見出し画像

山の暮らしつれづれ

このブログでは学校生活を中心に書いてきましたが、今日は学校を離れた日々の暮らしについて綴ってみたいと思います。

都会の生活と違うところって何だろう?こっちに移住してきて感じるのは、消費よりも生産することに時間が割かれているということ。とくにこの地域で昔から何でも自分たちで創ってきた暮らしを続ける人々、そして自給自足をやるためにこの地に移住してきた人々は、いろんな知恵とチャレンジ精神で何でもかんでも自分たちで作るを実践し、そしてそれを楽しんでいるように見えるのです。私もそんな人々に憧れて、少しずつ自分の暮らしを自分で創る楽しみを始めてみています。

今年は初めてお醤油づくりにチャレンジしました。大豆と麦の種麹を塩と混ぜて樽に入れて、何度も何度も丁寧に天地返しを繰り返し、みんなで作った手作りのお醤油。画像1

画像2

画像3

寝かせて寝かせて9か月。最初の一滴が絞られたときの感動と言ったら!いろんな味がしてコクとうま味がぎゅぎゅっと詰まっていてダシがいらないくらいに美味しい生醤油。子どもと一緒に毎日一滴一滴大切にいただいています。調味料はなるべく安心安全で美味しいものをと心がけてきましたが手作りに勝るものはありません。シンプルな材料とみんなの心がこもった味。そして自分で育て上げたという愛着が一番の調味料。

移住する前からお味噌づくりは家でここ数年やってきましたが、やっぱり一人でやるとなると腰が重い作業。でもお友達が声かけてくれて複数家族でみんなでえいやって味噌づくり。子どもたちが大活躍で楽しんでるまに一年分の味噌を仕込むことができました。

画像4

画像5

味噌や醤油を手作りする暮らしができるなんて!東京で暮らしていたころには想像もしていなかったこと。なんでもスーパーでパッケージされたものを買ってくるのが当たり前だったから、どうやって味噌や醤油ができるのか、考えたこともやってもようとしたこともなかった。数年前、自然農を営む友人の誘いで、畑と小さな田んぼを借りて、大豆とお米を育てて、その大豆とお米で味噌を作るというワークショップに参加して以来、自分たちの食べるものを作るということに夢中になってしまった。子どもたちと種から作るお味噌は一年がかりのプロジェクトだけれども、ぱっとお金を出して得られるものとは違う幸せを味合わせてくれた。忙しい現代は、みんながみんな自分たちの味噌や醤油を時間をかけて手作りすることは当たり前ではなくなってしまったけれども、ほんの数年前まではきっとそれが当たり前の風景。そしてその歴史のほうがきっと長い。みなで語らいながら大豆を蒸して仕込んで寝かせて仕上がりをじっくりじっくり待つ。それがきっと人々が今まで営んできたリズム。そんなゆったりとした、しかし確実に時が移ろう時間を、私たちは生きている。インスタントではない、じっくりと向き合う暮らし。それが山村には残っていて、そんな暮らしに触れることが私にとってはとても心地よい。

画像6

お友達に柿をもらって干し柿の作り方を習った。初めての試みに胸おどる。今年わたしの作った大豆を干している傍らでオレンジ色に光る干し柿。美味しく出来るかな。軒先に幸せがぶらさがっている。

娘のために山村留学に来たけれども、実は親の私が一番この山村留学を楽しんでいる。山の暮らしをご近所のみなさまに教えてもらいながら、私の留学生活も進みます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?