米軍教範の任務分析 METT-TC

今日は米軍教範より、任務を分析等タスクをより細目化する際に使用するフォーマット「METT-TC」についてご紹介します。

Mission「任務」
Enemy「敵」
Terrain and Weather「地形と天候」
Troops and support available「味方」
Time「時間」
Civil consideration「市民」

これらの頭文字を取ってMETT-TC(メット・ティーシー)と言います。

Mission「任務」

Mission「任務」では、その作戦における自分達の達成する為に必要な目標を分析します。
軍隊的には必成目標と望成目標があり、必成目標とは必ず達成しなくてはならない目標です。望成目標とは可能であれば達成する事が好ましい目標です。
軍隊では任務分析をする際はReverse Planning(最終目標から逆手に計画するやり方)を基本とする為、任務分析の際には最初に目標の分析から始まる。

Enemy「敵」

Enemy「敵」では、その作戦における敵勢力の情報を分析する。
敵を分析する際はSALUTEというフォーマットに当てはまる。
Size「規模」- 作戦エリア内の敵の規模
Activity「活動」- 敵の活動状況
Location「場所」- 敵が確認された場所
Uniform「服装」- 敵の服装
Time「時間」- それらが確認された時間
Equipment「装備」- 敵の武器や防弾チョッキ、車両等
また、敵の取る可能行動も分析する。

Terrain and weather「地形と天候」

Terrain and weather「地形と天候」では、その作戦における地形と天候等環境情報、自軍の接近経路を分析する。
現地の地形の植生や、視界、遮蔽になりそうな岩や木があるか等も考慮する。また、緊要地形の分析等もこの段階で実施する。
接近経路の選定をする際は、OAKOCというフォーマットを活用します。
Obstacle「障害」
Avenue of approach「接近経路」
Key terrain「緊要地形」
Observation and field of fire「視界射界」
Cover and concealment「掩蔽と隠蔽」

Troops and support available「味方」

Troops and support available「味方」では、自分達の部隊、そしてその作戦に参加する隣接部隊や、支援部隊の情報を分析する。
具体的には味方部隊の編成、目標、統制事項等が含まれる。

Time「時間」

Time「時間」では、作戦を実施する時間帯、作戦遂行するに必要な時間を分析する。
作戦決行の時間を指定したり、上記の手順を踏まえた上で所要時間を計算すする。
米軍では原則3分の1を状況判断に回して、残りの3分の2を部下の為に回す。

Civil consideration「市民」

Civil consideration「市民」では、考慮すべき市民感情を分析する。
基本的にはASCOPEPMESIIというテンプレートを組み合わせて分析する。

Area「地域」
Structure「構造物」
Capability「資源」
Oganization「組織」
People「人々」
Events「行事」

Political「政治」
Military「軍」
Economic「経済」
Social「公共」
Information「マスメディア」
Infrastructure「インフラ」

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