論、ゲーム理論を組み合わせた科学的研究に裏付けられています。

https://cardano.org/stake-pool-delegation/

まず、インセンティブがないと、よほど「助けてあげたい、社会に必要だから」など強い動機がない限り、苦労することを誰も続けたいと思わないですよね。

例えば、オンラインゲームなどの中で、プレーヤーは苦労するにもかかわらずボスに挑んだり、ミッションに取り組みます。

それはレア・アイテムや報酬などの自己利益へのための行動ともみられます。(ゲーム理論を調べるとものすごく奥が深く、簡単に語れるものではなさそうですが)

それと同じように、ステーク・プールを運用するためには、サーバのレンタル代、日々のメンテナンス、などコストがかかりますが、その見返りとして、カルダノではブロック生成をすることで運用費やインセンティブが振り込まれるため、この運用を続けていく動機ができます。

インセンティブという動機がなければ運用を続ける人も減り、ネットワーク自体もなくなってしまうかもしれません。

委任者目線としては、以下に説明する通り、ステークの委任によりこの運用(ブロック生成)に関わることができ、結果として報酬を得ることができます。

どのように関わることができるのでしょうか?

PoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仕組み

Cardanoで採用しているPoS(プルーフ・オブ・ステーク)は、くじ引きに似た仕組みになります。

多くのコインを持っている(したがって、より多くを投資している)人であれば誰でも、PoSベースのシステムでより多くのブロックを生成できる

https://forum.cardano.org/t/topic/15200

宝くじでもたくさんくじを買うと当たる確率が上がります。

ブロック生成の割り当ては、ウロボロスと呼ばれるシステムによって、プールへの委任量に応じランダムに決定されます。

そのため、くじ引きと同じように、ステークプールに多くのステーク(くじ)がたくさん委任されればされるほど、抽選で当たる確率が上がり、ブロック生成の権利をもつスロット・リーダになりやすくなります。

ビットコインなどのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)の方式では、ブロック生成するためには、複数のサーバが膨大な計算をする必要があります。計算の過程で、CPUやファンを稼働させるため電力消費が大きくなります。その中でも先に正解したサーバのみにブロック生成権と報酬が与えられます。

その点、PoSはくじ引きのようなもので決まるためエネルギー効率が良くなります。

委任者

委任者はノード(サーバ)を運用することができなくても、委任することによりネットワークに参加し、委任したステークの量に応じて報酬を得ることができます。

https://cardano.org/stake-pool-delegation/

「ADAを持つということは、プロトコルに参加してブロックを作成する権利と義務」を持つことと言われています。

しかし、カルダノに参加するために、サーバを立ち上げステークプールの運用をしないといけないわけではありません。

代わりに、ステークをステークプールへ委任することで、委任先のプールがより高い確率でブロック生成の抽選にあたるようになります。

その観点では、「委任」をすることで、委任者はネットワークへ参加、貢献して、義務を果たしているということになります。

見返りに、委任者はステーク量に応じた報酬を得ることができるということです。

ステーク・プール

毎エポック(1エポック=5日)実施されるくじ引きに参加するためには、ステーク・プールはオンラインである必要があります。

また、ブロック生成をする瞬間もオンラインである必要があり、そのためにオペレータはステーク・プールの維持管理をします。

ブロック生成を成功させることで、ブロックチェーンをつなげ、メンテナンスをすることに貢献できます。オペレータはサーバ維持管理のための費用やインセンティブを得ることができます。

まとめると…

  • 報酬が払われる理由 → インセンティブがなければ参加者がいなくなる可能性がある。

  • プール運営者 → サーバを維持管理することによりインセンティブを得る。

  • 委任者 → 委任により、ブロック生成権を増やすことでインセンティブを得る。

ステーキングはタダ?

