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【読書コラム】リモートワークで”人を動かす”ことに悩んだときの5冊

リモートワークに関してBIGLOBEが3月中旬に行った調査で「通常時でも在宅勤務などのリモートワークが可能か」という質問に対して、9割弱の回答者が「可能」と答えている。

一方、「出社する必要があると思うタイミング」では、1位が「社外の打ち合わせ」であったものの、2位は「社内の案件打ち合わせ」、3位は「社内の定例会議」と、社内でのミーティングが続いた。

社外との打ち合わせでは相手先と面と向かって話すことの重要性が感じられるものの、社内のいわば身内同士のやりとりがオンラインでは行えないというのは不思議な状況である。

オンラインで社内の打ち合わせを済ませるためには、マネジメントやリーダーシップについて再検討してみる必要がありそうだ。リモートワークで”人を動かす”ための方法を考える。

日本人のマネジメントはヤバい?

まず根本的なところから話を始めると、日本人というのはマネジメントに関わる能力が極めて低いのかもしれない。使われる側の能力は非常に高いのだが、とにかく上に立って指示したり管理するのが苦手だということをデータが示している。

本書によると先進国24か国を対象とした調査で「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」の3つの分野で、日本人はトップである。こんな優秀な人間を使っているのにも関わらず、1時間あたりの労働生産性ではOECD加盟35か国中で20位、主要先進国の7か国では最下位だ。

これは、マネジメント能力が非常に低いことを認めざるを得ない。

生産性を高めるリーダーシップ

ただ、苦手だと嘆いている間にも、世の中はますます複雑化して、生産性を高めないことには太刀打ちできない時代へと突入しており、さらにマネジメントが難しくなっていくのだという。

複雑化するし、思わぬことが起こるし、変化の幅が大きいし、さらに曖昧だという非常に取り扱いが困難な状況を「VUCA」と呼ぶ。

変化に対応するために最も簡単な対処法は、目の前の問題をスグに解決するために最短距離を選び続けることだ。無駄の多い日本のマネジメントでは対応が難しいことは明らかだ。

本書では、動かしたい人のタイプ別に、それぞれの対処法についても細かく解説されているので、とても参考になる。

リーダーの役割の重要性について

昨年2019年8月に亡くなったエンジェル投資家の瀧本哲史さんは、生前に書いた本の中で今後も稼げる職業として「マーケター」「イノベーター」「リーダー」「インベスター」を挙げている。

ただ、瀧本さんによるリーダーに向いている人物像は「コンプレックスを持っていること」や「敵と味方を区別する」「敵を徹底的に叩き潰す」などと、かなり攻撃的で特異なタイプである。

瀧本さんの言葉ばかりを聞いていると肩に力が入りすぎる気がするので、ポジティブな側のリーダー像を示した本も合わせて紹介しておこう。

この本の著者である大嶋啓介さんは有名な居酒屋の代表者で、攻撃的なマネジメントではなく、従業員の良いところを探しながら管理していくという明るく楽しいマネジメントを紹介している。

ただし、大嶋さんのワクワクへの徹底ぶりは、やはり異常とも言えるレベルに達しているので、もしかしたらマネジメントには異常性や狂気が必要なのかもしれない。

チームとしてのマネジメント

マネジメントには個々人に対するアプローチと、チームに対するアプローチがあり、リモートワークが一定の規模になるとチーム全体を見ながらマネジメントを進めていく必要が出てくるだろう。

この観点から参考になる書籍としては、これがおすすめだ。

ここまで仕事でのマネジメントばかりを紹介してきたが、本書の著者である酒井俊幸さんは東洋大学の陸上競技部の監督である。そして、この監督になったタイミングというのが同大学が箱根駅伝で初優勝した3か月後なのだ。

ダメなチームを強くするのは難しいが、強いチームを維持することも難しい。

学生というマネジメントが難しい相手に対して、酒井監督がどのように接し、いかに目標を設定してチーム内へと浸透させたのか。選手たちに自信を持たせるための工夫など、スポーツから学ぶべきものは多いと改めて感じた一冊だった。

日本人のマネジメントは下手くそだということを念頭に、これまでとは異なるリモートワーク時代のマネジメントについて考えていきましょう。たぶん、きっとめっちゃ大変だけど面白いはず。

マネジメントされる側の悩みについては、こちらのノートが参考になるかもしれません。

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当コラムでは、大きな時代の変化に対応すべく新たな知識を身につけたい皆さんに対して、最適な本をご紹介することを目的として更新を行っています。

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さて、次回は「ZOOMの画面にうつる相手に好印象を持たせる方法」という観点からのコラム&おすすめ書籍について書こうと思います!

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