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エッセイ

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#推し

推しに花束を

推しに花束を

コーヒーが飲めるようになったのは確か中学2年生のときだった。学校の友人の前でかっこつけてひと口、舐める程度の量をすまして口に含んでみたら、案外飲み込めたのである。その瞬間まではミルクや砂糖を入れたものしか飲めないと思っていたし、確かにそうだったのに、突然である。

思えば辛い中華料理をおいしいと感じるようになった時もそんな感じだった。くさみのある羊の肉も、絶妙に苦そうなズッキーニも、そうやって食べ

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