感情面を極力抜きにしたファクトベースで兵庫県知事選挙の結果を考えてみました
サンテレビで8時即の当確が出たため、斎藤さんの圧勝という印象が強いのですが、数字は少し違う意味を示しています。
実際の結果は以下の通り。
斎藤候補 1113911
稲村候補 976637
清水候補 258388
大沢候補 73862
立花候補 19180
福本候補 12721
木島候補 9114
今回の選挙は、本来あるべき政策論争というより、
世の中を騒がした様々な事象により、
「斎藤さんか、非斎藤さんか?」という側面が強い選挙になったのは事実。
その観点で見ると、
斎藤さん111万票に対して、非斎藤さんの(稲村さん+清水さん)は123万票あるので、非斎藤さん票が上回っています。
斎藤さんに立花さんを加えても113万票なので非斎藤さんに届きません。
逆に非斎藤さんに大沢さんを加えると130万票となり、非斎藤さんの圧勝になります。
この結果を受けて、斎藤知事は、反対派だった人の意見も真摯に耳を傾け、
より丁寧な県政運営が必要なのは言うまでもありません。
次に、過去の選挙との比較。
2021年の斎藤さんが初当選した前回知事選は、
斎藤さん858782票(当選)
金沢さん600728票です。
つまり、稲村さんは前回の斎藤さんの当選ラインを超える得票を獲得しています。
2017年の前々回と比較しても
井戸さん944544票(当選)
勝谷さん646967票
と、当選した井戸さんの得票数を稲村さんは超えています。
つまり、今回の選挙の最大のポイントは、
前々回の投票率40.86%
前回の投票率41.1%を大きく上回る55.65%の投票率です。
人口は約547万人、有権者は約430万人ですから、
投票率が15%アップすると、64万票が増えます。
これまであまり選挙に行かなかった無党派層の64万票の
かなりの割合を斎藤さんが獲得したのが勝負を分けたと思います。
で、ここからは検証が必要ですが、僕なりの推論です。
本当に、SNS「戦略」なるものがあったのでしょうか?
あちこちで言われている「テレビ対ネット」で、
テレビが負けたというのは本当なのでしょうか?
若者が読んでいるニュースソースは、
ヤフーニュース、LINEニュース、スマートニュース、ニュースピックス、
X、グノシーなどのニュースポータルやまとめサイトが多いと思いますが、
その元ネタはテレビや新聞、雑誌の記事です。
初期にテレビや雑誌が全国ニュースで斎藤さん事件を取り上げたため、
負のエネルギーが大きくなり、
選挙に行かないはずの人々の関心まで高めることになりました。
そして、そこに異を唱える人の意見や、報道と違う事実が判明し、
一気に負のエネルギーが正のエネルギーに転換し、
選挙に行かないはずだった無党派層を選挙に動かし、
今回の大逆転につながったのではないかと思うのです。
つまり、兵庫県のローカルニュースのままなら、投票率が15%もアップしなかったのではないか?
負けたと言われるテレビですが、実は負のエネルギーを高め、
全国ニュースに仕立てたのはテレビたったんじゃないか、
全国ニュースになってなかったら立花さんが乗り出してくることもなかったんじゃないかと思います。
そして、散々話題にしておいて、その後の肝心な時に放送法の問題とやらで放置し、あとはSNS界にお任せ状態になったのは間違いありません。
で、SNS界は行事軍配がいないので、結果として真偽や賛否が入り乱れる状況になったというのが僕の見方です。
だから、今後注目なのは、いつまでテレビが「ネタ元」でいられるか?
ということでしょうか(笑)。