最初にステーク・アドレスを登録(ステーク・キー・登録証明書と委任証明書をブロックチェーンへ登録)する際、2 ADAのデポジットが必要です。

一度登録すればあとは、プール委任、再委任の際に手数料がかかるのみになります。

以前確認した時は、手数料は0.166293 ADA、0.172761 ADAだったので、近い値になるかと思います。

そのため、ほぼ誰でも参加できる仕組みになっています。

報酬はどこからくる?

もう一つ見えにくい疑問は「報酬の出どころはどこ?」です。

報酬は、プロトコル自体が自動生成するもので、ステークプールの運営者が管理するものではありません。

https://docs.cardano.org/core-concepts/pledging-rewards

引用の通り、ステーク・プールの運営者は報酬を管理することができません。

オペレータは手持ちのADAを分配しているわけでも、「この人には多めに、この人には少なめに」と調整をすることもできません。

下記の2か所から、システムがステーク量(プールへ委任されている委任量)に応じて公平に、かつ自動的に報酬を分配します。

  1. 送金などで発生するトランザクションの手数料

  2. Monetary expansion (リザーブと呼ばれる未発行のADA)

リザーブについて

送金の手数料が報酬に充てられるという部分は、感覚的にもわかりやすいと思います。

ここでは、もう一方のリザーブについて説明いたします。

Max Supply(最大供給量)→ これ以上発行されない上限額: 45,000,000,000
Circulation(市場流通量)→ 市場に流通しているADA: 32,112,302,902
Total Supply(総供給量)→ 市場流通量 + トレジャリー: 33,005,080,086
Treasury (トレジャリー)→ Total Supply – Circulation: 892,777,184
Reserve(リザーブ)→ 未発行のADA = Max Supply – Total Supply: 11,994,919,914

(数値はCoinMarketCapより、2021年8月時点の例)

一言でいうと、ビットコインの様にADAの最大供給量は45,000,000,000と決まっていて、リザーブはその中でも市場に流通していないADAになります。

エポックごとに固定割合のADAが、リザーブからとりだされ、ポッドへ集められます。

その後、一定の割合でそれぞれ報酬とトレジャリー(運営、開発などのための費用)に充てられます。

最終的にプールの報酬として支払われ、その中で委任者へ分配されます。

このプロセスの中で、リザーブの総量が減っていくことになるため、取り出される報酬額としても少しずつ減っていきます。

未来の報酬のためには、ネットワークの参加者が増え、トランザクションが増加することが必要になってきます。

その他よく使われている用語

Luckとは…

主にADApoolsで使われているプールの成績を表す用語です。

ステーク・プールは1エポックごとに、ブロック生成の割り当て抽選があります。

ステーク(委任)量の大さにより当選確率(期待値)が変わり、ステークが小さければ少ない数を、大きければ多数生成できるでしょうとシステムに「期待」されます。

Luckは実際に生成したブロック数/期待数となります。1(100%)の場合は、最適な生成状況となります。

それより低ければくじ運がなかった、高ければくじ運が良かったといった具合です。

例えば、エポック287(8/29~9/3の間)での、当プールの成績は 11(生成数) / 10.1(ステーク量に応じてシステムに期待された数)

これを計算すると109%だったため、くじ運は良いものでした。

また、このパーセントに応じて報酬に上下があります。

まとめ

  • 委任とは、Adaホルダーが自分のAdaに付随するステークをステーク・プールに委任するプロセスです。

  • これにより、ノード(サーバ)を運用しなくてもブロック生成の確率を上げ、ネットワークに参加し、ブロックを作成する権利と義務を果たすことができます。

  • ブロック生成することで、エポックごとにリザーブから割り当てられる報酬を、委任したステークの量に応じて、得ることができるようになります。

「リワードを得ているけど、なぜ委任をするだけでお金をもらえるの?」

上記の、ステーキングに関する疑問が少しでも解消されたならば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

良かったと思っていただけましたら、SUGARステークプールへの委任のご協力、ご検討をお願いいたします。

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