仲間を選ぶ
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仲間を選ぶ

かしのたかひと

たくさんの若者が社会人生活をスタートした。いろんな困難や失敗もあると思うが、それを上回る嬉しいこともきっとあるはずだから、どんな時も前を向いてチャレンジしてほしいと思う。

私もリクルート入社した一年目、とんでもない失敗をした。

失敗というより自分自身が情けなくなるような行いをしたため、「この仕事を続けたくない」「もう会社に行きたくない」と思ったのだ。

担当取締役もかなり心配してくれたそうで、「樫野は、ひょっとすると立ち直れないかもしれないな」と思っていたそうだ。


私は体調不良ということで会社を休んでいたが、先輩からの呼び出し電話があり、退職するか続けるか決心できないまま出社した。

辞めるにしても挨拶はしておかないといけないし、今の気持ちを吐露すれば自分の頭が整理できるかもしれないと思ったのだ。

会社に着き、自分のデスクに向かうと机の上に、「樫野、頑張れよ」のメモが置いてある。

「ありがたいな」という気持ちで、返事を書こうとして引き出しを開け、ペンを取ろうとすると、引き出しから「樫野、負けるなよ」のメモ。

まさか?と思い、他の引き出しを開けるとすべての引き出しから、いろんなメッセージが飛び出してくる。荷物置き場からも、ファイルからも、ありとあらゆる所から、私を励ます言葉が目に飛び込んできた。
 

そして極め付けは、他部署からの電話に出た時。

受話器を取ると、「オマエはプロやろ」という貼り紙。新人研修で私自身がスローガンとして決めた言葉が、そこに貼られてある。

泣けた。そして笑えた。
 

こんな仲間のもとを離れたくないと心の底から思った。最高の職場、最高の仲間を自ら手放すバカはいない。
 
私は「働く」ということは、仕事選びである以上に「仲間選び」だと思っている。

極端な話、嫌いなヤツに囲まれて好きな仕事をするより、好きなヤツとツライ仕事をした方が楽しいからだ。好きなヤツに囲まれて過ごす時間は早く過ぎるし、ツライことやしんどいことも何とか乗り越えていける気がするのだ。

何より残業も嫌じゃない。もっと一緒にいたいし、会社に行くことは好きな仲間に会いに行くのだから「サザエさん症候群」になるわけがない。

だから、就職や転職の時、気の合いそうな仲間がいるかどうかは最重要。 新卒採用で、「将来性」や「事業内容」「企業理念」などより「会社の雰囲気」を重要視する学生がいるが、私は大賛成。企業は人で成り立っている。

あなたが良さそうと思った会社はあなたとの相性がきっと良い。もう一歩突っ込んで、雰囲気だけではなく、個々人と話をして「この人の下で働きたい」「この人なら何でも本音で話せそう」と感じるかどうかが企業選びでは一番大切だと思う。

私は、アイ・エム・ジェイの新卒採用の説明会でいつもこんなふうに語っていた。

「一緒に働く上で、人と人の相性はとても大事だと思っている。     相性なので誰とでも合うとは限らないけど、今日の私たちの話を聞いてもらって、『なんとなく合いそう』『ピンとくる感じがした』と思った人は、きっと私たちと相性がよく、一緒に働いて楽しいビジネスができると思う。

今、感じた想いを大事にしてほしいし、そういう人はぜひ面接を受けに来てほしい。そんな人を待っています」

こういう採用をしていたから、アイ・エム・ジェイはファミリーのようだった。辞めて何度も出戻ったりする社員がいるほど、とても仲が良く、大好きなメンバーが集まった特別なチームだったと今でも思う。
あなたが、入社した会社でそんな素敵な仲間に出会えていることを願う。

そして、もうひとつ重要なこと。
社外の人脈も大切だが、仲間でありチームである社内の人脈はそれ以上に大切なものになる。
 

実際、私が経営していたアイ・エム・ジェイはネットベンチャーだったが、元々ネット系に人脈が豊富にあったわけではなかった。ところが社長に就任して業界内を見渡すと、リクルート出身のIT経営者が山ほどいることに気がついた。やはり元同僚は、共有の話題も多く、仕事に対する価値観も近い。

仲良くなり、信用関係を築くまでの時間が圧倒的に早くなるのだ。つまり営業するにしても、提携するにしても、コミュニケーションコストが少なくてすむ。さらに、中途採用する時にも人柄があらかじめわかっていて、その仕事ぶりや能力がわかっているとハズレる確率が低い。
 

これについてはリクルートが特別だったというのは確かにある。あんなに若いうちに退社して、どんどん独立していく企業は、かつては少なかったのは事実。

しかし、今は大転職時代。私がリクルート退職後に見た景色は、あなたが転職や独立する時にも同じようになってきている。

今、あなたの隣に座っている同僚は、ひょっとすると何年か先にあなたの顧客になっているかもしれないし、あなたをもっと良い職場に引き抜いてくれるかもしれない。

「袖振り合うも多生の縁」。
道を行くとき、見知らぬ人と袖が触れ合う程度のことも前世からの因縁によるという意味。どんな小さな事、ちょっとした人との交渉も偶然に起こるのではなく、すべて深い宿縁によって起こるのだ。何かの縁であなたと同じ職場にいる同僚は、あなたにとってかけがえのない存在かもしれないと思って大切にした方が良い。

続きは「仕事を楽しむ整える力」で。

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かしのたかひと

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かしのたかひと
リクルート、福岡ドーム、メディアファクトリーを経て、映画プロデューサー、ベンチャー経営者、政治家、作家に。