ゴールデンウィークはじまり、瞑想のすすめ

　今年の、まだまだ長く思えるゴールデンウィークが始まりました。きっと終わった時にはあっという間だったなと儚むのだと思います。ゴールデンウィーク初日の昨日は天気がもう、本当に悪くて、低気圧不調でやられて1日ほぼずっと寝ていました。有意義な休日にするんだろと誰かにお尻を叩かれて、午前に少しだけ掃除を、午後にちょっとした原稿を書きました。

　今日は晴れていますがもう本当に最悪な気分です。朝から。家族のいるリビングの居心地が悪くてしょうがなくて、自室の掃除をだらだらした後スタバに避難してきたところ。ただそのスタバもまあまあ混んでいて、なんとか確保した窓際の電源のある席でげんなりしています。スタバは無料で無脂肪ミルクへの変更ができるのでダイエット中でも入りやすいです。

　去年のゴールデンウィークは何をしていたんだっけと振り返ると、結果的に4ヶ月に渡った休職の真っ只中だったことを思い出しました。連休最終日にSNSで友人たちが労働への呪詛を宣っている中、わたしだけが明日も休みであることに虚しくなったことも思い出しました。

　休職はそれなりに辛く、寂しかったです。経験したことのない方からすると、仕事を休んでおいて甘えるなよと思われるかもしれませんが、毎日するべきことがわからなくて、ただ通院を繰り返しながらその合間で自分の病気と向き合うのはなかなかに地獄でした。うつは底まで落ちてしまうと、まるで自分の脳が誰かに乗っ取られているような状態になります。気力も体力もわかず、ただ涙が自動的に流れるままベッドから動けない日もありました。トイレに行けなくなって、母に抱えられて便器に座ったこともありました。

　でも結果的に、休職は絶対にあの時は必要だったと思います。それ以外にも様々な要因があって…転院したとか、PTSDの専門的な治療を始めたとか、人間関係にも変化があったとか…昨年1年と今年に入ってからの数ヶ月で体調はかなり良い方向へと向き始めました。毎日の行動の選択肢、例えば食べる・外出する・寝る・仕事する、のなかに「死ぬ」が含まれなくなったのは生まれて初めてです。

　今も、スタバでこの文章を書いているうちに、朝から感じていた息苦しさがだんだん軽くなってきたのを感じています。きっと時間が解決した部分もあると思うし、カフェインのおかげもあるかもしれません。でも、文章を書くことで「マインドフル」な状態になれていることが大きな要因だと思います。

　個人的に、マインドフルな状態とは「今、ここにあることだけに意識を向けている状態」だと解釈しています。マインドフルネスとは「今、ここ」に意識を向けることだと一般的に言われていて、しばしば「瞑想」という言葉とも結びつけて語られます。

　マインドフルネスは「今、ここ」だけに意識を集中させます。ただ、世の中の多くの人がイメージする「瞑想」と少し違うのは「雑念」の扱い方だと思います。

　例えば「今、ここ」に意識を向けているとき。自分の呼吸によって膨らんではしぼむお腹や、空気が通っていく鼻の奥などの感覚に意識を向けるとその感覚が掴めてきますが、突然「雑念」が顔を出します。わたしの場合、明日の仕事のタスクや今日SNSで見た記事の内容が唐突に思い出されることが多いです。そのときは、その雑念を無理矢理排除することはしません。ただ、その雑念のことを認識して眺めます。「今、わたしは明日の仕事でやるべきタスクのことを考えているな」ということを認識するのです。道路を走っていく車のことを眺めている時と感覚が似ているかもしれません。

　こういうマインドフルな経験は、個人的にはかなりメンタルを癒してくれると感じています。実際休職していた時は毎日マインドフルネスをしていたし、眠る前に行うと寝つきが良くなったりもしました。マインドフルネスな経験とは何も「瞑想」に限ったことではなくて、例えば美味しいご飯を食べている時もマインドフルな状態だと思います。ご飯の味や見た目、食感に集中して味わうことは「今、ここ」の感覚を研ぎ澄ませることに近いのではないでしょうか。

　どうしてもマインドフルな状態になれず、不安感があったり息苦しさを感じている時は目を開けます。目を開けて、その場から見えるものを心の中でリストアップしていきます。窓、窓の外にある木、木の下にあるテーブル、イス、柱、植木鉢…といった感じです。そうすると、心が強制的に「今、ここ」に向けられるのか、わたし個人の場合は気分が落ち着くことが多いです。これは通っている精神科で教えてもらった応急処置で、体調が良くなってきた今も時々やっています。

　普段忙しいほど、急に休みがやってくると「うまく休めない」状態に陥りがちだと思います。ON/OFFの切り替えがうまくいかないというか、いまいち気を張った状態が緩まないというか。そういう時になんとなく、マインドフルネスを試してみるのが個人的にはかなり「整い」ます。この休みの間もこうして自分を調律しながら過ごしていくのでしょう。とりあえず、仕事をするのは1週間先です。

　蛇足ですが、最後に。マインドフルネスがいまいちわからなかった頃（今もわかっているわけではありませんが）に使っていたのがこのアプリです。

　「マインドフルネス」で検索すると大体トップに出てくると思います。おそらく元々は日本語のアプリではないのでたまに日本語が不自然なところがありますが、ガイド音声にしたがって始めることができるので使いやすいです。タイマーもついているしおすすめ。