方程式その2 「プロ意識」
新卒採用の仕事はとても楽しかった。やりがいを感じる毎日だった。
一方で、新卒採用以外の仕事、例えば備品の発注やレイアウト変更、ビルの防災業務などの総務部の仕事は気持ちが乗らない。あまり面白さを感じないのだ。
どうしても、やっつけ仕事になり、その出来栄えもイマイチ。一生懸命やっていないのが態度にも出ていたと思う。
世の中にはいろんな仕事があるのだから、当然自分に向いている・向いていないはあるはずだし、好きな仕事・嫌いな仕事があっても当然だろう。たいした問題ではない、そんなふうに思っていた。
そして、入社3ヶ月後の新人研修。職場の同僚が日頃の仕事ぶりを見て、サーベイを付け、その評点を見ながら、今後の課題を見つけ、行動目標を設定する研修だ。
僕の評価は、5点満点で概ね4点以上が並んでいた。周囲に高い評価をしてもらっているのがわかり、ホクホクの気持ち。
ところが、ある項目だけ2点しかない。それは、「どんな仕事でも一所懸命取り組んでいる」という項目。
『あー、やっぱりそう見られているのか』と、なんとなく自覚もあったので、取り立てて驚くわけでもなかった。
しかし、研修トレーナーや同期の見方は違った。
「かしの、仕事を舐めてるんじゃないか?」
「オマエ、給料もらって仕事してるんやろ? 好き嫌いしてどうするの」
「かしのにはプロ意識が無い」
「好きなことだけやってて良いアマチュアと違うねんで。どんな仕事でも一定以上の成果を出す責任があるのがプロや。オマエはプロやろ? そんな甘い気持ちでばらつきのある仕事していたら、この先成長しないぞ」
ボロクソに叩かれた。でも、その通りだった。
悔しいけど、今の僕の考えは甘い。アマチュアの域のままである。スポーツの世界でも時々アマチュア選手がびっくりするようなパフォーマンスを出し、プロスポーツ選手を負かす時がある。でも、そのパフォーマンスを続けることが一番難しいのだ。
プロがすごいのは、そのパフォーマンスを継続して出し続けるところ。調子の波や気持ちの浮き沈みをコントロールできているからこそ「プロ」として、飯を食っていける。
プロ意識をどう自分に身に付けるか、嫌でも取り組まねばならない自分の課題をド直球で突きつけられた。
果たして、乗り越えられるのか?
どうすればプロ意識が身につくのか?
解決策が見えない中、とりあえず毎日それを意識するように「オマエはプロやろ!」と書いた紙をデスクに貼ることから始めた。
楽しんでもらえる、ちょっとした生きるヒントになる、新しいスタイルを試してみる、そんな記事をこれからも書いていきたいと思っています。景色を楽しみながら歩くサポーターだい募集です!よろしくお願いします!