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全校生徒700人から7人へ

長野県で一番小さな学校へ

5月の下旬、新緑がまだ残る山あいの地、和合へと親子でやってきました。
娘が通っていた学校は、地域でも大きいほうの部類で全校生徒は700人弱。
約30人のクラスメイトの中で過ごしていた娘がやってきた学校は、娘を入れて全校生徒7人。
娘の学年は2名。
1年生1名、2年生2名、3年生1名、4年生1名、5年生2名、6年生はいません。
今年はうちを入れて2家族がやってきたので、昨年に比べて生とは倍増!
昨年度は4名でした。
ほんとうに、ほんとうに、小さな学校。
生徒7名に対し、先生は6名+事務員さん+用務員さん。
職員の数の方が多いのです。
小さな学校は大きな学校とは違うことがたくさんあり、親子でびっくりびっくりな毎日でした。

みんなで働く、みんなでやる

人数が少ないので、学校生活を送るための仕事もみんなで分担しなければなりません。
大きな学校であれば高学年が担当する委員会活動も1年生から立派に参加します。
朝の放送、お昼の放送、低学年と高学年がタッグを組んでしっかり仕事をこなします。
1年生もいつまでも小さなお客さんではいられません。
掃除も全員で取り組まないと広い校舎がきれいになりません。
全校生徒7人といっても、低学年、中学年、高学年と教室は3つあります。
その他にも音楽室、理科室、図工室、図書室、家庭科室兼ランチルーム、体育館と
設備は立派なものです。
一人一人の役割が自ずと大きくなるのが小規模校の特徴でしょう。
みんなのなかでの自分の役割を意識せざるを得ない環境。
もともと、人は、役に立ちたい、仕事がしたい、という欲求を持っていると、小さな子どもたちを見ていると感じます。
働くことが喜びである。
私が働くことによって、みんなが喜んでくれる。
それを実感しやすい環境にあるのかもしれません。
とにかくここの子どもたちはよく働きます。
まぁ、遊びながら働いているんですけどね。
わいわいと口も動かしながらもしっかり身体は動かして働いている。
いつも見るたびに感心する光景です。
前の学校では人数が多いと騒いでうるさいからか「黙働」が推奨されていました。
黙ってもくもくと仕事をしろ、という時間です。
でもそれでは仕事がつまらない。
つまらないことはやりたくない。
働くことが喜びではなく強制された労働になってしまうのです。
それなら楽しく素早く仕事はできたらいいですよね。
なにかの本で掃除の時間にノリノリの音楽をかけて躍りながら掃除をするクラスの取り組みを読んでなるほどと思いました。
働くことは楽しいんだ!みんなでクラスのために働いたらみんなが喜んでくれるんだ!
そんな体験を子どもたちにはして欲しいと思います。
はからずも、小さな集団ではそれが自然と成り立っていました。
娘は放送ができることに誇りと喜びを持ち、みんなのために何かをすることが嬉しくてたまらない様子です。

給食は全員で食べる

全校生徒7人ですから、クラスという概念がありません。
生活の単位が全校です。
みんなの楽しみな給食も家庭科室兼ランチルームで全校生徒、全職員でコの字型にテーブルを並べて
みんなの顔を見ながら食べます。
保護者である私まで、お弁当をもって学校に遊びに行き、娘と一緒にランチをいただくことも頻繁にあります。
いつでもどうぞ、いつでも見に来てくださいね、と
とってもオープンな学校なんです。
授業参観のかしこまった時にしか学校に入れないと思っていた私にはカルチャーショック!
娘が学校に慣れるまでは、というより、私が学校に慣れるまでは、よくお弁当をもって学校で一緒に食べて娘の様子を見ていました。
まるで大きな家族みたいで、和気あいあいと食べています。
同じ釜の飯を食べる、みたいに、みんなでご飯を食べるという習慣が、この学校の一体感を生んでいるのかなと思いました。

集団とはとてもあいまいな言葉です。
子どもたちには集団生活を積ませないと、と大人は言います。
この学校の先生も、小さな集団ではなく、大きな集団でやっていかれるようにと、隣の地区の学校へ交流従業に行かせたりと頑張っています。
でも集団とはいったい何人からを指すのでしょうか。
数十人の集団だと自分の意見も言わずにただ流されて過ごしてしまうかもしれません。
私はそんな学校時代を過ごしました。
波風たたせず、みんなに従って、自分の気持ちはおいてけぼり。
どうやったら自分のやりたいことを集団のなかで実現させていくのか、これは学校生活では身に付けることはできませんでした。

一方、小さな数人の集団というのは、どうしても固定された集団だから、ああだこうだいいながら折り合いをつけていかないといかない場面が多々あるようです。
そのなかでコミュニケーションを重ねながら自分と他者が双方納得する答えを見つけ出していく、そんなスキルを今子どもたちは学んでいるように感じます。
特に娘は自分の主張を前に出せない引っ込み思案な性格なので、大人数では長いものに巻かれていました。
今は自分の意見を求められる環境で、どうしても表現していかなければならない場面を重ねて、ずいぶんと自分の意見が言えるようになってきたように見受けられます。
大きな学校から小さな学校に来て、一般的なお勉強よりも、娘はコミュニケーションスキルのお勉強をさせてもらっています。
そこがまたひとつの特徴なのかなと感じています。

まだまだ小さな学校ならではの驚きや発見が続きますので、引き続きレポートしていきますね。

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