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未来の広告、スナップチャットのランドマーカー機能について|Snapchat Landmarkers AR

こんにちは。AR技術に特化したスタートアップOnePlanetをやっています村上と申します。弊社はAR技術を活用した様々なソリューションを提供しており、日々世界中のAR事例を研究しています。

この記事ではSnapchatの「Landmarkers」という機能をご紹介させていただきます。個人的にも大好きなAR体験です。

この機能は日本では使えないのであまり認知されていませんが、世界各地の歴史的建造物で使える「その場所でしか体験ができない」機能です。そのため各国ローカルではこのLandmarkersを活用したユニークなSNS投稿が発生しています。

テクノロジーを活用して「場所の価値」を高めている、ワクワクするような好事例として以下にまとめていきます。

Snapchatとは

24時間で投稿が消える若年層に人気のSNSです。インスタグラムのストーリー機能の元祖としても有名です。

2011年にアメリカで創業された企業で、2017年に上場しています。日本ではユーザー数が少ないですが、アメリカではZ世代を中心に多くのユーザーを抱えています。

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Snapのことを詳しく知りたい方は、以下の記事にまとまっています。

関連記事:Snapchatって何?今さらだけど気になる人のために考察まとめ記事を書いてみたら、Facebookとの戦いの歴史だった


Landmarkers機能の概要

Snapchatの「ランドマーカー」とは、世界各国の名所(ランドマーク)にリアルタイムで反応するAR技術です。

以下の動画で最初に見えている建物は、ニューヨークのマンハッタンにあるフラットアイアンビルディングです。100年超の歴史がある、ニューヨークを代表する建造物に起きる変化をご覧ください。

チーズがとろけてきてサラミが乗っかりましたよね。


Landmarkers機能のすごさ①リアルタイム性

このLandmarkersの何がすごいのかと言いますと、VRのような100%のバーチャルワールドでこういった視覚体験の拡張を行うのではなく、実際にニューヨーク現地の建造物がリアルタイム(目の前)でピザになっちゃうという点です。

ポケモンGOは、実際には何もない場所でもバーチャルコンテンツがあれば人を誘致する事ができることを証明しました。レアなポケモンが都会にしか出現せず田舎の人が辛いという問題は、国際問題とまで言われています…!

SnapchatのLandmarkersも同じく、場所の価値をバーチャルコンテンツで高めることに成功しています。歴史的建造物は実際に建物を傷めることなく、その集客力を高める事に成功しています。

少し余談ですが、先ほどの事例は大手ピザチェーンのプロモーションに活用されたものです。バーチャルな情報をリアルに重ねることで場の価値を高めるAR機能はプロモーションにも活用され、Snapchatの重要な収益源にもなっています。


Landmarkers機能のすごさ②誰でも開発可能

Snapchatではアプリ内で遊べるARを誰でも開発リリースできるAR開発者向けプラットフォームを提供しています。これはYoutubeに動画クリエイターが誰でもコンテンツを提供できる状態と同じです。

つまり、先ほどの事例のようにリアルな建築物に対して様々なAR演出を提供することは世界中の開発者たちが誰でも出来るようになっているため、世界中には多数のLandmarkers機能を活用したARが提供されています。

これはロンドンのバッキンガム宮殿にスパイダーマンが出現したARの様子です。

こちらもピザの事例と同じく、ソニー・ピクチャーズの映画のプロモーションとして展開され、大きな話題を集めました。


どのように実現しているのか

SnapchatのLandmarkers機能は、リアルな現地の空間データを事前にSnapchat側が3Dスキャンし、その3Dデータに対してソフトウェア内で演出を行ってARをリリースするような流れになっています。

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なので、建造物の形が変化してしまうと表示するバーチャルデータとリアルの建物に齟齬が起きてしまうので、長きに渡って形が変化することのない歴史的な建造物を中心にLandmarkers機能は提供されています。

建物がピザになったり、スパイダーマンが登場するだけでなく、以下のように建物をめちゃくちゃ伸ばしたり、グニャグニャにしたり、謎の物体を吐き出したりと楽しい演出を盛りだくさんに開発提供する事が可能です。


Landmarkersのポイントが世界14箇所で追加

先述のマンハッタンにあるフラットアイアンビルディングやバッキンガム宮殿に加えて、昨年のSnapchatのアップデートではさらに14箇所がLandmarkesの対象建造物として追加されました。

エトワール凱旋門 - パリ、フランス
プラハの天文時計 – プラハ、チェコ
ブランデンブルク門 – ベルリン、ドイツ
エル・カスティーヨ – チチェン、メキシコ
ガラタ塔 – イスタンブール、トルコ
インド門 – ムンバイ、インド
ピサの斜塔 – ピサ、イタリア
ロンドン自然博物館 – ロンドン、イギリス
新市庁舎 – ミュンヘン、ドイツ
マダイン・サーレハ - マダイン・サーレハ、サウジ・アラビア
ギザの大スフィンクス – ギザ、エジプト
自由の女神像 – アメリカ
タージ・マハル – アグラ、インド
タワー・ブリッジ – ロンドン、イギリス

日本はユーザー数が少なく残念ながら対象になっていませんが、ぜひ現地に行って建物が変化する様子を撮影してみたいですよね。

以下の記事に、世界中のSnapchatの楽しいLandMarkersをまとめました。ぜひ興味がある方はご覧ください!

関連記事:SnapchatのランドマーカーARベスト10選|10 of the Best Snap LandMarkers AR contents.


まとめ

リアルの建物への演出は、これまでであればプロジェクションマッピングやKinect(キネクト)などのセンサー技術が担ってきました。

ご紹介したように、ARテクノロジーはリアルなオブジェクトにバーチャル情報を重ね合わせることでこれまでは起き得なかった拡張体験をスマホのカメラ越しに提供します。

これらは未来の新しい広告フォーマットとも呼ばれており、世界では非常に注目されているプロモーションモデルです。

弊社では、まだ世に新しいARマーケティングを様々な形でご提供しております。次の時代のプロモーションにご興味があるパートナー企業様/クライアント企業様を探しているので、ぜひ一緒にプロジェクトを立ち上げさせてください。お気軽にお問合せくださいませ!


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