兵庫県知事選挙について②
僕が考える知事選びのポイント「人格、能力、政策」のひとつ「能力」について、今ある情報をもとに僕なりの推察をまとめてみました。
あくまで「推察」なので、認識不足もあるかもしれない前提でお読みください。
まず、斎藤候補について。
強みは、皆さんよくご存知の胆力とやり切る力。
すごい精神力ですし、反対勢力がいても押し通す強さはピカイチだと思います。
あと、元総務官僚らしく行政改革のツボはさすが心得ていますよね。
一方で、節約行政は得意でも、兵庫県の成長戦略は苦手分野ではないでしょうか。
この3年で兵庫県が伸びていく兆しがあったかという僕には感じられませんでした。
また、今回の事件が起こった原因とも言える組織マネジメント力は不十分だと思います。
兵庫県庁の予算は一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせて4兆3000億円、
職員数は約7000名です。
川崎重工の連結売上高が1兆8000億円、神戸製鋼の連結売上高は2兆5400億円ですから、兵庫県庁の年間発注額は川崎重工や神戸製鋼よりも格段に大きいわけです。
従業員数でいうと、神戸製鋼には及ばないものの、住友ゴムクラスの職員数です。
さすがに、この規模の組織をマネジメントする経験値が不足していたのと、
それを補ってもらうはずの幹部人事でミスがあったと僕は思います。
次に稲村候補。
尼崎市の市長経験から感じるのは、ヒューマンスキルの高さからくる組織運営力は
強みでしょう。
もちろん兵庫県庁は尼崎市の10倍の規模感なので、同じ様に出来るとは断言できませんが、やれる可能性は高いと僕は思います。
一方で、未知数なのは、経済政策、産業政策。
政令市を除く市町村の首長は、基礎自治体として「暮らしまわりの政策」がほとんどなので、広域行政の兵庫県が担う産業政策を軸にした成長戦略をどこまでやってくれるかは現在の政策からは見えませんでした。
最後に清水候補。
強みはなんと言っても元アナウンサーとしての情報発信力と人脈。
このところ地味な印象の兵庫県を元宮崎県知事の東国原さんや福岡市長の高島さんのように兵庫県にスポットライトを当ててくれる可能性は一番高いかもしれません。
一方で、清水さんも大規模組織のマネジメントは未経験なので、ここには大きな不安があります。
ということで、3候補の特徴を僕なりに推察してきましたが、弱みがあることがダメなわけじゃありません。
兵庫県庁ほどの大きな組織を1人で経営できる全ての能力を兼ね備えたスーパーマンは、滅多にいません。
やはり、自分の足りない能力を補ってくれる片腕を誰にするかが重要だと思うのです。
なので、僕が注目するのはどの候補が当選しても「誰を副知事に任命するか?」です。
公開討論会では、「女性副知事の登用をどう思うか?」みたいな質問がありましたが、性別はどちらでも良くて、知事の弱い部分を補う能力を持っている副知事を登用できるかどうかが、今後の兵庫県の発展の鍵を握ると僕は思います。
そういう意味では、小池百合子東京都知事がご自身は情報発信力が優れているので、民間経営のノウハウとDXを推進するために元ヤフー社長の宮坂さんを副知事に登用したのはセンスの良い人事だったと思います。
アメリカ大統領選挙みたいに、知事選挙も副知事候補とセットでキャンペーンをやってくれると、その候補の人事センスや将来ビジョンが理解しやすいので、誰に投票するか選びやすいんですけどね。
こういうテーマで、がっつり議論する討論会をサンテレビでやってくれないかな?(笑)。